<IR用語集・基礎知識> 公営ギャンブル

JaIR編集部

賭博行為が合法かどうかは、国や地域(アメリカなどでは州)によって異なるが、日本においては、賭博行為は違法行為とされる一方、以下のものだけが例外的に認められている。

・競馬(中央競馬と地方競馬)
・競輪
・競艇
・オートレース
・宝くじ(宝くじ、スポーツ振興くじ)

これらは、その収益が賭博主催者のためにあるのではなく、地方振興、公共の利益のために利用されることで一致しており、このうち、競馬(中央と地方)、競輪、オートレース、競艇の、競技によって勝敗を決めるものを一般に「公営ギャンブル」という。
 
現在、日本で開催されている「公営競技」は以下の4ジャンルであり、全国37都道府県に97場存在する。主催者が特殊法人である中央競馬を除くと、地方自治体あるいはその関連団体である一部事務組合であるが、いずれも全国規模の統括組織があり(特殊法人または財団法人)、中央官庁の管轄である。

・競馬(25場)中央競馬10場、地方競馬15場
・競輪(43場)
・競艇(24場)
・オートレース(5場)

これらは全てパリミュチュエル方式(※)により投票券が発売されており、勝利する競走対象を予想した投票券を購入して、予想が的中すれば配当金を受け取ることができる。公営競技は、コロナ禍の2020年も、自宅からの利用が高まり、いずれも前年を上回る売上となっている。

IRにおけるカジノも公営ギャンブルと同じ論理で、IRに併設されたカジノの収益は、観光先進国である日本において地域の活性化、日本の伝統文化の振興、各種財源となり公共の利益に帰するいう目的によって法的に認められることになった(IR推進法IR実施法)。

※パリミュチュエル方式=投票券売上から興行主があらかじめ一定の売り上げを控除し、残りを勝ち投票券の配当に用いる方式。安定継続的な運営が可能となる。