【新型コロナのIRへの影響レポート】マカオ 7月16日版 (1/2)

二上葉子

 世界中で新型コロナウィルスの影響を受けて、各国では出入国制限や都市封鎖がなされてきたが、徐々に制限の緩和が始まっている。日本型IRビジネスレポート(JaIR)では、IRがある主要な地域の新型コロナウィルス関連の動向を配信。シンガポール韓国ラスベガスに引き続き、今回はマカオの最新状況をレポートする。
 

マカオのランドマーク「グランド・リスボア・マカオ」のある街の中心部
 

マカオ、中国住民に対する検疫規制は7月15日より撤廃 

 中国とマカオの当局からの発表によると、マカオから珠海経由で中国・広東省に戻る、中国住民に対する14日間の検疫ルールは7月15日から撤廃された。マカオの住民は珠海で検疫を受ける必要なく、広東省9都市に旅行することができるようになる。
 
 マカオ政府によると、マカオからの旅行者は広東省とマカオが認めた検査機関で検査を行い、いわゆる健康コードシステムを申告する必要がある。広東省外からマカオに入国する場合には引き続き、帰国前に2週間の滞在が必要で制限が課される。また、個人訪問ビザ(または団体旅行ビザ)の発給再開時期については明らかになっていない。

 マカオと広東省間での検疫撤廃されることが発表されて以来、2日間で10万人以上の人々がマカオと広東省の医療コードをつなぐ健康コードの手続きを完了しようとし、3万人以上の人々が通関手続きを完了した。マカオでは1日あたり最大16,000人を検査できる体制にあるが、検疫撤廃発表後は、1日あたり4,000人から6,000人が検査している。

 JPモルガン証券は現段階では、この措置は 「実質的に広東省の居住者・労働者の為のもの」と述べるが、同社のアナリストは、旅行者の行動制限について言及が無い事を挙げ、これはマカオの観光客市場にとって旅行の「正常化に向けた重要な一歩」とコメントした。
 
  マカオ特別行政区政府のゲーミング検査・調査局(DICJ)は、マカオのカジノに入場するすべての人々に対し、新型コロナウィルスの検査証明書を提示するよう述べ、7月15日から適用された。また、中国内でも特に感染爆発が起きていた湖北と北京に、マカオ到着前14日間に滞在していた人に対してのカジノ立ち入り禁止を撤廃すると発表した。

  また、カジノスタッフに対しては、マカオ政府は14日「カジノ入場の新たな措置の一環として、新型コロナウィルス検査を受けなければならない」と述べた。これは、働くためにカジノに入るたびに検査を受けるというものではなく、1回限りのもので、検査実施についてはオペレーター6社と協議中だ。

 香港-マカオ間に関しては、マカオ政府は、7月13日に新しい措置を発表した。現在、香港-マカオ間の定期フェリーは停止しているため、2都市間の移動を可能にする唯一のルートは香港-珠海-マカオ(HKZM)橋を経由してマカオに渡航に限られているが、このマカオに入る渡航では陰性である「証明書」を所持する必要があり、この証明書はマカオ到着予定日より7日以内に発行されたものでなければ有効ではないとした。なお、マカオ到着後、マカオで14日間の検疫を受ける必要がある。
 

マカオからのフェリーが発着する香港・ビクトリアハーバー