<IR用語集・基礎知識> 横浜市

JaIR編集部

国土交通省が2019年8月上旬から9月上旬に実施したIR意向調査に「申請予定または検討」と回答。長い間最有力地と目されながら、慎重な態度を崩さなかった林文子市長だが、2019年8月22日には正式にIR誘致を表明。翌月、IR関連経費として2億6,000万円の補正予算案が可決され、2020年度にはさらに4億円が計上されている。

予定地の山下ふ頭は約47haで、シンガポールのマリーナベイ・サンズとほぼ同じ広さ。長らく横浜港の中心であったが、コンテナ船の大型化に伴い、中心は水深のある大黒ふ頭へ移され、使われなくなったふ頭の再活用案としてIR誘致が浮上してきたという経緯を持つ。

誘致の方針に関しては、市議会、市民の賛否が二分する事態に発展している。「横浜のドン」と呼ばれ、横浜港を中心に港湾荷役事業等を行う藤木企業の藤木幸夫会長などが断固反対の姿勢を見せており、横浜港運協会に所属する243団体が参加する「横浜港ハーバーリゾート協会」を立ち上げ、カジノのないMICEの計画を主張。一方、横浜商工会議所は賛成を表明しており、2019年11月6日にはオール横浜経済団体の協議体「横浜IR推進協議会」を設立した。

大阪府・市長崎県に続いて、3ヶ所目となるRFCを募集し、2019年11月18日、「IR(統合型リゾート)の実現に向けた民間事業者からのコンセプト提案募集」の参加登録事業者等を発表した。
日本型IRの実現に関すること(参加登録7者)
・開発事業に関すること(参加登録4者)
・関連産業に関すること(提案15件)

当時の報道では、ラスベガス・サンズ、ウィン・リゾーツ、ギャラクシーエンターテインメント、メルコリゾーツ&エンターテインメント、ゲンティン・シンガポール、セガサミーホールディングスなどの名前が挙がっていたが、2020年5月13日、サンズは横浜市含む日本からの撤退を表明している。

2020年2月21日、横浜市議会はIR事業者の選定などを担う付属機関の設置条例を可決し、3月~4月にかけて、横浜IRの方向性(素案)に対するパブリックコメントを募集。それを受け、8月には実施方針およびRFPに向けた募集要項を公表する予定だったが、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、延期となった(公表時期未定)。なお、反対派の理解を得るため、林市長による市民向け説明会も行われてきたが、これも感染防止のため見送りとなり、代わりに7月14日、説明動画(※外部サイト)が公開されている。

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(2020年8月28日更新)