MICEやライブ、グルメ、ショッピング、ナイトクラブまで網羅するシーザーズのIR (3/4)

文●柳谷智宣 写真●シーザーズ・エンタテインメント

 

セレブシェフにも会える! IRには最高のグルメが欠かせない


 FOXが制作するテレビ番組「Hell's Kitchen」でおなじみの美食レストランにも伺った。イギリスで始まった番組だが、現在はアメリカでシーズン18まで続く人気番組となっている。セレブシェフのゴードン・ラムゼイ氏が若手シェフを集めて競わせるリアリティ番組のような内容で、優勝者には、有名レストランで料理長を務める権利が与えられる。


テレビ番組も持つセレブシェフゴードン・ラムゼイ氏が手がける「ヘルズキッチン」

 ゴードン・ラムゼイ氏はロンドンをはじめ世界中にレストランを持つミシュランの3星シェフ。現在は、料理番組を抱え世界を飛び回っている。番組では、毒舌や短気な性格が人気を集めているが、実際に会ってみると温和で力強い人だった。英語が下手な筆者とも握手しながら優しくコミュニケーションを取ってくれて、セレブオーラに骨抜きにされてしまった。

 料理はもちろん、文句なしに素晴らしいのだが、中でも看板メニューの「Roasted Beef Wellington」は悶絶するほど美味しかった。ローストビーフのパイ包みなのだが、まさに絶品。これは、もうこれを食べるためだけに訪れる価値があると言っていい。ただし、日本人にはちょっとボリュームが大きいので二人で半分ずつにするのもあり。


看板メニューの「Roasted Beef Wellington」


なんとゴードン・ラムゼイ本人も来てくれて、レストラン内が騒然とした

 ホテルの中にも美味しいレストランは多数用意されている。特にビュッフェは集客の要でもあり、どこも力を入れている。その中でも、ラスベガスNo.1と言われているのが、シーザーズ・パレスの「バッカナル・ビュッフェ」だ。

 来客数は年間100万人で、売り上げは5000万ドル。和洋中まで幅広く500種類もの料理が用意されている。店舗内は広く、9つのレストランに分かれている。ちなみに、空間デザインは日本の株式会社スーパーポテトが手がけている。

 食べ放題だからと言ってレベルが低いどころか、どれもとても美味しい。たくさんの料理があるので、1エリアで腹一杯にしてしまうと後悔しかねないので、一通り見回ってからこれぞというものをチョイスしたい。


日本企業がデザインした「バッカナル・ビュッフェ」


500種類の料理を存分に楽しめる
 

IRの目玉の一つショッピングモールの規模は桁違い

 IRにはショッピングモールはつきもの。シーザーズ・エンターテインメントの「フォーラム・ショップス」は、3回の拡張工事の末、現在は6万2700平方メートルもの敷地面積を誇る巨大なショッピングエリアとなっている。H&Mのようなカジュアルな店から、カルティエのような最高級ブランドまで揃っている。中には、ラスベガス以外には店を出していない店舗も多いという。

 天井には空が描かれており、時間に合わせて青空から夕暮れまで色が変わるのが凄い。日本のヴィーナスフォートも似たデザインをしているが、このフォーラム・ショップスを参考にしている。


ローマ風建築が並ぶフォーラム・ショップス


ハイブランドを中心に160店舗のブティックが揃っている

 

ラスベガス最大となる食の祭典のメインイベント「グランド・テイスティング」

 「Vegas Uncork’d」は、ラスベガスの有名ホテルでさまざまなイベントが開催されるラスベガス最大の食の祭典。そして、そのメインイベントとも言えるのが、シーザーズ・パレスで催される「グランド・テイスティング」だ。

 シーザーズ・パレスのGarden of the Gods(神々の庭園)に、世界中から受賞歴のあるスターシェフが50人以上集い、腕を振るってくれる試食イベントとなる。

 シェフ達のレストランで食べたら、簡単に100ドル、200ドルとなってしまうのに、ここではなんと食べ放題。ワインやスピリッツも飲み放題で、まさに天国だ。しかも、提供されるフードのレベルが、とても高い。そのまま高級レストランも出せるようなお皿も多いのだ。トリュフのクリームスープなど、絶品過ぎておかわりしてしまったほど。

 入場料は早い時間がレセプションのあるファーストエントリーが550ドル、アーリーアクセスが350ドル、ジェネラルアドミッションが260ドルとなかなかのお値段。そのおかげなのか、参加者の民度が高い。ゴミが巻き散らかされたり、プールに飛び込んだり、騒いだり喧嘩したりする人は一切いない。アルコールが入っているのに、とてもマナー良く楽しんでいるのに驚いた。

 Garden of the Godsの幻想的な光景の中で、トップクラスの美食と美酒を堪能するのは贅沢な体験だ。これも、IRという巨大な仕組みの中で実現できるイベントと言えるだろう。毎年、4月後半~5月上旬に開催されるので、その時にラスベガスに行くことがあるならぜひ参加することをオススメする。

広大なプールサイドに多数のブースが出て、存分に試食を楽しめる


日が落ちてからの幻想的な光景は盛り上がること間違いなし


食べ放題なのに、フードのレベルが信じられないくらい高い


スターシェフが店頭に立つこともある。写真はジャーダ・デ・ラウレンティスさん。イタリア出身のセレブシェフだ