検疫緩和を前に、7月14日、マカオのカジノ関連株が高騰した。マカオに施設を持つカジノ最大手のラスベガス・サンズは9.6%、ウィンは11%上昇した。MGMリゾーツインターナショナルも6.5%上げ、メルコ米国株は14%上昇した。マカオの生命線であるVIP中国人ギャンブラーが、自由に戻ってくることが可能になることを期待しての値動きだ。
ユニオン・ゲーミング社のアナリストであるジョン・デクリー氏は、14日の報告で、「広東省と香港はマカオのローカル市場として機能しており、渡航規制が緩和されれば、同様に旺盛な需要が急増すると予想している」と述べた。「国境規制が緩和されたことにより、マカオへの追加訪問が促進され、最終的にはマカオのGGRが促進されるはずだ。2019年、広東省はマカオへの訪問者数の約3分の1を占めていたが、GGRの貢献度はさらに大きいと思われる」とコメントした。
現在、中国当局による本土住民のマカオ渡航のためのビザ発給には制限があるが、その中には、特定の都市の本土住民がマカオやその他の場所に単独で渡航することを許可するIVS(Individual Visit Scheme)のビザも含まれている。アナリストのデクリー氏は、「(2019年に)広東省からマカオへの全訪問者の約75%は、まだ中断されているIVSの下で到着した人々が占める 」とし、 「広東省の国境規制の緩和は確かな第一歩であるが、私たちはIVSの復活と香港との緑の健康コードの互恵性について、願わくばこの夏の後半にもっと良いニュースを期待している」と付け加えた。
アメリカの銀行会社モルガン・スタンレーは、今年の第2四半期のカジノ運営会社の利息、税金、減価償却費、償却費(EBITDA)前の四半期利益は「過去最悪の四半期」になると予測。マカオのゲーミングオペレーター6社の四半期合計損失は約10億4,000万ドル(約1,120億円)になると予想している。
アナリストによると、今後オペレーター各社から発表される第2四半期の損失報告は、カジノ物件の運営コストに関連するが、結果は「運営費(固定費)、カジノ運営会社の中で誰が最もコスト削減に成功したのか、また、削減額のうちどの程度の割合が持続可能なのかを垣間見ることができるかもしれない」と述べた。7月下旬から8月上旬にかけて発表される、各オペレーターの第2四半期報告を待つ。
サンズ・チャイナは、労働者解雇せず、新たに建設中のロンドンをテーマとしたIR「ロンドナー」の開業に向けて、9月から着手し、今年から来年にかけて段階的に進めていくと述べた。
また、5月26日に逝去したマカオのカジノ王、スタンレー・ホーの葬儀が、7月8日から10日にかけての3日間、香港・北角にある香港殯儀館にて執り行われた。弔問客にはSJMホールディングス関係者の他、マカオ政府関係者などが訪れた。マカオ・ゴールデン・グループは7月31日までにホテル・リスボアの複合施設内にあるカジノ・リスボアの3か所のVIPルームの営業を停止する意向を示した。スタンレー・ホー氏の下で独占時代にシステムが導入されて以来、ジャンケットプレイの代名詞となっていたが、この閉鎖によって、SJMホールディングスの現在の旗艦カジノ・グランド・リスボアに5つのVIPルームを残すのみとなった。
マカオのジャンケット事業出身のサンシティ・グループホールディングスは、6月28日にベトナム・ホイアナの新IRの限定プレビューオープンを実施。ホイアナIRの法人にサンシティ子会社による追加融資が発表している。そのサンシティ創業者のアルビン・チャウ氏は、12日に公開されたYouTubeの中で、同社が顧客の金融預金をカバーすることができずに、中国本土の当局がVIP顧客に関する情報を持っているという、SNS投稿による噂を否定した。同社の財政準備金は105.8億香港ドル(約1,464億円)であることを説明し、「当社には、すべての顧客の不良債権やチップ預金を相殺する能力と十分な資本がある。サンシティは非常に安定した金融プラットフォームであることを再確認したい」と述べた。
■関連記事
・海外版・IR記事まとめ
7/8~7/14 https://jair.report/article/376/
7/1~7/7 https://jair.report/article/366/
・各地の新型コロナのIRへの影響レポート
マカオ 6月30日版 https://jair.report/article/357/
ユニオン・ゲーミング社のアナリストであるジョン・デクリー氏は、14日の報告で、「広東省と香港はマカオのローカル市場として機能しており、渡航規制が緩和されれば、同様に旺盛な需要が急増すると予想している」と述べた。「国境規制が緩和されたことにより、マカオへの追加訪問が促進され、最終的にはマカオのGGRが促進されるはずだ。2019年、広東省はマカオへの訪問者数の約3分の1を占めていたが、GGRの貢献度はさらに大きいと思われる」とコメントした。
現在、中国当局による本土住民のマカオ渡航のためのビザ発給には制限があるが、その中には、特定の都市の本土住民がマカオやその他の場所に単独で渡航することを許可するIVS(Individual Visit Scheme)のビザも含まれている。アナリストのデクリー氏は、「(2019年に)広東省からマカオへの全訪問者の約75%は、まだ中断されているIVSの下で到着した人々が占める 」とし、 「広東省の国境規制の緩和は確かな第一歩であるが、私たちはIVSの復活と香港との緑の健康コードの互恵性について、願わくばこの夏の後半にもっと良いニュースを期待している」と付け加えた。
第2四半期利益は過去最低になる見込み
マカオ政府の発表によると、6月のGGR(総ゲーミング収入)は前年同月比で97.0%減の7億1,600万マカオパタカ(約93億円)となり、2002年の市場自由化以来、最悪の月例数字を更新した。マカオへの6月フライト数は70%減少。6月は国境規制がマカオへの訪問者数にダイレクトに影響した。アメリカの銀行会社モルガン・スタンレーは、今年の第2四半期のカジノ運営会社の利息、税金、減価償却費、償却費(EBITDA)前の四半期利益は「過去最悪の四半期」になると予測。マカオのゲーミングオペレーター6社の四半期合計損失は約10億4,000万ドル(約1,120億円)になると予想している。
アナリストによると、今後オペレーター各社から発表される第2四半期の損失報告は、カジノ物件の運営コストに関連するが、結果は「運営費(固定費)、カジノ運営会社の中で誰が最もコスト削減に成功したのか、また、削減額のうちどの程度の割合が持続可能なのかを垣間見ることができるかもしれない」と述べた。7月下旬から8月上旬にかけて発表される、各オペレーターの第2四半期報告を待つ。
メルコはシニア債発行を計画、サンシティはVIPクラブ財務の噂を否定
IR関連事業者の動向に関して、メルコ・リゾーツでは主に資金調達の動きがあった。子会社のメルコ・リゾーツ・ファイナンスが新たにシニア債を計画。また、メルコ子会社でマカオの「スタジオ・シティ」を運営するスタジオ・シティ・インターナショナルは、新たな負債で10億ドルの資金調達を目指すと発表した。また、スタジオ・シティが株式オファーを開始し、親会社のメルコが支援意向を示した。サンズ・チャイナは、労働者解雇せず、新たに建設中のロンドンをテーマとしたIR「ロンドナー」の開業に向けて、9月から着手し、今年から来年にかけて段階的に進めていくと述べた。
また、5月26日に逝去したマカオのカジノ王、スタンレー・ホーの葬儀が、7月8日から10日にかけての3日間、香港・北角にある香港殯儀館にて執り行われた。弔問客にはSJMホールディングス関係者の他、マカオ政府関係者などが訪れた。マカオ・ゴールデン・グループは7月31日までにホテル・リスボアの複合施設内にあるカジノ・リスボアの3か所のVIPルームの営業を停止する意向を示した。スタンレー・ホー氏の下で独占時代にシステムが導入されて以来、ジャンケットプレイの代名詞となっていたが、この閉鎖によって、SJMホールディングスの現在の旗艦カジノ・グランド・リスボアに5つのVIPルームを残すのみとなった。
マカオのジャンケット事業出身のサンシティ・グループホールディングスは、6月28日にベトナム・ホイアナの新IRの限定プレビューオープンを実施。ホイアナIRの法人にサンシティ子会社による追加融資が発表している。そのサンシティ創業者のアルビン・チャウ氏は、12日に公開されたYouTubeの中で、同社が顧客の金融預金をカバーすることができずに、中国本土の当局がVIP顧客に関する情報を持っているという、SNS投稿による噂を否定した。同社の財政準備金は105.8億香港ドル(約1,464億円)であることを説明し、「当社には、すべての顧客の不良債権やチップ預金を相殺する能力と十分な資本がある。サンシティは非常に安定した金融プラットフォームであることを再確認したい」と述べた。
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