<IR用語集・基礎知識> マカオ

JaIR編集部

1999年の中国返還までポルトガルの植民地だったマカオは、香港同様、返還後50年間の現状維持が保証された中国の特別行政区であり、中国唯一のカジノの解禁特区になっている。マカオ半島の先端部に位置する旧市街がカジノの中心だったが、半島の南側の2つの島の間を埋め立てて作られたコタイ地区を中心にIR開発が進められている。香港国際空港を挟む形で東に香港、西にマカオという位置関係となっており、2018年末に香港=空港=マカオをつなぐ橋が開通したことで、空港から40分ほどで結ばれることになった。

長きに渡って「マフィアに支配された麻薬と博打と暴力で腐敗した街」のイメージが強かったが、第二次大戦後に、STDM(The Sociedade de Turismo e Diversões de Macau〜澳門旅游娯楽有限公司)に独占的にカジノ・ライセンスを与えたことで変革が始まった。STDMの総帥スタンレー・ホーが、「食と娯楽の街」というイメージを前面に押し出すと同時に、港を作って香港からの高速船を就航させる等のインフラを整え現在の繁栄を築いた。独占状態は約40年続き、マカオの税収の大半をSTDM関連が占めるという状態にまで成長した。

中国返還後の2002年、マカオ行政府はSTDMの後継企業であるSJMのほか、ギャラクシーとウインに新たにカジノライセンスを解放。さらにそれぞれのサブライセンスとしてMGMチャイナ(SJMのサブ)、ベネチアンマカオ(サンズの子会社〜ギャラクシーのサブ)、メルコクラウン(後にメルコ〜ウィンのサブ)を認める。この結果、合計6社が自由競争を始め、コタイ地区のIR開発は急速に加速した。この6社のライセンスは2022年6月末に更新期限を迎えるため、入れ替えがあるのか、この先の有効期限がどうなるのか等々が注目を集めている。

2006年には売り上げ規模(約2兆円)でラスベガスを抜いたとされたが、中国高官や富裕層の資金洗浄の疑いも指摘され、中国政府の規制強化とともに売り上げが沈静化。代わってファミリーで楽しめるエンターテインメントの街を前面に押し出し成長を続けている。