【海外版・5/27~6/2のIR記事まとめ】ラスベガスのカジノ再開は抗議デモ激化を警戒、MGMチャイナ経営トップ人事 (1/2)

JaIR編集部

 JaIRがお届けする海外版・IRニュースまとめでは1週間分の海外のIR関連記事をまとめ、毎週お届けしています(掲出日は現地時間)。今回は5月27日(水)~6月2日(火)までのIR関連記事。出典サイトは記事の文末にまとめて記載していますが、各社のSNSも情報ソースとしています。なお、1ドル=107円、1マカオパタカ=13円換算です。

2020年6月2日(火)
 
【ラスベガス】ラスベガスのカジノ再開準備も 市民の不安高まる

Las Vegas casinos prepare to reopen Thursday amid civil unrest
https://www.yogonet.com/international/noticias/2020/06/02/53431-las-vegas-casinos-prepare-to-reopen-thursday-amid-civil-unrest

ラスベガスは6月4日のカジノ再開に向けて、訪問者に対し「ウェルカムバック」キャンペーンを開始する準備をしているが、Covid-19の危険性に加え「デモ隊衝突」に対し市民の不安が切迫している。

サントラスト・ロビンソン・ハンフリー社のゲーミングアナリスト、ジョナス氏は「ストリップ通り(および米国のほとんどのカジノ)に対する初めの潜在的な需要は、会議やコンベンションのキャンセルの真っ只中の、Covid-19パンデミックと空の旅の安全性を心配する客層ではなく、(ラスベガスにおいて)すべての訪問の約半分を占める<ドライブインの観光客>だ。カジノは、ドライブイン訪問者が、直近で彼らの収入の大部分を占めると予測している。この継続的な抗議デモは、この幅広い客層を取り戻すのに役立つものではない」と、コメントした。
 

 
【ラスベガス】ウィン・リゾーツ、6月4日オープンを午前10時に延期

Wynn Resorts pushes back Thursday opening to 10 a.m.
https://www.reviewjournal.com/business/casinos-gaming/wynn-resorts-pushes-back-thursday-opening-to-10-a-m-2043428/

ウィン・リゾーツはミネアポリスのジョージフロイドに関連する抗議デモの影響を懸念し、ストリップ地区のアンコールとウィンの再開時間を6月4日午前12時1分ではなく、午前10時に変更。
土曜日には現地近くサーカスサーカス前でデモ隊対応や、ラスベガス警察の警官が銃で撃たれる事件があった。
 

【日本】セガサミー 資金に警戒 日本カジノリゾートの方向

Sega Sammy cash-cautious over Japan casino resort tilt
http://www.ggrasia.com/sega-sammy-cash-cautious-over-japan-casino-resort-tilt/

セガサミーホールディングスは、アナリスト・機関投資家向けの決算説明会で、日本の統合型リゾート(IR)への関与について言及。海外の様々なカジノ運営会社がパンデミックの影響で経営面で大きなダメージを受けており、日本のIR市場への参入が「今後停止する可能性がある」とアナリストや投資家に指摘するとともに、「政府、企業ともにCovid-19蔓延という最悪のシナリオを回避するために動いていると考えられ、当社も健全なキャッシュマネジメントを行っていく所存」とコメントした。
 
 
【マカオ】サンズ・チャイナ 4月の純損失は1Q全体よりも膨らむ、5月も不調続く

Sands China bigger April loss than whole 1Q, May also poor
http://www.ggrasia.com/sands-china-bigger-april-loss-than-whole-1q-may-also-poor/

2020年4月の純損失は1億8,000万ドル(約194億)で、第1四半期全体では1億6,600万ドル(約178億)を超えたとサンズ・チャイナは述べた(1Qにはパンデミック前の数字を含む)。同社は、利息、税金、減価償却費、償却前調整後利益(EBITDA)に1億500万ドル(約114億)の損失を計上した。

 
【マカオ】MGM中国、2人の幹部が率いる 経営トップ人事

MGM China to be led by two senior executives
http://www.ggrasia.com/mgm-china-to-be-led-by-two-senior-executives-pansy-ho/
長年の最高経営責任者であるボウイ氏の引退のニュースに続き、MGM中国で経営トップの人事交代が報じられた。ヒューバート・ワン氏はMGMチャイナの社長兼最高執行責任者に就任、「事業開発、カジノ運営、ホスピタリティ、セキュリティ、デジタルおよびテクノロジーソリューション部門」の監督を担当。

ケネス・フェング氏は、「財務、人事、ブランドマーケティング、内部監査、デザイン、開発、プロ
パティオペレーション部門」を統括する社長、戦略、最高財務責任者に就任する。


2020年6月1日(月)
 
【アメリカ】COVID-19 カジノトラッカー

COVID-19 Casino Tracker
https://www.americangaming.org/research/covid-19-casino-tracker/

AGA(米国ゲーミング協会)公式サイトでは、オンラインでアメリカ全土のカジノ再開情報を確認できる。6月1日更新時点で、全米989か所のカジノ施設のうち すでに316施設が再開。673施設は閉鎖している。ラスベガスなど主要施設も今週より順次再開され、情報更新される予定。

 
【ラスベガス】ネバダ州のカジノの勝率は、COVID-19の閉鎖中 4月に99%低下

Nevada's casino win drops 99% in April amid COVID-19 closures
https://www.yogonet.com/international/noticias/2020/06/01/53417-nevadas-casino-win-drops-99por_ciento-in-april-amid-covid-19-closures


【ラスベガス】シーザーズ、6月5日をハラーズラスベガスの再開日に

Caesars sets June 5 as Harrah’s Las Vegas reopening date
https://www.yogonet.com/international/noticias/2020/06/01/53418-caesars-sets-june-5-as-harrahs-las-vegas-reopening-date

シーザーズは6月4日に再開予定のシーザーズパレス、フラミンゴ、LINQプロムナードに加え、6月5日にはハラーズラスベガスでの営業再開を決定した。ハイローラー展望台(観覧車)も再開する。
当ホテル関係者は、再開を前に訪問需要は「予想をはるかに上回るもの」と伝えている。

 
【ラスベガス】一部カジノ プレキシガラスとレストランデジタル化メニューで再開へ

Some casinos to reopen with plexiglass separators, digital restaurant menus
https://www.reviewjournal.com/business/casinos-gaming/some-casinos-to-reopen-with-plexiglass-separators-digital-restaurant-menus-2041606/

レビュー・ジャーナルは、ラスベガス各施設の、6月4日に向けた再開準備の様子を動画で伝えている。オペレーターMGM リゾーツ飲食戦略担当は、ベラージオのメインエントランスの消毒機器から、動線に沿って、実際にレストランでのQRコードを用いたオーダー方法を案内するなど「ポートフォリオ全体で実施される健康と安全対策」に基づいたメディアツアーを紹介している。

レストランではメニューを、コースター(高級店ではメッセージカード)にコード印刷、各自のスマホで読み取りオーダーする等、新しい仕様も見られる。MGMリゾーツのベラージオでは、安全上の理由から職員の稼働率30%に抑えての再開となる。
 

 
【アメリカ】ドラフトキングス社は、アメリカでのゲーム賭けに焦点

DraftKings focused on in-game wagering opportunities in the US
https://www.yogonet.com/international/noticias/2020/06/01/53421-draftkings-focused-on-in-game-wagering-opportunities-in-the-us

ドラフトキングス社はCovid-19によりスポーツが停滞する中で、「ファンタジースポーツ」や「eスポーツ」、「韓国野球」「ドイツのプロサッカー」「卓球」などの賭けスポーツに強い関心を示している。

CEOジェイソン・ロビンズ氏は、同社はスポーツ賭博サイト内での賭けコンテンツを増やしている述べ、製品の観点からそれが同社の最重要課題であると述べた。ドラフトキングの株価は4月から約70%急騰しており、同社の評価額は100億ドル、米国のギャンブル部門ではラスベガス・サンズに次ぐ規模となっている。

※ファンタジースポーツとは…
架空のスポーツチームを作成するシュミレーションゲーム。競技は、野球、アメリカンフットボール、バスケットボールなどで、NFLやNBA、MLBなどで活躍するプロスポーツ選手を組み合わせ出来る。多額の賞金がやり取りされる。日本においてスポーツ賭博は禁止されているため、賞金制のファンタジースポーツに参加することはできない。

 
【ラスベガス】ラスベガスでも Black Lives Matter の抗議活動が激化

Night of protests ends in violence in Las Vegas
https://www.reviewjournal.com/local/local-las-vegas/night-of-protests-ends-in-violence-in-las-vegas-2041430/

ミネアポリスで起きたジョージ・フロイド氏の死を巡り、アメリカ全土で広がる反差別デモは、ラスベガスでも激化している。デモはストリップ通り沿いでも行われており、経済再開を祝うダウンタウンでは警察との衝突も見られた。

カジノ再開への影響も懸念されている。MGMリゾーツCEOホーンバックル氏は人種差別を非難する声明を発表し、ラスベガスや全米で起きた最近の抗議行動に言及しながら「同社は忌まわしい行為に対して平和的なデモを行う権利を支持している」と述べた。
 

【マカオ】カジノ収益は5月に減少 サンズは減益警告を発表

Macao casino revenue down in May; Sands issues reduced profits warning
https://www.reviewjournal.com/business/casinos-gaming/macao-casino-revenue-down-in-may-sands-issues-reduced-profits-warning-2041093/

サンズは証券取引委員会(SEC)に、「現在の運営環境で先1年間の運営資金を調達するのに、強固なバランスシートと十分な流動性を確保していると考えている 」と報告した。 
サンズにはマカオの金融不況が深刻化したことで、SECへの報告が促された。

ラスベガスに基づくオペレーター会社(サンズ、ウィン、MGM)にとって、マカオ特別行政地区から香港を囲む政治的緊張と別に、先々の問題がある。中国中央政府の動きは「一国二制度」における香港での司法の独立性を損なうことになると危惧される。 

サンズのスポークスマンは 「状況の動的な性質を考えると、2020年のサンズの連結業績、キャッシュフロー、財務状況への影響は重大である。現時点で、その影響を合理的に見積もることはできない。Covid-19がいつ終息するか、現在の旅行制限がいつ、またはどのくらいの速さで変更または解除されるか、その結果として(サンズの)お客様の旅行や娯楽への支出意欲にどのような影響を与えるかは不明である」「同社は、コスト削減プログラムをはじめとし、必要不可欠以外のキャッシュフローの流出を最小限に抑え、現環境を乗り切るための様々な緩和策を講じてきた」とコメントした。
 

【マカオ】5月のGGR(総賭博収入) 前年比93%減 マカオ政府

Macau: gross gaming revenue dropped 93% last month
https://www.yogonet.com/international/noticias/2020/06/01/53422-macau-gross-gaming-revenue-dropped-93por_ciento-last-month

賭博検査調整局(DICJ)は、マカオにおける5月の総ゲーミング収入が前年同月比93.2%減の17.6億マカオパタカ(約138億円)に急落したと発表。

なお、今年4月の収益の、わずか7億5,400万マカオパタカ(約101億円)と比較すると、前月比では134%増加となった。

 
【シンガポール】シンガポール、中国への重点はビジネス旅行の相互再開

Singapore, China eye mutual restart to business travel
http://www.ggrasia.com/singapore-china-eye-mutual-restart-to-business-travel/

シンガポール外務省は中国との2国間において、6月初めから、ビジネス、公式の目的のための 「必要な旅行」 を可能にすることを望むと発表した。取り決めは、最初に中国中央政府直属の6省や自治体(上海、天津、重慶、広東省、江蘇省、浙江省)とシンガポールの間で適用される見込み。

シンガポール国家開発大臣ローレンス・ウォン氏は、いくつかの国との渡航再開も「travel bubbles」と表現し協議中であるとし「この緩和は必要不可欠な出張にのみ適用され、相互にウイルス検査体制を必要とする」コメント。

しかし、シンガポールの2カジノ施設、マリーナベイ・サンズとリゾート・ワールド・セントーサは、6月1日以降も閉鎖されたままで再開日は明記されていない。