撤退していたシーザーズが和歌山IRで復活 クレアベストのコンソーシアムに合流

JaIR編集部

 クレアベストニームベンチャーズ(以下、クレアベスト)は9月29日、和歌山マリーナシティを拠点とする世界的な統合型リゾート(IR)の開発・運営を行うコンソーシアムチームに、シーザーズ・エンターテインメント・インコーポレーテッド(以下、シーザーズ)が参加することを発表した。

 シーザーズは2019年8月29日、日本での統合型リゾート(IR)ライセンス取得に向けた活動中止の決定を発表していた。しかし、この発表により、候補地の中でもいち早く自治体の和歌山県と基本協定を締結しているクレアベストのコンソーシアムに加わることになる。
クレアベストの和歌山IRのパース

「シーザーズは象徴的なブランドであり、日本で事業展開できることを誇りに思う」

 シーザーズは、アメリカを中心に80年以上に渡り50施設以上のリゾート運営実績を持ち、ゲーミング及びリゾート産業でも、ラスベガスを代表する有名なブランドの一つ。クレアベストは今後、新たに加わったシーザーズを含めたコンソーシアムの候補者について、和歌山県と基本協定に定める手続きを進め、正式にコンソーシアムメンバーとしての参加手続きを進めていく。その後、和歌山県の正式承認を得たうえで、IR認定の申請期限である2022年4月28日までに、新しいコンソーシアムチームで国への区域整備計画の作成を行っていくことになる。

 シーザーズは、2019年にエルドラドリゾーツと173億米ドル(2019年のレートで1兆8857億円)で合併されて以来、初めての国際展開になる。シーザーズは2019年に日本のIR活動を撤退したあと、2020年2月には韓国のカジノホテルプロジェクトにおけるシーザーズの株式を処分していた。

 アメリカのプレス、ICE365によると、消費者調査会社のTheCarterGroup最高経営責任者であるDominicCarterが以下のようにコメントしているという。

「このタスクは、単に名前(ブランド)の認識を新たにするだけでなく、大規模なプロジェクトに関する能力と実績を確立できるようにすること、つまり地元の聴衆に真に変革をもたらす世界クラスのリゾートを約束できるようにすることです」

 今回の発表について、両社のコメントは以下の通り。

クレアベスト代表取締役、エディー・ウー氏のコメント 

「シーザーズと提携できることを大変うれしく思います。クレアベストとシーザーズは、日本におけるIR事業に対してビジョンを共有しており、海外からの訪問者を増やすことでCOVID-19パンデミックからの経済復興を促進するだけでなく、和歌山県、関西地方、そして日本全体に大きな経済活性化をもたらす統合型リゾートを一緒に作ることができると確信しています」 

シーザーズCEO、トム・リーグ氏のコメント 

「シーザーズは象徴的なブランドであり、クレアベストと連携して日本で事業展開できることを誇りに思います。我々の経験がクレアベストの経験と完璧に調和すると信じています。和歌山県、関西地域のために彼らと一緒に特別なものを作れることを楽しみにしています」 

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