IR基本方針がいよいよ決定 各自治体の反応は?

JaIR編集部

 政府が18日、IR(統合型リゾート)整備に関する基本方針を決定したことを受けて、手を挙げている自治体や関心を示している自治体は、それぞれ記者会見などでコメントを出したので、まとめた。
 
18日の吉村洋文・大阪府知事の囲み会見
 

手を挙げている自治体から前向きなコメントが相次ぐ

 既にIRに手を挙げている自治体では、大阪府の吉村洋文知事は、政府の発表を受けて、記者団に対して「いまコロナ禍ではあるが、先を見据えると、IRは大阪の経済成長に重要だ。国が基本方針を確定したことは歓迎したい」と語り、2021年1月には府としての実施方針を確定し、夏から秋にかけて事業者を正式決定したい、と予定を明らかにした。そのうえで、「どういった絵姿」になるのかという提案を受けて、「大阪のパートナー」を決定したいと語った。

 大阪市の松井一郎市長も、「本格的に動き出した。地域指定を勝ち取れるようにしたい」と意気込みを語り、「2025年の万博開催時にはフルスペック、全面的にオープンしてほしい」と思っていたが、「新型コロナの影響もあり、厳しくなった。全面開業できる時期は柔軟に考えたい」と状況の変化について語った。

 横浜市は20日、YouTube配信で、「横浜IRを考えるシンポジウム」を開催、冒頭で、平原敏英・副市長は以下のように挨拶を述べている。

「申請期間は2021年10月1日から2022年4月28日までと国から示されており、横浜市では、その期間に申請が行えるよう、まず民間事業者の公正公平な公募・選定に取り組んでいきます」

「IRは大型リゾート施設であるため、海外の事例でも建設に4年から5年の期間を要しており、我が国においては2020年代後半の開業を目指して取り組みが進められています。関係者が一丸となり、感染症を克服した後のアフターコロナの時代、その将来を見据え、IRが新たな雇用創出といった経済再生の起爆剤となり、魅力ある都市横浜がさらに飛躍できるよう取り組んでまいります」と、強く語った。


「横浜IRを考えるシンポジウム」で語る平原敏英・横浜副市長

 和歌山県の仁坂吉伸知事は、わかやま新報などによると、「決定されたことに大変安堵している」とコメント。和歌山県は11月6日に、RFPの締め切りを2か月延期して2021年1月15日まで提案を受け付けることを公表しており、春には優先権者を決めて基本協定を結ぶ予定も発表している。

 仁坂知事は併せて、IRが「県勢の持続的な発展に寄与することはもちろん、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症が収束した後の県経済の復興に資する強力なエンジンになるものと期待している」と改めて意欲を語った。

 長崎県の中村法道知事は、政府の決定を受けて、18日に以下のようにコメントをした。

「IR区域の整備については、本日、国の基本方針が策定・公表され、IR施設のあり方や区域整備計画の認定申請期間など、IR区域整備に関する基本的事項が正式に決定されました。 これまで、国に対してIRの実現に向けた諸制度の早期整備を求めてきたところであり、ご尽力をいただきました関係の皆様に、厚くお礼申し上げます。 
 今回の基本方針の決定を踏まえ、本県においても佐世保市並びに県公安委員会との法定協議を進め、実施方針を確定したうえで、1月のできるだけ早い時期に、事業者の公募を開始したいと考えております。 今後とも、九州各県の関係者の皆様との連携のもと、九州・長崎IRの実現を目指してまいります」

 また、IRに対して関心を示している自治体では、東京都の小池百合子知事は、政府の決定後の記者会見で、「政府がIR整備の基本方針を閣議決定しました。申請を9カ月遅らせるという内容ですけれども、東京都として今後の対応を教えてください」という質問に以下のように答えた。

「はい、国がIRの整備に関する基本方針を閣議決定したということをベースとしてのご質問かと存じます。このことについては、決定したことについては聞いておるところでございます。また国として観光政策を進めるという判断の下での今日の決定ということと認識をいたしております。 また、都とすれば、メリット、デメリットの両面がございますので、今回示された基本方針も踏まえて、引き続き総合的な検討を行っていくという視点に変化はございません」

 名古屋市の河村たかし市長は決定前の14日に行われた市長定例記者会見で、「IRの基本方針が今週にも閣議決定される見通しらしいんですが、それによると、誘致自治体の申請受付を来年10月から始めるということですが、2年前に、(三重県の)ナガシマリゾート周辺の整備を提案されたという流れがあるんですけれども、現状どうなってるんですか」との質問に対して以下のように答えている。

「まあ、それどこじゃにゃあ、まあ、一言で言うとそういうことだね。 コロナの事もありましてということですけど、まあ名古屋市のほうがええと思ってますけど、やっぱり三重県ですので、やっぱり木曽岬町さん、それから桑名市さん、それから三重県さん、三重県知事、あの辺がやっぱりよしという気持ちになってもらわないといかんもんでこれ。 ちゃんと電話しといたんだよわし、言っておきますけど」と答えている。
18日の小池百合子・東京都知事の記者会見


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