世界中で新型コロナウィルスの影響を受けて、各国では出入国制限や都市封鎖がなされてきたが、徐々に制限の緩和が始まっている。日本型IRビジネスレポート(JaIR)では、IRがある主要な地域の新型コロナウィルス関連の動向を配信。韓国、ラスベガス、シンガポールに引き続き、今回はマカオの最新状況をレポートする。
また、マカオのGGRに占めるマスマーケットの収益割合は、第2四半期では53.53%となり、前年同期の52.81%より微増。一方、VIP収入の割合は、前年同期の47.19%に対し、46.47%となった。第2四半期のVIP GGRは15億マカオパタカ(約202億円)をわずかに超え、前年同期の346.2億マカオパタカ(約4,668億円)に比べて95.7%減少した。
市の統計と国勢調査によると、6月単月のマカオへの訪問者数は、前年比99.3%減の22,556人となった。集計では、1日あたりの平均訪問者数は752人弱。それでも月次では、1日平均が約520人だった5月の訪問者数と比較すると40%増だった。2020年上半期に報告された訪問者数は前年同期比83.9%減の326万人であった。
6月の宿泊者数は9,351人で前年比99%以上の減少となった。ホテル客室の平均稼働率は、2020年上半期27.2%となり、前年同期比63.9%減。マカオのインバウンドの訪問者の22,443人の多くは内陸の検問所から都市に入っており、航空便による訪問者はわずかに113人だった。
中国本土からの訪問者数は6月には前年比99.0%減の2万1,067人となり、IVS(個人訪問スキーム)を利用した訪問者数はほぼ100%減の71人にとどまった。
7月15日にようやくマカオと広東省間の検疫緩和が有効となり、訪問者増加が期待されているが、マカオ政府観光局(MGTO)によると、現時点ではまだ相対的には「低い」ながらも、「毎日2,000人の観光客が訪問」している。MGTOはマカオを「安全な」都市として宣伝することに重点を置き、中国本土の消費者に向けた新しい旅行キャンペーンに取り組むと述べた。
マカオ政府のゲーミング検査・調査局(DICJ)は、6つのカジノオペレーターとの定期的な会議を開催し、「流行防止策」の「適時」採用を模索している。検疫緩和に合わせ、7月15日からカジノ入場するすべての人に対し、体温測定と健康コードの提示だけでなく、新型コロナウィルス陰性の検査証明書の提示を求めることとなった。また、カジノでの安全確保のため、各入り口に明確な表示をし、感染防止対策が適切に実施されるよう十分なスタッフを配置すべきと取り決めた。
さらに7月16日より、政府は現地のカジノ従業員を対象とした新型コロナウィルス感染検査を開始した。従業員の検査は一括して行われ、カジノディーラー、搬入スタッフ、セキュリティスタッフなどの第一線のスタッフが優先される。マカオのゲーミング業界は2019年の時点で5万8,000人以上を雇用しており、2万5,400人以上のカジノディーラーが含まれるが、毎日約4,000~5,000 人の検査が実施されている。
マカオ政府の健康局担当によると、7月24日時点で、マカオの6オペレーターのうち2社(SJMホールディングスとチャイナ・サンズ)のカジノ従業員、合計約25,000 人の検査が完了し、すべて陰性だった。従業員検査は引き続き行われている。
また、マカオ政府の観光施策は、現状に応じて見直しが図られている。7月27日現地報道によると、マカオ政府観光局(MGTO)は、都市のカジノのリゾートの滞在のための地元住民に向けたステイケーション・プロモーションを 「見送る」ことに決定した。観光局局長は、「ほとんどの大規模ホテルではすでにいくつかのパッケージを販売している状況で、非常に安価な販売を行っている。マカオ政府は現段階では、地元の人々のためのステイケーション・プログラムに公的資源を割く必要はない」と述べた。なお、政府は、既にマカオの観光産業を支援するため3,500万ドル(約36億円)の補助金制度(地元住民の市内観光費用を一部負担する計画)を導入している。
MGTOが提案する2021年予算は1億4,500万ドル(約152億円)で、前年の3分の1程となる見込みだ。マカオ大学経済学部が行う最新の成長予測によると、今年のマカオ経済は最大60%縮小する可能性があるという。観光業がマカオ経済の主要な牽引役となっていることから、MGTOは低迷するマカオ経済の再生に向けてこの予算を一部費やすとみられている。
マカオ7月GGRは94.5%減、カジノ従業員の一斉コロナ検査開始
マカオ政府の発表によると、7月のGGR(総ゲーミング収入)は前年同月比で94.5%減の13億4,000万パタカ(約178億円)となり、7月16日からマカオと中国・広東省間の入境制限が緩和されたため、6月GGR 7億1,600万マカオパタカ(約93億円)に比べて、改善した。2020年1~7月GGR合計は350億パタカ(約4,664億円)で、2019年同期が1,740億パタカ(約2兆3,165億)だったのに対して、前年比79.8%減となった。また、マカオのGGRに占めるマスマーケットの収益割合は、第2四半期では53.53%となり、前年同期の52.81%より微増。一方、VIP収入の割合は、前年同期の47.19%に対し、46.47%となった。第2四半期のVIP GGRは15億マカオパタカ(約202億円)をわずかに超え、前年同期の346.2億マカオパタカ(約4,668億円)に比べて95.7%減少した。
市の統計と国勢調査によると、6月単月のマカオへの訪問者数は、前年比99.3%減の22,556人となった。集計では、1日あたりの平均訪問者数は752人弱。それでも月次では、1日平均が約520人だった5月の訪問者数と比較すると40%増だった。2020年上半期に報告された訪問者数は前年同期比83.9%減の326万人であった。
6月の宿泊者数は9,351人で前年比99%以上の減少となった。ホテル客室の平均稼働率は、2020年上半期27.2%となり、前年同期比63.9%減。マカオのインバウンドの訪問者の22,443人の多くは内陸の検問所から都市に入っており、航空便による訪問者はわずかに113人だった。
中国本土からの訪問者数は6月には前年比99.0%減の2万1,067人となり、IVS(個人訪問スキーム)を利用した訪問者数はほぼ100%減の71人にとどまった。
7月15日にようやくマカオと広東省間の検疫緩和が有効となり、訪問者増加が期待されているが、マカオ政府観光局(MGTO)によると、現時点ではまだ相対的には「低い」ながらも、「毎日2,000人の観光客が訪問」している。MGTOはマカオを「安全な」都市として宣伝することに重点を置き、中国本土の消費者に向けた新しい旅行キャンペーンに取り組むと述べた。
マカオ政府のゲーミング検査・調査局(DICJ)は、6つのカジノオペレーターとの定期的な会議を開催し、「流行防止策」の「適時」採用を模索している。検疫緩和に合わせ、7月15日からカジノ入場するすべての人に対し、体温測定と健康コードの提示だけでなく、新型コロナウィルス陰性の検査証明書の提示を求めることとなった。また、カジノでの安全確保のため、各入り口に明確な表示をし、感染防止対策が適切に実施されるよう十分なスタッフを配置すべきと取り決めた。
さらに7月16日より、政府は現地のカジノ従業員を対象とした新型コロナウィルス感染検査を開始した。従業員の検査は一括して行われ、カジノディーラー、搬入スタッフ、セキュリティスタッフなどの第一線のスタッフが優先される。マカオのゲーミング業界は2019年の時点で5万8,000人以上を雇用しており、2万5,400人以上のカジノディーラーが含まれるが、毎日約4,000~5,000 人の検査が実施されている。
マカオ政府の健康局担当によると、7月24日時点で、マカオの6オペレーターのうち2社(SJMホールディングスとチャイナ・サンズ)のカジノ従業員、合計約25,000 人の検査が完了し、すべて陰性だった。従業員検査は引き続き行われている。
また、マカオ政府の観光施策は、現状に応じて見直しが図られている。7月27日現地報道によると、マカオ政府観光局(MGTO)は、都市のカジノのリゾートの滞在のための地元住民に向けたステイケーション・プロモーションを 「見送る」ことに決定した。観光局局長は、「ほとんどの大規模ホテルではすでにいくつかのパッケージを販売している状況で、非常に安価な販売を行っている。マカオ政府は現段階では、地元の人々のためのステイケーション・プログラムに公的資源を割く必要はない」と述べた。なお、政府は、既にマカオの観光産業を支援するため3,500万ドル(約36億円)の補助金制度(地元住民の市内観光費用を一部負担する計画)を導入している。
MGTOが提案する2021年予算は1億4,500万ドル(約152億円)で、前年の3分の1程となる見込みだ。マカオ大学経済学部が行う最新の成長予測によると、今年のマカオ経済は最大60%縮小する可能性があるという。観光業がマカオ経済の主要な牽引役となっていることから、MGTOは低迷するマカオ経済の再生に向けてこの予算を一部費やすとみられている。