政府は8日、2度目の新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を発出し(東京都など首都圏、大阪府など関西圏、福岡県など)、まだまだ、新型コロナの世界的な影響は収まる気配がない。2019年後半から中国・武漢で始まった新型コロナ感染症によって、東京オリンピック・パラリンピックやドバイ万博は延期になり、IR(統合型リゾート)の基本方針発表も2020年前半の予定が大きく延びて、ようやく2020年12月18日に決定した。IR区域整備計画の認定申請期間(都道府県・政令市から国への申請)も、2021年10月1日~2022年4月28日まで9か月延期された。しかし、先行きの見えないまま、延期されていた状態からようやく、スケジュールが示されたとことにより、各自治体の動きが一気に加速してきている。
本来なら、昨年の早い時期、遅くとも7月には決定するとみられていた基本方針が5か月以上遅れたことになり、IR区域整備計画の認定申請期間(都道府県・政令市から国への申請)は、昨年公示した期間(2021年1月4日~2021年7月31日)を、2021年10月1日~2022年4月28日までと、9か月延期することになった。自治体からIRの区域整備計画の認定申請を受け付けた後、有識者により構成される審査委員会において審査を行い、国土交通大臣が認定することになっており、基本方針案は認定に当たっての考え方やルールを定めるものになる。
IR担当の赤羽一嘉・国土交通大臣は、IRの区域整備計画の認定審査に係る基準として、「国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現」「経済的社会的効果」「IR事業運営の能力・体制」「カジノ事業収益の活用」「カジノ施設の有害影響排除等」の5項目が定められているとし、「依存症などの弊害防止対策に万全を期しながら、国際競争力があり、滞在型観光の促進に資する日本型IRを実現するものとなっている」と説明している。
また、菅義偉首相は、「IRの整備は今後、我が国を観光先進国としていくための重要な取組です。基本方針は、カジノだけでなく、国際会議場・展示場や大規模な宿泊施設を併設し、家族で楽しめるエンターテインメント施設である日本型IRの整備により、魅力ある滞在型観光の実現を目指すため、今後、各地域の計画の認定を行う際の基準などを盛り込んでおります。関係各位におかれては、本日接触ルールが決定されたことも踏まえ、公正性・透明性を確保し、国民の理解を頂きながら、IRの整備に当たり必要な準備を今後も着実に進めて、政府一丸となって観光先進国実現を目指していただくように、お願いいたします」と説明している。
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IR基本方針がいよいよ決定 各自治体の反応は?
https://jair.report/article/531/
政府がIR基本方針を決定 事業者との接触ルールも公表し、IR開業へ本格始動 https://jair.report/article/530/
観光庁が修正IR基本方針案を公示、認定申請は9か月延期
https://jair.report/article/474/
横浜市は、「“魅力ある都市横浜のさらなる飛躍”と“将来にわたる横浜市民の豊かな暮らし”を確かなものとするため、世界最高水準のIRを横浜都心臨海部の街と一体的に整備・融合し、観光・経済にイノベーション(革新)をもたらす、横浜イノベーションIRの推進に取り組んでいます。この実現に向け、国に共同で申請を行い、IR施設の設置・運営を行おうとする民間事業者の公募(RFP)を開始します」と趣旨を説明している。
また、住民の反対運動も活発で、IR(統合型リゾート)について是非を問う住民投票を実施するための条例制定に向け、市民団体が署名活動を行い、条例制定の直接請求をしていたが、横浜市議会本会議は8日、自民・公明両会派の反対多数で否決している。
横浜市が公表しているRFCによると、「日本型IRの実現に関すること」への提案者は、ウィン・リゾーツ、ギャラクシーエンターテインメント、ゲンティン・シンガポール、SHOTOKU、セガサミー・ホールディングス、メルコリゾーツ&エンターテインメントの名前が挙がっている。ラスベガス・サンズは撤退した。
■関連サイト
横浜特定複合観光施設設置運営事業の設置運営事業予定者の公募について(横浜市HP)
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/torikumi/IR/RFP.html
■関連データベース
横浜市・「横浜特定複合観光施設設置運営事業」の設置運営事業予定者の公募について公表
https://jair.report/archive/439/
横浜市・「横浜IR景観デザインノート~横浜市の考える創造的な景観形成~」(資料)
https://jair.report/archive/435/
長崎県は、佐世保市との協力のもと、佐世保市ハウステンボス町において、特定複合観光施設区域整備法に基づく、九州・長崎特定複合観光施設設置運営事業を実施する民間事業者を公募により選定することを発表し、要項を明らかにした。資格審査書類の受付期限は1月28日まで、第一次審査書類の受付期限は3月1日まで(予定)となっている。その後、第二次審査書類の受付期限は6月まで(予定)となっており、審査結果の公表は8月(予定)だ。一次審査は300点満点で、主に運営能力と財務能力のチェックになっている。二次審査は1000点満点で、運営・財務以外に、コンセプト、アイコニックな施設、懸念事項対策、地域還元などが問われる。
公募内容は、ハウステンボス株式会社の公募不参加・関与の制限や複数応募の禁止などが明示されているが、施設内容に関する主要ポイントは以下の通り。
①早岐湾一体提案が可能である。一体提案を行わない場合、事業者は港湾施設の補修および更新の費用を持たなければいけない。
②最大国際会議施設の収容人員が6,000人以上で、施設全体の収容人数が12,000人以上。展示施設の床面積が20,000㎡以上。
③宿泊施設の客室延べ床面積が概ね100,000㎡以上。
④事業者の要件として、応募企業(グループ)全体で、2021年1月1日現在、テーブル台数が200台以上、スロット台数が1,000台以上のカジノ施設を有していること、2021年3月31日以前直近のカジノの粗収益1,000億円以上のカジノ施設を運営していること。さらに、延べ床面積300,000㎡以上の複合施設か、或いは、区域面積が10ha以上で、かつ区域内に延べ床面積150,000㎡以上の複合施設を持っているか、いずれかを満たしていることが求められている。
現在、RFPに対して、カレント(長崎)、オシドリ・インターナショナル・デベロップメント(香港)、カジノ・オーストリア・インターナショナル(オーストリア)、ピクセルカンパニーズ(東京)の4社が参加の意向を表明している。
■関連サイト
長崎県ホームページ IR推進課
https://www.pref.nagasaki.jp/section/ir-shitsu/
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長崎県が九州・長崎IR事業の公募(RFP)を開始
https://jair.report/article/543/
アジアに近い長崎県のIR、パートナー探しはつねにオープンに
(長崎県 企画部 IR推進課 國廣 正彦氏インタビュー)
https://jair.report/article/331/
今後、2月に参加資格結果の通知が行なわれた後、選定委員会の声を聞きつつ、2021年の春頃までに優先権者が選定される。
クレアベストニームベンチャーズはカナダの投資会社クレアベストグループ(Clairvest Group Inc.)の日本法人。クレアベストグループはカナダやアメリカ、チリなどのカジノ、IR、リゾート開発に投資家・運営者の立場で関わっているほか、インドやイギリスではオンラインゲーミングやeスポーツのビジネスも手がけている。
サンシティグループホールディングスジャパンは、「総合エンターテインメント企業」をめざしている。親会社はマカオのカジノにおけるVIPサービスで知られており、不動産開発や賃貸、ホテルやIRのコンサルティング、旅行サービスなどのほか、イベント興業、レストラン経営、映画制作まで関連企業は200社以上になる。昨年9月には和歌山事務所を新設し、和歌山IRについての認知を高める「和歌山IR2.0アンバサダー・プログラム」もスタートさせている。
■関連サイト
「和歌山県特定複合観光施設設置運営事業」の事業者公募における提案審査書類等の提出者について(和歌山県)
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020100/d00206242.html
和歌山県ホームページ IR推進室
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020100/ir/top.html
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VIPのニーズに応え続けるサンシティグループが和歌山にこだわる理由
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サンシティが和歌山事務所を新設、地域住民に向けて「和歌山IR2.0」構想を紹介
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本命ではなかった和歌山県にクレアベストが賭けた理由
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和歌山県が目指すリゾート型IRと最新の誘致動向
https://jair.report/article/367/
大阪市の松井一郎市長も、「本格的に動き出した。地域指定を勝ち取れるようにしたい」と意気込みを語り、「2025年の万博開催時にはフルスペック、全面的にオープンしてほしい」と思っていたが、「新型コロナの影響もあり、厳しくなった。全面開業できる時期は柔軟に考えたい」と状況の変化について語った。
1月も残りが少なくなってきたが、まもなく、今後の予定が発表されるだろう。RFP自体、最初の条件から、基本方針の修正もあり、整理する必要がありそうだ。
大阪府・市のIRへの応募事業者はMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同体のみだが、GGAsiaによると、MGMリゾーツ・インターナショナルは2020年7月、2020年第2四半期の決算発表で、最高経営責任者のビル・ホーンバックル氏は、大阪IRでMGMリゾーツがオリックス社と提携して開発することに言及し、「40~45%の出資比率になるだろう」と述べており、日本でのIR開発に関連した「全体的な投資とリスク・リターン(プレミアム)に対する相対的なもの」であると語っている。
さらに、MGMリゾーツは、同社が日本でのIRを「慎重な」投資であると考えた場合にのみ、「必要なリターンを支払うことになるだろう」とコメントし、「まだまだ先は長いが...私たちは、この投資が完全な『オールイン』でない事を気に入っています」とも発言しており、慎重な投資姿勢を見せていた。さらに、「我々は、カジノのライセンスプロセスが、おそらく遅延が発生することになる事実を好ましく思っている。そして、会話を再開することで『興味を持っている全ての人』、とりわけ、『私たち』にとってより良い投資になることを期待する」と遅れること自体は歓迎している。
基本方針発表後は「世界最高水準の統合型リゾートを実現できるようオリックスとともに引き続き尽力する」とコメントをしている。
同じく共同体のオリックスは、2020年5月22日の決算説明会で、井上亮CEOが「良い投資になるのか、再検討している」などとも発言しているが、11月2日の第2四半期決算説明会では、「IR事業に関する基本方針に変更はない。新型コロナウイルスの影響を加味した上で分析・検証を進めていく」と改めて参画の意思を表明している。
■関連サイト
大阪府ホームページ IR推進局
http://www.pref.osaka.lg.jp/bu_irsuishin/
■JaIR関連資料データベース
大阪府・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業に関する提案審査書類の提出期限延長を発表
https://jair.report/archive/295/
■関連記事
MGMリゾーツ第2四半期発表、CEOが大阪IRで少数株主になる可能性を発言 https://jair.report/article/399/
大阪のIRは延びるのか?6月4日の松井市長の記者会見を読み解く
https://jair.report/article/334/
【政府】菅首相は「政府一丸となって観光先進国実現を目指して」
政府は2020年12月18日、第7回特定複合観光施設区域整備推進本部を開催、IR(統合型リゾート)整備に関する基本方針を決定した。衆議院議員の秋元被告の汚職事件を受け、IR推進本部の事業者との接触ルールを公表、修正案で示されていた、自治体の誘致申請期間を9カ月延期する政令も閣議決定した。本来なら、昨年の早い時期、遅くとも7月には決定するとみられていた基本方針が5か月以上遅れたことになり、IR区域整備計画の認定申請期間(都道府県・政令市から国への申請)は、昨年公示した期間(2021年1月4日~2021年7月31日)を、2021年10月1日~2022年4月28日までと、9か月延期することになった。自治体からIRの区域整備計画の認定申請を受け付けた後、有識者により構成される審査委員会において審査を行い、国土交通大臣が認定することになっており、基本方針案は認定に当たっての考え方やルールを定めるものになる。
IR担当の赤羽一嘉・国土交通大臣は、IRの区域整備計画の認定審査に係る基準として、「国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現」「経済的社会的効果」「IR事業運営の能力・体制」「カジノ事業収益の活用」「カジノ施設の有害影響排除等」の5項目が定められているとし、「依存症などの弊害防止対策に万全を期しながら、国際競争力があり、滞在型観光の促進に資する日本型IRを実現するものとなっている」と説明している。
また、菅義偉首相は、「IRの整備は今後、我が国を観光先進国としていくための重要な取組です。基本方針は、カジノだけでなく、国際会議場・展示場や大規模な宿泊施設を併設し、家族で楽しめるエンターテインメント施設である日本型IRの整備により、魅力ある滞在型観光の実現を目指すため、今後、各地域の計画の認定を行う際の基準などを盛り込んでおります。関係各位におかれては、本日接触ルールが決定されたことも踏まえ、公正性・透明性を確保し、国民の理解を頂きながら、IRの整備に当たり必要な準備を今後も着実に進めて、政府一丸となって観光先進国実現を目指していただくように、お願いいたします」と説明している。
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政府がIR基本方針を決定 事業者との接触ルールも公表し、IR開業へ本格始動 https://jair.report/article/530/
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【横浜市】IRの民間事業者の公募(RFP)開始、夏には選定
横浜市は21日、IR(統合型リゾート)の民間事業者の公募(RFP)を開始した。資格審査書類の受付期間は2月5日~5月17日。提案審査書類の受付期間は6月1日~6月11日。設置運営事業予定者の選定は今年の夏頃となっている。横浜市は、「“魅力ある都市横浜のさらなる飛躍”と“将来にわたる横浜市民の豊かな暮らし”を確かなものとするため、世界最高水準のIRを横浜都心臨海部の街と一体的に整備・融合し、観光・経済にイノベーション(革新)をもたらす、横浜イノベーションIRの推進に取り組んでいます。この実現に向け、国に共同で申請を行い、IR施設の設置・運営を行おうとする民間事業者の公募(RFP)を開始します」と趣旨を説明している。
また、住民の反対運動も活発で、IR(統合型リゾート)について是非を問う住民投票を実施するための条例制定に向け、市民団体が署名活動を行い、条例制定の直接請求をしていたが、横浜市議会本会議は8日、自民・公明両会派の反対多数で否決している。
横浜市が公表しているRFCによると、「日本型IRの実現に関すること」への提案者は、ウィン・リゾーツ、ギャラクシーエンターテインメント、ゲンティン・シンガポール、SHOTOKU、セガサミー・ホールディングス、メルコリゾーツ&エンターテインメントの名前が挙がっている。ラスベガス・サンズは撤退した。
■関連サイト
横浜特定複合観光施設設置運営事業の設置運営事業予定者の公募について(横浜市HP)
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/torikumi/IR/RFP.html
■関連データベース
横浜市・「横浜特定複合観光施設設置運営事業」の設置運営事業予定者の公募について公表
https://jair.report/archive/439/
横浜市・「横浜IR景観デザインノート~横浜市の考える創造的な景観形成~」(資料)
https://jair.report/archive/435/
【長崎県】RFP資格審査の書類受付は1月28日まで、最終決定は8月予定
長崎県は7日、九州・長崎特定複合観光施設設置運営事業(以下、本事業という)について、「九州・長崎特定複合観光施設設置運営事業募集要項」を公表し、本事業を実施する民間事業者の公募・選定手続き(RFP)を開始した。長崎県は、佐世保市との協力のもと、佐世保市ハウステンボス町において、特定複合観光施設区域整備法に基づく、九州・長崎特定複合観光施設設置運営事業を実施する民間事業者を公募により選定することを発表し、要項を明らかにした。資格審査書類の受付期限は1月28日まで、第一次審査書類の受付期限は3月1日まで(予定)となっている。その後、第二次審査書類の受付期限は6月まで(予定)となっており、審査結果の公表は8月(予定)だ。一次審査は300点満点で、主に運営能力と財務能力のチェックになっている。二次審査は1000点満点で、運営・財務以外に、コンセプト、アイコニックな施設、懸念事項対策、地域還元などが問われる。
公募内容は、ハウステンボス株式会社の公募不参加・関与の制限や複数応募の禁止などが明示されているが、施設内容に関する主要ポイントは以下の通り。
①早岐湾一体提案が可能である。一体提案を行わない場合、事業者は港湾施設の補修および更新の費用を持たなければいけない。
②最大国際会議施設の収容人員が6,000人以上で、施設全体の収容人数が12,000人以上。展示施設の床面積が20,000㎡以上。
③宿泊施設の客室延べ床面積が概ね100,000㎡以上。
④事業者の要件として、応募企業(グループ)全体で、2021年1月1日現在、テーブル台数が200台以上、スロット台数が1,000台以上のカジノ施設を有していること、2021年3月31日以前直近のカジノの粗収益1,000億円以上のカジノ施設を運営していること。さらに、延べ床面積300,000㎡以上の複合施設か、或いは、区域面積が10ha以上で、かつ区域内に延べ床面積150,000㎡以上の複合施設を持っているか、いずれかを満たしていることが求められている。
現在、RFPに対して、カレント(長崎)、オシドリ・インターナショナル・デベロップメント(香港)、カジノ・オーストリア・インターナショナル(オーストリア)、ピクセルカンパニーズ(東京)の4社が参加の意向を表明している。
■関連サイト
長崎県ホームページ IR推進課
https://www.pref.nagasaki.jp/section/ir-shitsu/
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長崎県が九州・長崎IR事業の公募(RFP)を開始
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アジアに近い長崎県のIR、パートナー探しはつねにオープンに
(長崎県 企画部 IR推進課 國廣 正彦氏インタビュー)
https://jair.report/article/331/
【和歌山県】RFPにクレアベストとサンシティが提案審査書類提出
和歌山県は15日、IR事業者公募の提案審査書類の提出を締め切り、クレアベストニームベンチャーズ(コンソーシアム構成員:クレアベストグループ)とサンシティグループホールディングスジャパン株式会社の2社から書類提出を受けたことを発表した。今後、2月に参加資格結果の通知が行なわれた後、選定委員会の声を聞きつつ、2021年の春頃までに優先権者が選定される。
クレアベストニームベンチャーズはカナダの投資会社クレアベストグループ(Clairvest Group Inc.)の日本法人。クレアベストグループはカナダやアメリカ、チリなどのカジノ、IR、リゾート開発に投資家・運営者の立場で関わっているほか、インドやイギリスではオンラインゲーミングやeスポーツのビジネスも手がけている。
サンシティグループホールディングスジャパンは、「総合エンターテインメント企業」をめざしている。親会社はマカオのカジノにおけるVIPサービスで知られており、不動産開発や賃貸、ホテルやIRのコンサルティング、旅行サービスなどのほか、イベント興業、レストラン経営、映画制作まで関連企業は200社以上になる。昨年9月には和歌山事務所を新設し、和歌山IRについての認知を高める「和歌山IR2.0アンバサダー・プログラム」もスタートさせている。
■関連サイト
「和歌山県特定複合観光施設設置運営事業」の事業者公募における提案審査書類等の提出者について(和歌山県)
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020100/d00206242.html
和歌山県ホームページ IR推進室
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020100/ir/top.html
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サンシティが和歌山事務所を新設、地域住民に向けて「和歌山IR2.0」構想を紹介
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本命ではなかった和歌山県にクレアベストが賭けた理由
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和歌山県が目指すリゾート型IRと最新の誘致動向
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【大阪府・市】1月に実施方針を確定し、夏から秋にかけて事業者を正式決定
政府の基本方針発表を受けて、大阪府の吉村洋文知事は2020年12月18日、記者団に対して「いまコロナ禍ではあるが、先を見据えると、IRは大阪の経済成長に重要だ。国が基本方針を確定したことは歓迎したい」と語り、2021年1月には府としての実施方針を確定し、夏から秋にかけて事業者を正式決定したい、と予定を明らかにした。そのうえで、「どういった絵姿」になるのかという提案を受けて、「大阪のパートナー」を決定したいと語った。大阪市の松井一郎市長も、「本格的に動き出した。地域指定を勝ち取れるようにしたい」と意気込みを語り、「2025年の万博開催時にはフルスペック、全面的にオープンしてほしい」と思っていたが、「新型コロナの影響もあり、厳しくなった。全面開業できる時期は柔軟に考えたい」と状況の変化について語った。
1月も残りが少なくなってきたが、まもなく、今後の予定が発表されるだろう。RFP自体、最初の条件から、基本方針の修正もあり、整理する必要がありそうだ。
大阪府・市のIRへの応募事業者はMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同体のみだが、GGAsiaによると、MGMリゾーツ・インターナショナルは2020年7月、2020年第2四半期の決算発表で、最高経営責任者のビル・ホーンバックル氏は、大阪IRでMGMリゾーツがオリックス社と提携して開発することに言及し、「40~45%の出資比率になるだろう」と述べており、日本でのIR開発に関連した「全体的な投資とリスク・リターン(プレミアム)に対する相対的なもの」であると語っている。
さらに、MGMリゾーツは、同社が日本でのIRを「慎重な」投資であると考えた場合にのみ、「必要なリターンを支払うことになるだろう」とコメントし、「まだまだ先は長いが...私たちは、この投資が完全な『オールイン』でない事を気に入っています」とも発言しており、慎重な投資姿勢を見せていた。さらに、「我々は、カジノのライセンスプロセスが、おそらく遅延が発生することになる事実を好ましく思っている。そして、会話を再開することで『興味を持っている全ての人』、とりわけ、『私たち』にとってより良い投資になることを期待する」と遅れること自体は歓迎している。
基本方針発表後は「世界最高水準の統合型リゾートを実現できるようオリックスとともに引き続き尽力する」とコメントをしている。
同じく共同体のオリックスは、2020年5月22日の決算説明会で、井上亮CEOが「良い投資になるのか、再検討している」などとも発言しているが、11月2日の第2四半期決算説明会では、「IR事業に関する基本方針に変更はない。新型コロナウイルスの影響を加味した上で分析・検証を進めていく」と改めて参画の意思を表明している。
■関連サイト
大阪府ホームページ IR推進局
http://www.pref.osaka.lg.jp/bu_irsuishin/
■JaIR関連資料データベース
大阪府・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業に関する提案審査書類の提出期限延長を発表
https://jair.report/archive/295/
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MGMリゾーツ第2四半期発表、CEOが大阪IRで少数株主になる可能性を発言 https://jair.report/article/399/
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https://jair.report/article/334/