長崎県がIR区域整備実施方針(修正案)を発表、パブコメ募集開始

JaIR編集部

 長崎県は25日、観光庁から10月9日に公表された「特定複合観光施設区域の整備のための基本的な方針(修正案)」の内容を踏まえ、実施方針(案)の一部を修正、公表した。この修正案(修正部分に限る)に対し、パブリックコメントを本日から12月20日まで募集することを併せて発表した。

IR候補地、佐世保のハウステンボス ©ハウステンボス/J-19501

2021年夏から秋には事業者を選定

 「九州・長崎特定複合観光施設区域整備 実施方針(修正案)」の主なポイントは、「第7.設置運営事業等の円滑かつ確実な実施の確保に関する事項」の「5. 設置運営事業者の協力義務」に、新型コロナ感染症対策を踏まえて、以下の文章を加えた。太字は編集部(以下同様)。

「なお、特に感染症対策については、関連施設の取組例や感染防止のためのガイドライン等も
踏まえ、対策内容や実施体制を定めた計画策定衛生基準等に係る認証取得等の適切な方策に
取り組むものとする」

 また、「第9.カジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除を適切に行うために必要な施策及び措置に関する事項」の「1. 設置運営事業者と県・市・公安委員会・警察の責任分担の基本的な考え方」については、より明確な説明を以下のように加えた。

「県・市・公安委員会・警察・設置運営事業者は、ギャンブル依存症、治安悪化、組織犯罪及 び青少年への悪影響に代表される、カジノ施設の設置及び運営に伴う懸念事項対策を重点的・横断的に推進するとともに、関係地方公共団体との連携協力にも取り組んでいく。こうした影響を最小化する観点から、設置運営事業者においては、国の規制を遵守するのみならず、地域特性を踏まえた県内独自の取組に協力するとともに、より主体的に懸念事項対策を講ずることが求められる」

 また、改めて修正した今後の予定も発表されたが、国の区域認定にかかる手続きなどのスケジュールによって変更となる可能性がある、としている。長崎県の修正したスケジュールによると、募集要項などの公表・公募は2021年1月予定で、設置運営事業予定者は2021年夏から秋にかけて選定予定。

 今回、同時に、IR関連事業者への対応に関する指針も発表された。秋元被告の汚職事件もあり、事業者との接触ルールを厳格化した。

 内容としては、知事などとIR関連事業者との面談については、
●面談の相手方、目的、日時、場所及び所要時間をあらかじめ確認のうえ、IR推進課長及び秘書課長並びに面談を行おうとする知事等に報告し、承認を得る
●IR関連事業者の代理人との面談は、当該事業者の社員が同席する場合を除き、行わない
●庁舎内において担当職員が同席のうえ、対応する
●知事等からIR関連事業者への情報提供は、特定の事業者に有利又は不利にならないように留意する●面談に同席した担当職員は、面談終了後、速やかに記録を作成し、IR推進課長に報告する
●IR推進課長は、この記録を確認し、必要があると認めるときは、知事等、部長、政策監、秘書課長に報告する
などとしている。

 ほかにも、IR関連事業者との電話、メール又は FAXのやりとりについては、原則として日程調整等の事務連絡にとどめるなど、細かい規定が発表された。
 
長崎県が発表した、「九州・長崎特定複合観光施設区域整備 実施方針(修正案)」の概要版

長崎県が発表した今後の予定の見込み
※1 国のスケジュールは想定
※2 時期は、設置運営事業者の提案による

■関連資料 
長崎県ホームページ
「九州・長崎IR区域整備実施方針(修正案)」(修正部分のみ)に対するパブリックコメントの実施について(11月25日更新)
https://www.pref.nagasaki.jp/public-comments/464650/

IR関連事業者への対応に関する指針について(11月25日更新)
https://www.pref.nagasaki.jp/object/kenkaranooshirase/oshirase/468102.html

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