和歌山県は2022年2月24日、第3回和歌山県「IR誘致に関する有識者会議」(2022年2月19日に実施)の開催結果を公表した。資金計画については注文も付いたが、再提出された和歌山県特定複合観光施設区域整備計画(案)については高い評価が得られたという。
「和歌山県特定複合観光施設区域整備計画(案)については、これまでの有識者会議で議論してきたことを非常に丁寧にまとめていただき、この結果については高く評価している。和歌山IRが日本で最初のIRとして動き始めることが、その後の日本の地域活性化の一つの道筋を見せてくれるということを期待したい。この計画が、実際に実行される段階においては、いろいろなことが出てくると思うので、当初の理念をしっかり守ってやっていけるかということを、これからも関心をもって見ていきたい」
各委員の意見も公表されており、資金計画の確実性を高めることが必要などの注文もついたが、改めて提出された和歌山県特定複合観光施設区域整備計画(案)については、コンセプトが明確になり、施設意匠についても一体感があってインパクトがあるものに改善されたと評価する意見が出た。
今後の和歌山IRの進むべき方向性としては、和歌山ならではの本物の魅力(海、太陽、高野山・熊野古道など本物へのアク セス性など)を世界に発信していくべきであるとし、先端テクノロジーやデータの活用によるマリーナシティ全体のスマート化の重要性も指摘した。
以下は和歌山県がまとめた各委員の意見。
(1)事業者選定時点から内容が良くなっているとの意見
・コンセプトがより明確に世界にアピールできるものとなり、都市型IRとの共存という大切な視点も盛り込まれた
・施設意匠は、オープンマインドにあらゆる人を広く受け入れることが体現され、一体感があってインパクトのあるものに改善された
・環境負荷低減として、2050年カーボンニュートラルに向けて対策がより具体的になった
・県民理解の視点で欠かせないカジノ事業収益の活用は、内容が具体的になり進展した
(2)今後引き続き検討・対策が必要との意見
・交通への影響・対策については、引き続き詳細な検討が必要
・資金計画については、引き続き確実性を高めることが必要
(3)和歌山IRに期待することについての意見
<和歌山の独自性の発信>
・カジノだけに頼らず、和歌山IRの本物の魅力(海、太陽、高野山・熊野古道など本物へのアク セス性など)を世界にアピールすることが重要
・IRという新しい取組と和歌山の歴史・文化をうまく融合していくことが、和歌山の誇れる進取の気性であり、そこを強調できれば他地域との差別化も図れる
・従来の物見遊山的な観光ではなく、MICEを通じた交流など、より多様で深みのある観光を促 進していくことが大事であり、IRの果たす役割は大きい
・IR区域は、全域整地造成済みであり、早期に開業できることは大きなメリット
・和歌山と大阪のIRがそれぞれの強みや役割分担により共存共栄し、日本観光のゲートウェイとなることを期待
・外国人のみならず、日本人にも真の和食文化を再認識してもらえる地になることを期待
・食の体験にとどまらず、その背景にある人々の生業・生活・考え方などを付加して、食文化として 発信することが重要
<有害な影響の排除>
・ IRで得た収益を活用して、既存のギャンブル等の依存症に対して対策を強化することで、全体的な依存症患者の減少に寄与することに期待
・カジノ利用者のデータを活用した依存症の基礎研究を通じて、対策の検証を行うとともに、地域住民の不安を解消することが重要
<県民への理解促進>
・ マリーナシティは整地済みであるため、土壌対策に関する負担もないと思われ、IR事業全体として県民リスクがない点はしっかりとアピールできる
・IRのような新しい取組を、雇用の維持拡大や人材の育成につなげていく点についても強調すべき
・IRは、地域観光や社会インフラの整備、就業の誘発など経済効果が高く、地元企業を巻き込んで一緒に成長できる仕組みづくりが重要
<その他全般的な事項>
・SDGsへの関心の高まりやデジタル化・グローバル化の進展など世の中の変化そのもののスピードが増しており、それらへの対応が重要
・先端テクノロジーやデータの活用によるマリーナシティ全体のスマート化も重要な視点
・IR事業の運営を事業者に任せきるのではなく、公益的観点から県が指導できる仕組みを構築すべき
・人流を作るという意味では、高速道路などの陸路だけではなく船など海上の移動も含め様々なアイデアが必要
和歌山県は今後、有識者会議の意見をはじめ、パブリックコメントや、説明会及び公聴会での県民からの意見を、和歌山県特定複合観光施設区域整備計画(案)に反映させた上で、立地市である和歌山市及び和歌山県公安委員会の同意を得たのち、和歌山県議会において議決を得て、令和4年4月28日までに国へ申請する予定。
■関連サイト
和歌山県特定複合観光施設区域整備計画(案)に対する県民意見募集について
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020100/d00208944.html
■関連記事
「IR和歌山」の区域整備計画案が公表 開業は2027年秋頃を予定
https://jair.report/article/794/
資金計画に注文も、整備計画(案)については高く評価
座長である東京大学名誉教授の伊藤元重氏は、和歌山IRが日本で最初のIRとして稼働し、日本の地域活性化の道筋になるのでは、と期待を寄せた。「和歌山県特定複合観光施設区域整備計画(案)については、これまでの有識者会議で議論してきたことを非常に丁寧にまとめていただき、この結果については高く評価している。和歌山IRが日本で最初のIRとして動き始めることが、その後の日本の地域活性化の一つの道筋を見せてくれるということを期待したい。この計画が、実際に実行される段階においては、いろいろなことが出てくると思うので、当初の理念をしっかり守ってやっていけるかということを、これからも関心をもって見ていきたい」
各委員の意見も公表されており、資金計画の確実性を高めることが必要などの注文もついたが、改めて提出された和歌山県特定複合観光施設区域整備計画(案)については、コンセプトが明確になり、施設意匠についても一体感があってインパクトがあるものに改善されたと評価する意見が出た。
今後の和歌山IRの進むべき方向性としては、和歌山ならではの本物の魅力(海、太陽、高野山・熊野古道など本物へのアク セス性など)を世界に発信していくべきであるとし、先端テクノロジーやデータの活用によるマリーナシティ全体のスマート化の重要性も指摘した。
以下は和歌山県がまとめた各委員の意見。
(1)事業者選定時点から内容が良くなっているとの意見
・コンセプトがより明確に世界にアピールできるものとなり、都市型IRとの共存という大切な視点も盛り込まれた
・施設意匠は、オープンマインドにあらゆる人を広く受け入れることが体現され、一体感があってインパクトのあるものに改善された
・環境負荷低減として、2050年カーボンニュートラルに向けて対策がより具体的になった
・県民理解の視点で欠かせないカジノ事業収益の活用は、内容が具体的になり進展した
(2)今後引き続き検討・対策が必要との意見
・交通への影響・対策については、引き続き詳細な検討が必要
・資金計画については、引き続き確実性を高めることが必要
(3)和歌山IRに期待することについての意見
<和歌山の独自性の発信>
・カジノだけに頼らず、和歌山IRの本物の魅力(海、太陽、高野山・熊野古道など本物へのアク セス性など)を世界にアピールすることが重要
・IRという新しい取組と和歌山の歴史・文化をうまく融合していくことが、和歌山の誇れる進取の気性であり、そこを強調できれば他地域との差別化も図れる
・従来の物見遊山的な観光ではなく、MICEを通じた交流など、より多様で深みのある観光を促 進していくことが大事であり、IRの果たす役割は大きい
・IR区域は、全域整地造成済みであり、早期に開業できることは大きなメリット
・和歌山と大阪のIRがそれぞれの強みや役割分担により共存共栄し、日本観光のゲートウェイとなることを期待
・外国人のみならず、日本人にも真の和食文化を再認識してもらえる地になることを期待
・食の体験にとどまらず、その背景にある人々の生業・生活・考え方などを付加して、食文化として 発信することが重要
<有害な影響の排除>
・ IRで得た収益を活用して、既存のギャンブル等の依存症に対して対策を強化することで、全体的な依存症患者の減少に寄与することに期待
・カジノ利用者のデータを活用した依存症の基礎研究を通じて、対策の検証を行うとともに、地域住民の不安を解消することが重要
<県民への理解促進>
・ マリーナシティは整地済みであるため、土壌対策に関する負担もないと思われ、IR事業全体として県民リスクがない点はしっかりとアピールできる
・IRのような新しい取組を、雇用の維持拡大や人材の育成につなげていく点についても強調すべき
・IRは、地域観光や社会インフラの整備、就業の誘発など経済効果が高く、地元企業を巻き込んで一緒に成長できる仕組みづくりが重要
<その他全般的な事項>
・SDGsへの関心の高まりやデジタル化・グローバル化の進展など世の中の変化そのもののスピードが増しており、それらへの対応が重要
・先端テクノロジーやデータの活用によるマリーナシティ全体のスマート化も重要な視点
・IR事業の運営を事業者に任せきるのではなく、公益的観点から県が指導できる仕組みを構築すべき
・人流を作るという意味では、高速道路などの陸路だけではなく船など海上の移動も含め様々なアイデアが必要
和歌山県は今後、有識者会議の意見をはじめ、パブリックコメントや、説明会及び公聴会での県民からの意見を、和歌山県特定複合観光施設区域整備計画(案)に反映させた上で、立地市である和歌山市及び和歌山県公安委員会の同意を得たのち、和歌山県議会において議決を得て、令和4年4月28日までに国へ申請する予定。
■関連サイト
和歌山県特定複合観光施設区域整備計画(案)に対する県民意見募集について
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020100/d00208944.html
■関連記事
「IR和歌山」の区域整備計画案が公表 開業は2027年秋頃を予定
https://jair.report/article/794/