横浜市は修正版「IRの方向性について」とパブコメ実施結果を公表

JaIR編集部

 横浜市は28日、「横浜IR(統合型リゾート)の方向性について」を公表した。内容は6月に発表された「横浜IR(統合型リゾート)の方向性(案)」を踏襲したもので、3~4月に実施されたパブリックコメント(以下パブコメ)を反映して修正されたものだ。今回は同時にパブコメの内容についても公表している。


横浜市の「横浜IR(統合型リゾート)の方向性について」より
 

パブコメに応じて387件は修正を反映、9月中に実施方針策定・公表か

 3月6日から4月6日にかけて実施されたパブコメの全9,509件から、6月の素案に関わる8,621件について、387件は修正を行った。8,234件については、既に素案に掲載されているものがあり、それ以外については、今後の事業・取り組みの参考にしていくとした。残り888件は素案と関係しないものだった。

 パブコメの実施結果は全532ページからなり、「いただいたご意見と本市の考え方」として、それぞれの意見と、グループ分けされた意見への横浜市の回答が公表されている。

 例えば、横浜IRの基本コンセプトに関して、賛成・反対の声を紹介しているものに対しては、

「今後、横浜においても人口減少、超高齢化社会等、様々な社会経済情勢の変化が見込まれます。そうした中でも、市民が生き生きと暮らし、魅力と活力あふれる都市であり続けるため、横浜は今ある『横浜らしさ』に誇りを持ちながら、新しい文化を迎え入れ、将来を見据えた新たな『横浜らしさ』の創造に向けてチャレンジする必要があります。『横浜IR』では、世界水準のMICE施設、ホテル、エンターテイメントや最先端のテクノロジー(技術)を駆使した未来の街をこれまで築き上げてきた都心臨海部の街の魅力や資源と一体的に整備し、融合していくことで、相乗効果を最大限に発揮するとともに、新たな魅力・資源をハイブリッド(混成)に創造し、横浜の観光・経済にイノベーション(革新)をもたらしていきます。横浜のさらなる飛躍と将来にわたる市民の豊かな暮らしのために、そして、横浜の都心臨海部がこれからも、横浜市民の憩いの場であるとともに、世界各国の人々が、日本に行ってみよう!日本に行くなら横浜に行ってみよう!そう思ってもらえる『横浜イノベーションIR』を目指していきます。今後も、IRへのご理解を頂けるよう、事業の進捗に応じて市民の皆様に丁寧にご説明するなど、積極的に情報提供していきます」

などと、逐次回答されている。

 賛成も反対もかなりストレートに掲載されていて、それに対する横浜市の回答が、細目にわたって数多く寄せられているが、これらの回答を387件反映させたのが今回の「IRの方向性について」になる。こちらは全106ページで、6月の(案)とほぼ同じ規模だ。方向性は大きくは変わっておらずブラッシュアップされたものになっている。

 注目は最後に掲載されているスケジュールで、8月中に発表される予定だった実施方針の策定・公表は令和2(2020)年度前半とされていて、これによると9月中に行われることになる。

以下、横浜市の令和2年(2020)年7月末時点での想定スケジュール。

・国の基本方針等を踏まえて横浜IRの実施方針を策定し公表
► 令和2(2020)年度前半

 ・IR事業者を選定し、市民意見等を踏まえた区域整備計画を策定
► 令和2(2020)年度中

・ 横浜市会の議決を経て国に申請
► 令和3(2021)年度前半

・ 全国で3つの区域に認定された場合は、2020年代後半のIR開業に向けて手続きを進める


横浜市「IRの方向性について」より


■関連資料データベース
横浜市・横浜IR(統合型リゾート)の方向性を公表
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