和歌山県がIRの優先権者クレアベストと全国の候補地の中で初めて協定を締結

JaIR編集部

 2021年8月25日、和歌山県は和歌山県特定複合観光施設設置運営事業に係る優先権者、クレアベストニームベンチャーズ株式会社及びClairvest Group Inc.のコンソーシアム(以下、クレアベスト)と基本協定を締結した。これにより、県とクレアベストが共同して、国へのIR認定の申請期限である2022年4月28日までに、区域整備計画の作成を行う事が正式に始動した。

クレアベストの和歌山IRのパース

地域振興に大きく寄与し、国の観光立国政策に貢献する区域整備計画提案へ


 今回発表された基本協定とは、公募手続に則り、クレアベストが和歌山IRを実施する民間事業者として選定されたことを確認するとともに、区域整備計画について国土交通大臣の認定を受け、実施協定締結に至るまでに必要な下記の諸手続などについて定めるもの。

 ・優先権者の費用負担に関する事項
 ・IR事業者の設立に関する事項
 ・廉潔性の確認に関する事項など

 今後の流れは、県とクレアベストが共同して、地域振興に大きく寄与し、国の観光立国政策に貢献する優れた区域整備計画を作成し、申請期限である2022年4月28日までに国への申請を行う。その際、和歌山県はクレアベストに対し、提案内容の更なるブラッシュアップ、事業実施体制の強化などを求めるとともに、地域経済の発展や地元雇用の創出に寄与するため、県内事業者が広く参画できるオール和歌山の体制づくりを求めていく。

 また、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえながら、説明会等を実施することで、県民に対し、IRに関する正しい情報や和歌山県がIR誘致を推進する理由を発信していくことを求めていく、と言う。

 IRの区域整備計画の認定申請を受け付けた後、国は有識者により構成される審査委員会において審査を行い、国土交通大臣が最大で3か所を認定することになっているが、仮に申請が3か所以内であっても、国の基準を満たしているのかは精査される。

 2020年12月18日に開催された第7回特定複合観光施設区域整備推進本部で、IR担当の赤羽一嘉・国土交通大臣は、IRの区域整備計画の認定審査に係る基準として、「国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現」「経済的社会的効果」「IR事業運営の能力・体制」「カジノ事業収益の活用」「カジノ施設の有害影響排除等」の5項目が定められているとし、「依存症などの弊害防止対策に万全を期しながら、国際競争力があり、滞在型観光の促進に資する日本型IRを実現するものとなっている」と説明しており、こうした国の基本方針に沿った提案にブラッシュアップしていくことになる。

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