マカオの検疫状況は？ 香港や広東省珠海市間での平常化がカギ
マカオの出入国に関しては、隣接している中国・広東省珠海市、香港との間での検疫が、カジノ客の回復に大きな影響を与える。それぞれの境界は緩和され開かれているが、マカオを訪問して珠海経由で戻る本土住民は珠海側で14日間の検疫を必要とし、マカオと香港間の旅行では各方向で14日間の検疫を含む制限が課されている。このため3国間の移動人数は今だ大幅に減少している。感染していないことを保証する健康コードとオンライン申請を用いて「14日間検疫なし」で移動する手段については、現在のところ「観光客」は対象とならず、対象者は行き来する必要のある公務員、労働者、学生、家族の緊急行事（葬式等）のある人で人数は絞られている。このスキームは限定的な形であるが、まずマカオー珠海間で実施されており、今後はマカオー香港間にも応用される可能性があるという。
以下は、マカオと各地の検疫状況の詳細である。
【広東省】
6月24日付で、広東省珠海市に居住する、マカオ非居住労働者の検疫を解除した。入国しようとする労働者は、珠海市当局に「居住地の確認」、マカオの「緑色の健康コード」を提示、地域に入ってから「7日以内に新型コロナウイルスの検査が陰性であることを証明する書類」を提出しなければならない。
また、マカオの住民が検疫なしで珠海市に入国申請する受付を再開。 当局は公式な理由がある場合に許可する。なお、珠海への渡航から48時間以内に検査を受けなければならない。承認を受けた人は、7日以内であれば何度でも国境を越えることができるが、広東省を離れることはできない。
【香港】
マカオ・香港間の移動は、香港側での交通規制のため、香港・珠海・マカオ橋経由のみとなっている。しかし、マカオ政府は7月16日までの間、香港国際空港のタイパ・フェリー・ターミナルとスカイピア間で1日2回のフェリー運航を許可し、居住者の帰国とマカオ領土内の外国人が出国できるようにしている。
香港からのマカオ居住者や旅行者は、14日以内に他国に渡航していなければ、マカオに入ることができる。マカオと香港間の移動は、通常片道ごとに14日間の検疫期間が設けられている。香港政府は6月30日に発表をおこない、検疫が必要な期限を8月7日までに延長した。前回期限は7月7日だった。香港から入国する場合は、健康に関するアンケートや検査を受ける必要がある。
【中国本土】
中国本土からのマカオ居住者や旅行者は、14日以内に他国に渡航していなければ、マカオに入ることができる。中国本土から入国する場合は、健康に関するアンケートや検査を受ける必要がある。
マカオに入国する中国本土人の大半は検疫規制がないが、マカオ訪問後、本土に戻ることを希望する人は現在14日間の検疫が義務付けられている。なお、中国当局による本土人のマカオ渡航のためのビザ発給には制限がある。
ただし、北京で感染が再拡大したことから、6月17日時点で、14日以内に北京を訪れた旅行者には、現時点で指定された場所で14日間の検疫を義務付けることとなった。北京での感染爆発が、マカオへのインバウンド観光業の旅行制限の「緩和を押し戻す」可能性があると証券会社バーンスタイン社は言及する。
【台湾】
台湾からのマカオ居住者や旅行者は、14日以内に他国に渡航していなければ、特別行政区に入ることができる。台湾から入国する場合は、健康に関するアンケートや検査を受ける必要がある。
【その他】
マカオ政府は、引き続きほとんどの外国人の入国を禁止している。ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、韓国、日本などの「リスクの高い」国を訪問した旅行者は、到着後14日以内に指定ホテルでの強制検疫を受けなければならない。
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