<IR用語集・基礎知識> 大阪・関西万博

JaIR編集部

2025年4月13日(日)〜10月13日(月)、大阪市此花(このはな)区の人工島・夢洲(ゆめしま)で開催される、正式名称「2025年日本国際博覧会」。想定来場者数は約2,800万人、経済波及効果の試算値は約2兆円。夢洲はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)から車で約10分の場所にあり、徒歩では入ることができず、路線バスか車でのアクセスに限られるが、万博までに大阪メトロ中央線をコスモスクエア駅から夢洲駅へ延伸する計画が進められている。

夢洲は、MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループが事業者に決定している、大阪IR(統合型リゾート)の建設予定地でもある。現在、物流センターなどを除くと約250haの大部分が更地となっているが、このうち中央エリアの約100haに万博会場、隣接する北エリアの約77haにIRが配置される計画。もともと大阪府・市は、IRを万博開催前に開業し、相乗効果の拡大を狙っていたが、新型コロナウイルス感染症の影響でそれが叶わず、開業予定は万博後の2020年代後半に後ろ倒しとした。同時期ではなくなったものの、大阪万博でなく「大阪・関西」万博という名称の通り、夢洲が国際的観光拠点となることで、大阪から関西一円、ひいては日本の経済への波及効果が期待されている。

1928年、パリで締結された国際博覧会(BIE)条約によれば、万博とは「公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すもの」「二以上の国が参加するもの」と定義付けられている。また、6か月以内・5年間隔で開催される「登録博覧会」と、3か月以内・会場面積25ha以内・登録博覧会の間に1回開催される「認定博覧会」の2つの区分があり、大阪・関西万博は前者の登録博覧会に該当する。

日本では、1970年(昭和45年)に大阪千里丘陵で初の万博が開催。月の石を展示したアメリカ館などが話題を集め、6,422万人もの来場者を集めた。この1970年の万博は、ファミリーレストラン、ワイヤレステレフォン、電気自動車、動く歩道など、日本の高度経済成長を世界にアピールする場となった。2025年はテーマに「いのち輝く未来社会のデザイン」、サブテーマに「多様で心身ともに健康な生き方」「持続可能な社会・経済システム」が掲げられ、世界各国が国際社会の諸課題解決に向けた技術やアイデアを共有し、SDGsの達成に貢献する「未来社会の実験場」となることが、その意義となっている。

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■関連サイト
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
https://www.expo2025.or.jp/