長崎県は九州・長崎IR設置運営事業募集要項の公表を正式に延期、時期は未定

JaIR編集部

 長崎県は8月31日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため出入国制限が課されている状況などを理由として公募時期の延期を求める意見が県民から多く寄せられたこともあり、IRの公募開始時期について、改めて調整を行うことを明らかにした。時期は未定。

IR候補地、佐世保のハウステンボス ©ハウステンボス/J-19501
 

中村知事は「IRの誘致は大きな効果が期待されている事業で、中長期的には進めていきたい」

 長崎県は、新型コロナウィルス感染症の世界的流行が収まらない中、IR事業者の状況を十分把握する必要があると考え、公募対応について、ヒアリングを実施した。その結果、感染拡大防止のため出入国制限が課されている状況などを理由として公募時期の延期を求める意見が多く寄せられた。このことから、公募開始時期について、改めて調整を行うことにした。

 今後は、国の動向やIR事業者の意見などを勘案しながら、「適切な公募開始の時期について検討を行い、IR区域整備計画の認定申請に向けた準備を推進していく」という。

 長崎県は、九州・長崎IR設置運営事業の公募時期については、令和2年(2020年)4月に公表した「九州・長崎特定複合観光施設区域整備実施方針(案)」において、募集要項を2020年春~夏頃に公表し、公募手続きを開始すると発表していた。

 長崎県の中村法道知事は、8月25日の定例の記者会見で、公募開始時期について、
「世界的に感染症の拡大傾向が収まらない中で入国や国内の移動規制が課されている。各事業者の話を聞いても『もう少し時期を待ってほしい』という意見も出ている」
「今後、国の動向や、事業者の声などを参考にしながら、今後の対応方針やスケジュールについて打ち合わせをしないといけない。タイミングについてはさまざまな要素を分析しながら、適切に対応していかなければならない」
と、説明しており、
「IRの誘致については地域経済の活性化、新たな雇用の創出ということでは大きな効果が期待されている事業で、中長期的には進めていきたい」と述べていた。

 長崎県など、IRの区域認定で申請を出す予定の自治体は、基準となる国のIR基本方針の策定・公布を待っているが、7月下旬には出るはずだったものが、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、時期未定で延期になっており、またIRを大きく進めてきた安倍晋三首相の辞任表明によって司令塔の政府が流動化したため、新しい首相、内閣の確定まで、更にスケジュールは遅れるとみられる。


■長崎県ホームページ
九州・長崎IR設置運営事業の公募時期について(8月31日更新)
https://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/shigoto-sangyo/sangyoshien/ir-jigyousya/454672.html

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