IR映画の座談会再び エンタメ、カジノ、テクノロジー、コロナ禍まで語る (3/3)

大谷イビサ(JaIR編集部)

改めて観ると、レビューのテーマが変わってしまう


大谷:今回連載の映画はどうやって決めたんですか?

二上:一応、けっこう映画は観ているので、私が割り振っています。ただ、毎回のテーマまでは決めてなくて、どんな感じで書くのかは各自にお任せしています。

玉置:大体は過去に観ていて、毎回なんとなくプランを描いてから改めて観ると、思っていたのと違うテーマが出てきます。たとえば「クレイジー黄金作戦」は、単純にラスベガスの真ん中でロケしているという理由で取り上げたのですが、たまたま同じ時期に「ダイヤモンドは永遠に」がテレビでやっていて観たら、これも昔見た記憶では印象がなかったラスベガスのカーチェイスがドカンと出てきたので、そこと合わせて日米の古き良き時代のエンタメネタとして書きました。

第12回「クレージー黄金作戦」「007/ダイヤモンドは永遠に」 ーラスベガスのど真ん中でロケを敢行!
https://jair.report/article/429/

セキュリティネタで取り上げようと思った「ジェイソン・ボーン」も、途中から「これってテックのMICEの話だな」と思って、今まで取り上げなかったアデルソンの話を取り込んだりしました。だから、僕はけっこう行き当たりばったりで、当初考えていたのと違うテーマで書いていますね。

塚田:まったく同感。最初に「アビエイター」を観たときは、ラスベガスやカジノを意識しないで、単にディカプリオかっこいいだけだったんですよ。でも、今回の連載のために再度見直したら、主人公のハワード・ヒューズに関してはさまざまな文献があって、調べれば調べるほど面白い。ハワード・ヒューズと付き合っていた女優のキャサリン・ヘプバーンの自伝まで読んでしまって、なんだかハワード・ヒューズ研究家になりそうでした(笑)。
 

アビエイター主演のレオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督


第13回「アビエイター」ーラスベガスを浄化したとされている、謎の大富豪ハワード・ヒューズの真実に迫る
https://jair.report/article/434/

自伝系の映画は意外とないんですよね。でも「アビエイター」はラスベガス時代のことは描かれていないので残念ですね。実話ベースの映画は「バグジー」と「カジノ」くらいしかないのだけれど、カーク・カーコリアンやスティーブ・ウィンをテーマにしたら絶対に面白いと思います。まだちょっとリアルすぎて作れないのだろうけれど。

玉置:連載を書くための映画の見方って、普段と全然違うんですよ。記事ネタになりそうな箇所を一時停止して観たりするので、こんなに真剣に映画観たのは初めてかもしれません(笑)。

塚田:連載開始時よりも記事の文字数はどんどん増えているしね。

二上:私はラスベガスを舞台にした恋愛映画の変遷から、ラスベガスの結婚式ビジネスに迫りました。全く別の映画から、共通したIRのテーマを見つけるのがついつい癖になっていますね。

第20回「ベガスの恋に勝つルール」ー恋愛映画からラスベガスの結婚ビジネスを考える
https://jair.report/article/476/

大谷:完全に職業病(笑)。たぶん連載を書くためのJaIR目線になってしまっているんですね。次に映画観るときは、もう少し純粋に映画を楽しむとよいと思います(笑)。

一同:そうですね(笑)。


■連載バックナンバー

第1回「バグジー」ーラスベガスを作った男の華麗で危険な香りいっぱいのロマンスを描く
https://jair.report/article/323/
 
第2回「オーシャンズ11」ークールでイケイケの”ラスベガス像”を作った大ヒット映画
https://jair.report/article/321/
 
第3回「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」ーラスベガスらしさ全開の大ヒットコメディ
https://jair.report/article/335/
 
第4回「クレイジー・リッチ!」ーIRで急成長した「シンガポール」と、IRを支える「超富裕層」を2時間で理解する
https://jair.report/article/341/
 
第5回「ラストベガス」ーラスベガスの新旧の魅力を存分に味わえる映画
https://jair.report/article/351/
 
第6回「ゴッドファーザー」ー映画史に残る傑作はIR映画だった!?
https://jair.report/article/361/
 
第7回「カジノ」ーその危うさをきちんと理解しておくことが、健全なIR作りの土台となる
https://jair.report/article/371/
 
第8回「ロッキー」シリーズ ーボクシングの聖地ラスベガスの変遷がよくわかる
https://jair.report/article/380/
 
第9回「カジノタイクーン」「ゴッド・ギャンブラー」ースタンレー・ホーとマカオ、香港の歴史が分かる
https://jair.report/article/390/

第10回「グランド・イリュージョン」シリーズ ーラスベガスと深い関係のイリュージョンを学ぶ
https://jair.report/article/396/

番外編 真夏のIR映画座談会 連載担当3人がIR映画の魅力を語る
https://jair.report/article/416/

第11回「エルヴィス・オン・ステージ」 ーラスベガスでの伝説的な常設公演を体感する
https://jair.report/article/419/

第12回「クレージー黄金作戦」「007/ダイヤモンドは永遠に」 ーラスベガスのど真ん中でロケを敢行!
https://jair.report/article/429/

第13回「アビエイター」ーラスベガスを浄化したとされている、謎の大富豪ハワード・ヒューズの真実に迫る
https://jair.report/article/434/

第14回「ラスベガスをぶっつぶせ」ーカジノのゲームとセキュリティの裏側を知る
https://jair.report/article/448/

第15回「007 カジノ・ロワイヤル」ーポーカーの華、テキサス・ホールデムを極める
https://jair.report/article/454/

第16回「ロケットマン」ーエルトン・ジョンを通してラスベガスのレジデンシー・ショーを学ぶきっかけとなる
https://jair.report/article/461/

第17回「リアル」ー韓国でのIR開業とそのプロモーションについて学ぶ
https://jair.report/article/466/

第18回「ジェイソン・ボーン」ー”テック系のMICEと言えばラスベガス”を学ぶ
https://jair.report/article/470/

第19回「名探偵コナン ゼロの執行人」「名探偵コナン 紺青の拳」ー日本アニメの影響力をきちんと認識しておこう
https://jair.report/article/473/

第20回「ベガスの恋に勝つルール」ー恋愛映画からラスベガスの結婚ビジネスを考える
https://jair.report/article/476/

第21回「ラスベガスをやっつけろ」「リービング・ラスベガス」ー超変わり種映画でラスベガスの奥深さを知る
https://jair.report/article/486/

第22回「コン・エアー」ー爆破解体! 最後の瞬間までショーアップするラスベガス魂の研究
https://jair.report/article/493/

第23回「コンテイジョン」「夜に生きる」「マイ・ブルーベリー・ナイツ」「LOGAN/ローガン」ー実はIRやカジノが登場する映画
https://jair.report/article/500/