大阪府・市がIR計画案を公開 MGM・オリックスに加え地元20社が出資

JaIR編集部

 2021年12月23日、IR誘致を目指している大阪府・市は、9月28日に事業予定者として正式選定したMGM・オリックスのコンソーシアムと共同で作成した大阪IRの素案を公開した。また、事業期間35年間において、大阪IRが目指す姿をとりまとめた「大阪IR長期構想」(案)を策定した。
IR区画の全体配置イメージ

 「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」(案)と題された計画は、概要資料でも17ページ、本編資料は表紙、目次、全19項目の要求事項、全25項目の評価基準、留意事項、区域整備計画の用語提議まで179ページに及んでおり、大阪IRの計画やコンセプトを詳細に解説している。

 夢洲の北側に設置される大阪IR施設の総床面積は約77万㎡。1号施設として最大会議室6000人以上を収容できる国際会議場、2号施設として2万㎡の展示会場、3号施設として5つの魅力増進施設、4号施設としてバスやフェリーターミナルを含む送客施設、5号施設として約2500室の客室、レストラン、プール、フィットネス、大浴場、バンケットを備えた3つのホテル、6号施設としてシアターやショッピングモールを備える。カジノ施設は総床面積の3%以内になる約6.5万㎡。

 過去の計画案に比べ、より明確になったのは資金・収支計画、事業工程で、概要では5ページ目に記載されている。

 初期投資額は約1兆800億円。出資金額のうち49%にあたる約5300億円は中核株主としてラスベガスに本社を置くMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスがそれぞれ約40%ずつ、残りの20%を関西の地元企業を中心とする20社が出資する。少数株主となるのは、岩谷産業、大阪瓦斯、大林組、関西電力、近鉄グループホールディングス、京阪ホールディングス、サントリーホールディングス、JTB、ダイキン工業、大成建設、大和ハウス工業、竹中工務店、南海電気鉄道、西日本電信電話、西日本旅客鉄道、日本通運、パナソニック、丸一鋼管、三菱電機、レンゴーの20社。

 また、全体の51%にあたる約5500億円の借入れ金額はプロジェクトファイナンスによる借入で、三菱UFJ 銀行・三井住友銀行からコミットメントレターを取得しているという。
 収支に関しては、年間売上約5200億円としており、このうち8割の4200億円がゲーミング収入となる見込み。

 開業時期はもっとも早い進捗で2029年秋から冬頃だが、新型コロナウイルス感染症の収束状況 、IR事業の税制上の取扱いやカジノ管理規制の整備状況、 土壌汚染や液状化といった夢洲特有の地盤性状への対応状況、工事環境等によって1~3年の遅れが見込まれるという。

 12月23日(木)から2022年1月21日(金)まで要綱に従ってパブリックコメントが募集される。

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