セガサミーの第3四半期決算発表で、コンシューマ分野が牽引し通期見通しを上方修正

JaIR編集部

 セガサミーホールディングスは12日、2021年3月期第3四半期(2020年10月~12月)の決算を発表した。第3四半期の親会社株主に帰属する四半期純損失は62億円の赤字で(前年同期は229億円の黒字)と大幅減収だが、通期では、コンシューマ分野の貢献により経常利益の損失幅は昨年2020年11月6日の発表からさらに改善し、親会社株主に帰属する通期の純損失は245億円の赤字予想だったものが30億円の赤字に大幅減少する見通し。韓国のパラダイスセガサミーについては、カジノ利用者数が前年同期比47.9%と落ち込みが続き、一部施設の営業休止や固定費削減等による施設運営の効率化を実施を続けている。決算短信の中でIR(統合型リゾート)については、政府の基本方針発表、各自治体の動きには触れているが、横浜など具体的な名前は挙げなかった。


セガサミーの決算発表資料より
 

IRに関しては、政府の基本方針などには触れたが、横浜市には触れなかった

 セガサミーの決算短信によると、コンシューマ分野(前期までのデジタルゲーム分野及びパッケージゲーム分野)での、家庭用ゲーム機の次世代機の発売やデジタル化の進展により、PCや家庭用ゲーム機でのダウンロード販売が進み、ゲーム需要の高まりが見られ、「今後も新たなビジネスモデルやサービスによる収益機会の多様化や、さらには5Gやクラウドといったテクノロジーやインフラの発展」により、グローバルでのゲーム市場の活性化や拡大が期待される、としている。


セガサミーの決算発表資料より

 アミューズメント施設・機器市場については、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う施設稼働の低下は回復傾向にはあるが、購買意欲の回復には時間を要する、としている。

 リゾート業界については、新型コロナウイルス感染症の影響による旅行の延期や中止のほか、各国の渡航制限等の実施により国内外の旅行需要が低下し、旅行者数の大幅減少に言及。政府が2020年7月より開始した「Go Toトラベル事業」のキャンペーン期間中においては国内観光需要の回復が見られたが、2020年12月に発表された「Go Toトラベル事業」の一時停止などに伴い、今後の旅行需要の低下を予想。IRについては「『特定複合観光施設区域整備法』にかかる施行令等が2019年4月より順次施行されており、2020年1月にカジノ管理委員会が発足されたほか、2020年10月に政府による基本方針案が公表され、IR区域整備計画の認定申請期間の見直しが行われました。また、2021年1月には一部の地方自治体においてIR事業者の公募であるRFP(Request for Proposal)が開始されました」と触れているが、横浜市が1月21日に開始したRFPについては、名前を挙げなかった。

 セガサミーは1月29日に里見治・代表取締役会長グループCEOが代表取締役会長に、里見治紀・代表取締役社長グループCOOが代表取締役社長グループCEOに就任した人事発表を行った。この里見治紀氏のグループ代表への就任とともに、100%連結子会社であるサミー株式会社(以下、サミー)及び株式会社セガグループ (以下、SHQ)のコーポレート機能等の管理業務をそれぞれ会社分割及びセガサミーによる承継を行い、100%連結子会社である株式会社セガ(以下 SOJ)によるSHQの吸収合併を行う組織再編も発表した。目的は、一層効率的な体制の構築と説明されており、コーポレート機能等の管理業務をセガサミーへ統合することで、グループ事業全体を牽引・サポートする体制を構築し、エンタテインメントコンテンツ事業における中間持株会社を解消し、グループ構造の合理化を進め、意思決定の迅速化を図ることによりグローバルでの事業展開を加速させる、としていて、組織図を見てもシンプルになった。


セガサミーの決算発表資料より

セガサミーの里見治紀・代表取締役社長グループCEO


■関連サイト
セガサミーホールディングス 2021年3月期 第3四半期 決算短信
https://www.segasammy.co.jp/japanese/pdf/release/202103_3q_tanshin_20210212_j.pdf


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