ギャラクシーが第1四半期の業績とマカオの第3・4フェーズの開発について発表

JaIR編集部

 ギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)は13日、第1四半期の業績を発表した。漸進的な回復の兆しが続く。

・第1四半期のグループの純売上高は51億香港ドル(約719億円、前年同期比1%増、前四半期比横ばい)
・第1四半期のグループの調整後EBITDAは8億5,900万香港ドル(約121億円、前年同期比204%増、前四半期比15%減)
・第1四半期の平準化調整後EBITDAは、プラス要因(1億6,900万香港ドル、約23億円)により6億9,000万香港ドル(約97億円)
・直近12か月の調整後EBITDAはマイナス4億4,400万香港ドル(約62億円、前年同期比104%減、前四半期比57%増)

プレス・リリースより、ギャラクシー・インターナショナル・コンベンションセンター、ギャラクシー・アリーナ、アンダーズホテルの写真
 

ギャラクシー・マカオは10周年、第3・4フェーズの開発も進行中、日本進出の意思も継続

 国際事業展開については、「日本を拠点とするチームは、コロナ禍にあっても日本での開発活動を継続しています。日本には長期的な成長機会があり、当社のマカオおよびその他の国際的な事業計画を補完できると考えています。GEGは、モナコ公国のモンテカルロSBMおよび日本のパートナーと共同で、ワールドクラスの統合型リゾートを日本で展開することを楽しみにしています」と日本進出については継続の意思を明言。「新型コロナウイルスの影響により、日本では統合型リゾートのライセンスに関するスケジュールが変更になったことを理解しておりますが、引き続き当社のブランドを日本に紹介することを楽しみにしています」と、現況を踏まえて、意欲を示している。

 また、マカオについても、「提案されているマカオのゲーミング法改正案の公開諮問が今年の下半期に開始されるのを楽しみにしております。さらに、マカオ特別行政府立法会の選挙が2021年9月12日に行われます。中央政府は、デジタル通貨電子決済(DCEP)プロジェクトを検討し、デジタル人民元使用の議論を進めることを最近発表しました。私たちはこの構想に勇気付けられており、同取り組みを支援すると同時に、本件に関わる詳細を楽しみにしております」と踏み込んだコメントをしており、中央政府のジャンケット規制についても、「2021年3月1日よりから、新しい刑法が中国本土に導入されました。私たちは、この新しい法律がVIPビジネスやジャンケットプレイヤーに大きな影響を与えると予想しています。GEGは、商業活動を行っている地域の法律や規制に完全に従っております。中央政府は、マカオのゲーミング産業が健全に発展し多様化することを望んでいる、と強調しています。GEGは、長期的な産業の発展に資する、より透明性のある規制された事業環境を支持しており、これは長期的には産業の発展に寄与するものです」と触れている。


●ギャラクシー・エンターテインメント・グループ会長、Dr.ルイ・チェ・ウー氏のコメント

「この機会をお借りして、2021年第1四半期のマカオの状況およびGEGの業績をお知らせしたいと思います。新型コロナウイルスは、地域社会やマカオおよびGEGを含む世界のコミュニティやビジネスに対し、依然として影響を与えて続けています。私たちは、マカオが徐々に回復に向かっていることに勇気付けられており、引き続きビジネスの状況が改善に向かうだろうと、慎重ではありつつも楽観視していますが、同時に、パンデミックが将来的に再拡大する危険に関しても最大限の注意を払っています。2020年の後半から2021年にかけ、新型コロナウイルスに関連した規制が緩和されつつあります。その結果マカオへの訪問客は徐々に増加しており、収益の増加をもたらしています。
 
グループの第1四半期の調整後EBITDAは8億5,900万香港ドル(約121億円、前年同期比3倍以上、前四半期比で15%減)となりました。2021年第1四半期の調整後EBITDAは2020年第4四半期の調整後EBITDAを下回ったものの、2020年第4四半期の業績には新型コロナウイルスに対する1億香港ドル(約14億円)の保険金支払いという一過性の利益が含まれており、私たちは今期の業績に満足しています。また、第1四半期は建設資材部門の業績が他の四半期と比較して弱含みになる傾向がこれまでもありました。したがって、2021年第1四半期の建設資材部門の業績は1億5,600万香港ドル(約22億円。2020年第4四半期は3億2,600万香港ドル、約46億円)でしたが、これは季節変動によるもので、2021年第2四半期には改善するものと予想しています。GEGの業績は、グループ全体で継続的に行われている効果的なコスト管理にも支えられています。
 
繰り返しになりますが、コロナ禍の困難な危機にあって、マカオ政府の決断力と積極的なリーダーシップを私たちは称賛いたします。マカオ政府は地域社会の健康や安全の確保だけではなく、旅行客にとって魅力のある観光地とし、経済回復の支援、社会の安定の維持に尽力しています。マカオ政府がマカオ政府観光局(MGTO)を通じ、中国本土の多くの都市を回ってマカオのプロモーションを積極的に行ってくれたことを私たちは嬉しく思っています。この活動は、新型コロナウイルスと闘ってきたマカオの実績を広報し、マカオで実施されている様々な健康や安全のための対策のプロモーションや特別な観光やパッケージを提案することで、マカオへの旅行の勧誘を行うものです。私たちは、この政府主導の取り組みに参加し、支援を続けてまいります。
 
2021年5月15日に、ギャラクシー・マカオは記念すべき10周年を迎えます。2011年の開業以来、ギャラクシー・マカオは最高レベルのエンターテイメントや娯楽により、世界中からの観光客に他では得られない特別な体験を提供してきました。コタイ地区ギャラクシー・マカオの第3および第4フェーズを含む開発プロジェクトを通じた拡張計画により、素晴らしい進歩を続けていることをご報告できることを嬉しく思います。さらには、当社のリゾートの刷新や再編、新しい製品の導入を継続しており、パンデミックの影響を受けている日本をはじめとする国際的な拡張計画にも引き続き取り組んでまいります。
 
2021年3月には、有名なラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオの導入を発表できたことをうれしく思います。ラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオは、約450の全室スイートルームからなるタワーを特徴とし、2021年後半か、2022年早期の開業を予定しています。ラッフルズを迎えることで、GEGが提供するワールドクラスの宿泊施設のポートフォリオがさらに充実します。
 
2021年第1四半期末時点での424億香港ドル(約5,980億円)の現金および流動性のある投資や336億ドル(約4,739億円)のネットキャッシュにより、当社のバランスシートは引き続き堅調です。負債総額は、利回り向上プログラムに関連した83億香港ドル(約1,170億円)と負債5億香港ドル(約70億円)を含み、88億香港ドル(約1,241億円)でした。当社の保守的な財務管理が、当社グループの現在の運営管理に貴重な柔軟性をもたらし、より長期的な開発計画の継続が可能となっています。
 
私たちは、中長期的なマカオの将来に確信を持っております。2020年9月末に発表された個人訪問スキーム(IVS)の復活により早期回復の兆しが見えてきており、もう数四半期経てばビジネスのボリュームが上向くかもしれません。しかしながら、新型コロナウイルスで現在困難に直面していること、また、今後感染が再拡大した場合には財務業績に大きな悪影響を及ぼす可能性があることも認識しております。
 
最後になりますが、マカオの安全確保のために尽力してくださっている医療関係者や緊急対応を行っている方々に、改めて謝意を表したいと思います。また、この困難な時期にあって、様々なコスト削減プログラムに自発的に貢献し、当社を支えてくれている従業員や管理チーム、取締役会にも感謝いたします」
 
 マカオのコタイ地区の第3および約4フェーズの開発は、約3,000室の家族向けや最高級の客室、ヴィラ、40万平方フィート(約3.7万平方メートル)のMICEスペース、1万6,000人を収容できる50万平方フィート(約4.6万平方メートル)の多目的アリーナ、飲食店、小売店、カジノなどを中心に、予定通り進めることを目指しているとし、「新型コロナウイルスにより開発スケジュールに影響がでる可能性があります。現時点でその影響を定量化することはできません」としつつも、「スケジュールを順守する努力」を続けているという。
 
 さらに、3月に発表されたラッフルズホテルに関するアコー社との協業契約締結について、2021年下半期、または2022年早期には、全室スイートルームで構成された高級タワーホテルラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオを新たに開業し、この象徴的なブランドをリゾートに加えると表明。約450室、全室スイートルームで構成されたラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオは、130年以上にわたる高級ホテルの伝説のブランド、ラッフルズブランドの新しいホテルとなる。
 
 

ラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオの外観写真


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