<IR用語集・基礎知識> カジノ

JaiR編集部

ポーカー、ルーレット、スロット・マシーンといったギャンブルを行うことのできる施設。

語源はイタリア語の「家」を意味するCASA。CASINOは「小さな家」で主に王侯貴族の別荘を指す言葉だった。別荘地でギャンブルを楽しむ場所として、15世紀には既に原型となる施設が誕生している。19世紀に入るとイタリア、フランス、ドイツ、イギリスといったヨーロッパ圏を中心に急速に広まっていく。会員制の上流階級の社交場的な位置付けの高級カジノが主流だったが、ギャンブルを中心に据えたカジノが現れ、庶民にも広がっていった。

豪華ホテルやエンターテインメント施設を併設した煌びやかなリゾートとしてのカジノは、1931年にギャンブルが合法化されたネバダ州のラスベガスにおいて登場する。このラスベガス・スタイルのカジノは大人気となり、一大産業に成長していく。多くのハリウッド映画にも描かれ、「カジノと言えばラスベガス」のイメージが世界中に定着していった。

一方アジアの中心は、東洋のラスベガスとも呼ばれたマカオ。21世紀に入ると中国の急激な成長を受けて、市場規模でラスベガスを抜いて世界一になっている。これを追う形で2011年にIRとして開業しているシンガポール、さらにフィリピンマレーシアカンボジアなどのASEAN諸国でのカジノの設置が進んでいる。

このほか全世界的に見ても、宗教的にギャンブルが禁止されているイスラム圏を除くほとんどの主要国には設置され、その数は130か国以上にものぼる。外国人観光客の誘致とそれによる外貨獲得を主眼とし、自国民の入場を禁止あるいは制限している国も多い。日本と同様にカジノの無いブラジルでも合法化に向けた動きが進んでおり、カジノ・オペレーター各社は最後に残された大型の優良市場として両国の動きを注視している。