「IR和歌山」の区域整備計画案が公表 開業は2027年秋頃を予定

JaIR編集部

 2022年2月9日、和歌山県は誘致を進めているIRの整備計画である「和歌山県特定複合観光施設区域整備計画(案)」を公表した。

IR和歌山の施設全景
 IR施設の仮称は「IR和歌山」で、人工島の和歌山マリーナシティの南側に建設される予定。敷地面積は23.61ha。テーマとして「和歌山の自然資源」と「世界最先端のテクノロジー」の融合を掲げ、海に面したマリンリゾートであるセントーサ・リゾートアイランドの成功事例を学びつつ、ウェルネス体験、広域への送客・地方創生、サステイナビリティなどの独自性を持つ。造成済みのマリーナシティを用いることですぐに着工できる点もメリットとしており、開業予定は2027年秋頃となっている。

 施設はMICE棟と本棟の2つ。敷地東側のMICE棟には6000人以上を収容可能な国際会議場、約2万㎡以上のエクステンション型アリーナを収容し、西側の本棟には日本の伝統文化や温浴体験といった魅力増進施設、2500室以上の宿泊施設、プール、ナイトクラブ、eスポーツセンター、先端医療センターなどの来訪滞在促進施設、カジノなどが含まれる。両者は1階フロアで接続され、中間に送客施設が配置される。宿泊施設の名称はシーザーズパレスとなっており、20%以上のスイートルームを確保するという。

MICE棟と立体駐車場棟
 運営主体はクレアベストニームベンチャーズ(CNV)、クレアベストグループ、シーザーズ・エンターテインメントなどを中核株主とした和歌山IR株式会社(設立準備中)となり、初期投資額の約4700億円のうち約1450億円のうち55%をCNV、クレアベストグループ、5%をシーザーズ・エンターテインメント、残りの40%を少数株主で補う。7割にあたる約3250億円はクレディ・スイスなどからの借り入れを予定している。

 2030年度の各施設の総来場者数は約1300万人、IR区域への来訪者は約650万人を目標とする。旅行消費額は2300億円、雇用従業員数は約6200人を想定。IR施設の投資金額約4700億円に対して、建設時の経済波及効果は約7100億円、運営時には約3100億円になるという。

 今回公表された整備計画(案)ではIR区域全体のコンセプトや施設の詳細、施策、経済効果のほか、運営体制やカジノ収益の活用、カジノによる有害な影響の排除、入場料や納付金などの利用見込みなども盛り込まれており、2月9日から県民のパブリックコメントを募集している。

■関連サイト
和歌山県特定複合観光施設区域整備計画(案)に対する県民意見募集について
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020100/d00208944.html