<IR用語集・基礎知識> テキサス・ホールデム(ポーカー)

JaIR編集部

ポーカーとは、トランプを使ったゲームの一種であり、「テキサス・ホールデム」は、その中でも、アメリカのカジノではもっともポピュラーなゲームの一つである。テキサス・ホールデムが、いつ考案されたかは定説がないが、テキサス州立法府には、1900年代初頭、同州ロブスタウンにて、テキサス・ホールデムの最初のプレイが行われたと記録されている。ディーラーが、全プレイヤー共通のコミュニティカード(最大5枚)を持ち、各プレイヤーには2枚の手札が配られる。ラスベガスにテキサス・ホールデムが紹介されたのは1967年。最初はゴールデン・ナゲット・カジノのみでプレイされていたが、1969年にデューンズ・カジノに導入されてから一気に広まり、最も人気の高いポーカー・ゲームになった。

テキサス・ホールデムのルールは、基本的に普通のポーカーと同じで、アメリカ式の役の強さは、ロイヤルストレートフラッシュ>ストレートフラッシュ>フォーカード>フルハウス>フラッシュ>ストレート>スリーカード>ツーペア>ワンペアの順になる。ゲームの進行に妙があり、まず、プレイヤーに2枚ずつ手札が配られる。この段階(ラウンド)をプリプロップと言い、最初のベット(賭け)が行われる。ここで降りる(フォールド)ことをしなかったプレイヤーが2人以上いたら、ディーラーは3枚のカード(コミュニティカード)を表向きに出す。この段階をフロップと言う。ここでまた一巡のベットが行われ、2人以上が残った場合、さらに1枚のカードを表向きに出す。この段階がターン。同様のベットの後、最後の1枚、5枚目をディーラーがやはり、表を向けて出す。この段階がリバー。

この最終局面で2人以上のプレイヤーが残っていれば、伏せていた2枚の手札を見せる。これをショー・ダウンと言う。ディーラーが出した5枚のコミュニティカードと、プレイヤーの手札2枚の合計7枚の中で、ポーカーの役を作る。手札は何枚使っても使わなくても構わない。これで勝った者がポット(全員の賭け金を集めたもの)を総取りできる。

アメリカのカジノではポーカーは高い人気があり、トーナメントが開かれることが多い。ルーレットなどと違って、プレイヤー対胴元ではなく、プレイヤー同士の戦いになるためだ。1949年に初めて開催されたワールド・シリーズ・オブ・ポーカー(WSOP)が1970年に、当時の主宰者だったベニー・ビニオン(人気カジノだったビニオンズ・ホースシューのオーナー)によって復活してからは、参加者の数は、1970年が7人だったのが、1982年には104人、2000年には512人、2019年には、世界中から集まったポーカー・プレイヤー8,569人に達した。主な競技はテキサス・ホールデムのほかに、オマハ・ホールデム、セブンカード・スタッドなど。2004年からは、シーザーズ・エンターテインメントが運営している。

2019年のWSOPの賞金額は1,000万ドル(10億8,000万円)に達し、大会の様子は全米にテレビ中継された。今年は、新型コロナウイルス感染症のため、リアルの開催をあきらめ、オンラインに場を移したが、オンラインポーカーの記録を次々と塗り替えている。7月~9月まで実施された今回のシリーズは、2,755万9,500ドル(約29億2,483万円)という過去最高のオンラインポーカーのトーナメント賞金プール、そして参加者数が4万4,576人という最多エントリー数を叩き出した。

日本のカジノ管理委員会の規則では、カジノ行為の種類は9種21分類のテーブルゲーム及び電子ゲーム機等によるゲームとされており、テーブルゲームについては、バカラ(2分類)、 トゥエンティワン(4分類)、 ポーカー(8分類、うち2分類は顧客相互間で行われるもの、1分類は顧客相互間で行われるトーナメント)、 カジノウォー、 クラップス、 シックボー、 ルーレット(2分類)、 マネーホイール、 パイゴウとされていて、ポーカーは規定の中に含まれている。