<IR用語集・基礎知識> eスポーツ

JaIR編集部

エレクトロニック・スポーツ(electronic sports) の略。コンピューターゲームを使ったスポーツ競技全般を指し、イースポーツと読む。若年層を中心に急激な成長を示しており、代表的なeスポーツの大会になると、10億円を超える賞金がかかり、数万人の観衆と、数百万人の視聴者を集める。ボクシングの世界大会をラスベガスに持ってきたように、次世代IRにとっても必要不可欠なキラー・コンテンツとして注目され、同時に将来的なスポーツベッティングの可能性に関しての検討も始まっている。
 
原点は戦略的なチームプレイが必要な戦闘型オンラインゲームにあり、複数のプレイヤーが同時に遊べる環境が整っていたアメリカを中心にブームが広がっていった。2000年前後から世界的に概念が形成されはじめ、戦闘型やチームプレイ型に限らず、スポーツゲームや格闘ゲーム等、幅広いジャンルが対象となっていく。ルールやリーグも整備され、高額の賞金がかかった大規模な競技会が開催されるようになると、観るスポーツとしての人気も定着。世界中に4億人を超える視聴者がいるとみられ、その成長のスピードはさらに加速している。プレイヤーのプロ化も進み、集客力、発信力を備えた広告価値の高いスタープレイヤーも生まれている。
 
ネットに繋がらないスタンドアローン型の家庭用ゲーム機が主流だった日本では、プレイヤー層の薄さに加え、社会的にも「ファミコンゲーム大会」の延長線上にとらえられがちでその発展が遅れている。ゲームメーカーの販促イベントという概念から、景表法の規制対象となり、高額賞品を出す大会が開催できないといった側面もその一因とされる。一方で日本発で馴染みの深い格闘ゲームを中心に、国際的な大会で活躍する日本人スター・プレイヤーも誕生し始めており、今後の日本市場の拡大が期待されている。
 
リアルスポーツの世界にも影響は及び、アジア大会のエキシビジョンとしても採用され、オリンピックの正式種目採用への動きも始まっている。競技に勝つためには緻密な戦略性、コンマ数秒の操作に応える反射神経と筋肉の動き、長時間の集中力を維持する持久力等々が求められる。トッププレイヤーになるためには日々の鍛錬が必要で、その点でもリアルスポーツと変わらない。世界的には選手層を広げるために学校の部活に取り入れたり、サッカーや野球のようにジュニアチームを作って選手を養成したりする動きも始まっている。

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