<IR用語集・基礎知識> ハウス・アドバンテージ/ハウス・エッジ(控除率)

JaIR編集部

ギャンブルの胴元(カジノ)の取り分をハウス・アドバンテージと言い、その比率をハウス・エッジ(控除率)と呼ぶ。

カジノにおけるわかりやすいモデルとして、ルーレットの赤と黒の2択に賭けるゲームを見てみよう。36個の数字が刻まれたルーレットは半分の18個ずつ赤と黒に分かれている。赤と黒どちらが来るかに賭けて当たれば2倍に、外れれば没収される。1/2の確率で2倍になるなら、掛け金は100%客側に還元されることになり控除率は0%になる。ところが一般的なアメリカンタイプのルーレットには0と00という赤でも黒でもない緑の数字が含まれている。この2つに入った時、つまり2/38≒5.2%がこのゲームのハウス・エッジになる。ルーレットの例で言えば、局面的には同じ数字や色が出続けることも少なくはなく、数回のゲームだけを見れば客が大きく勝つこともあり得る。だからこそギャンブルが成立するのだが、確率の基本法則(大数の法則)により、ゲームの回数を増やしていけばいくほど、結果は限りなく数学的な確率に近づいていくことになる。
 
カジノのすべてのゲームには数学的な確率としてのハウス・エッジが設定されており、その数字は0.5%から30%近くまでまちまちだが、仮に平均5%とすると、年間に1兆円分のベット(賭け)が行われれば、ほぼ確実に500億円をカジノ側が控除(確保)できることになる。
 
このことからカジノにとっての上客はたくさん負けてくれる客ではなく、勝とうが負けようが、来場し続け、大きく賭け続けてくれる(結果的に控除率に沿った金額を残してくれる)客ということになり、こうした上客=ハイローラーを囲い込むためにコンプをはじめとする様々なサービスが誕生している。