<IR用語集・基礎知識> 北海道

JaIR編集部

地元の商工会議所を中心とし、2016年8月に「苫小牧統合型リゾート推進協議会」が立ち上がる。同協議会は「HOKKAIDO WHITE_IR」というコンセプトを掲げ、苫小牧IRを北海道全体のゲートウェイ機能となる「自然共生型IR」として誘致活動を推進してきた。他にも留寿都村や釧路市も候補地として挙がっていたが、2018年11月には苫小牧にほぼ一本化された。国土交通省が2019年8月上旬から9月上旬に実施したIR意向調査に対しては「申請予定または検討」と答えている。

候補地は新千歳空港の南側直近にあたる原生林40~100ha。空港から近く、道内の各観光スポットにアクセスしやすいという強みがありながら、大都市圏の大阪横浜に比べて地代が抑えられることもあり、中堅を中心に多くのIRオペレーターが関心を示し、2017年のRFI(投資意向調査)では15ものIRオペレーターが手を上げた。その後、クレアベスト、ハードロック・ジャパン、ラッシュ・ストリート・ゲーミング、モヒガン・ゲーミング&エンターテインメントの4社が現地オフィスを開設し、活動を活発化させていた。

2019年4月の統一地方選で推進派の与党系候補が多く勝利したことでIR誘致の流れが加速すると思われていたが、候補地が原生林のため環境団体が反発。世論調査では反対派と賛成派が流動的だったが、2019年11月29日、鈴木直道知事は道議会の本会議で、環境影響評価(アセスメント)が間に合わないとして国へのIR誘致申請の見送りを表明した。それに伴い、IRオペレーターの現地オフィスはほとんどが閉鎖されたが、ハードロックのみ事務所を維持、今後の方針を留保している。

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(2020年9月25日更新)