MGMがIRに関するオンライン講義を関西2大学と実施

JaIR編集部

 大阪IRのRFPにオリックスとともに応募している日本MGMリゾーツは、3月2日~10日にかけて、6日間にわたって、関西外国語大学(KGU)の学生22名と京都大学経営管理大学院の学生7名を対象に「KGU×MGMエデュケーションプログラム」をオンラインで実施した。このプログラムは2018年9月に関西外国語大学が開設した「サービス・ホスピタリティ業界のリーダー育成プログラム」の一環。

オンライン会議ツールを使った双方向の講義の様子
 

エドCEOは「大阪IRに欠かせない人材を育成」を強調

 昨年2月に続いて2回目の開催となった今年は、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オンラインでの実施になった。これにより、昨年は主にラスベガスに勤務する社員が講義を担当していたが、今年はマカオや米国のメリーランド州、マサチューセッツ州の施設で働く社員も含め30人以上の社員が参加し、多岐にわたる12の講義を実施することができた。
 
 このプログラムは、日本において、ホテルやリゾート施設の国際的なマネジメント経験・知見を持つ人材不足が課題として指摘されていることから、2018年より関西外国語大学と連携しスタート。ホスピタリティ業界への就業をめざす学生を対象とした講演会を開催するなど、国内教育機関との連携、ホテル業界における次世代リーダー人材の育成支援に取り組んできた。
 
 今回は、さらに、オンライン会議ツールのチャット機能などを活用することで質疑応答や意見交換をクイックかつ有効的に行い、オンラインの利点を生かした形でプログラムを実施した。


■プログラム内容
①感染症対策
プログラム内ではまず、MGMのヘルス&セーフティー戦略のトップ、ジョン・フリン氏によって、科学的なデータや公衆衛生・医療の専門家の知見を踏まえ、コロナ禍においてMGMリゾーツが実践している感染症対策に関する講義が行われた。
 
②ギャンブル等依存症問題への対策
MGMリゾーツ・インターナショナルのシニアアドバイザーであるアラン・フェルドマン氏からは、MGMリゾーツがギャンブル等依存症問題における対策として、これまで啓蒙活動を続けてきた「責任あるゲーミング(レスポンシブル・ゲーミング)」の重要性や、日本に「責任あるゲーミング(レスポンシブル・ゲーミング)」を導入するため、これまで日本MGMリゾーツが行ってきた実績に関する講義が行われた。
 
③他にも、VR(バーチャル・リアリティー)を活用した従業員のトレーニング方法に関する講義や、MGMリゾーツが10年以上前から取り組んできたサスティナビリティ経営に関する講義などが行われた。
 

 本プログラムに参加した関西外国語大学「サービス・ホスピタリティ業界のリーダー育成プログラム」2年生のコメント(プレスリリースより)
 
「ホスピタリティという言葉には漠然としたイメージがありましたが、このプログラムを通じIRにおける様々なホスピタリティを学んだことで、イメージを明確にすることができました。IRが日本で開業した際は、日本ならではのおもてなしやホスピタリティを、たくさんの観光客の方に体験していただける場になるのではないかと思います。今年はオンラインでのプログラムということで、ラスベガス以外の米国や、マカオの施設の方の講義も聴くことができ、オンラインならではの良さも感じました。今後も様々な業界、場面におけるホスピタリティについて幅広く学び続けていきたいです」
 
 日本MGMリゾーツ代表執行役員社長CEOエド・バワーズ氏のコメント

「今年のプログラムに参加していただいた、関西外国語大学と京都大学の皆様に感謝いたします。大阪における統合型リゾート(IR)は、これまで大阪に存在しなかった職業も含め、数千におよぶ幅広い職種の雇用を生み出すことになります。人材の育成は、時間をかけてIR開業の何年も前から始めるべきプロセスです。MGMリゾーツは、関西外国語大学と京都大学が早くから理解を示し、私たちの業界に多大な努力を投じていただいたことに感謝するとともに、今後も両校と協力して将来の大阪IRに欠かせない人材を育成していきたいと考えています」
 
 
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