メルコリゾーツが日本のIRへのゆるぎないコミットメントを強調

JaIR編集部

 メルコリゾーツ&エンターテインメントは20日、2020年第2四半期の決算を発表した。決算発表において会長兼最高経営責任者(CEO)のローレンス・ホーは、「日本については、世界が今までに見たことがないIR(統合型リゾート)をこの国に生み出すことへの当社のゆるぎないコミットメントを強調したいと考えています」と、日本のIR事業への参加意思を改めて表明した。
メルコリゾーツ&エンターテインメントのHP

世界に類を見ない日本ならではの特徴ある統合型リゾートをサポートできる

 ローレンス・ホーは日本について、「日本については、世界が今までに見たことがないIRをこの国に生み出すことへの当社のゆるぎないコミットメントを強調したいと考えています」と、強い意志を表明。

 さらに、「当社のアジアのプレミアム部門への注力、高品質な施設ポートフォリオ、クラフツマンシップへの注力、世界トップレベルのエンターテインメントを提供することへの情熱、市場をリードするソーシャルセーフガードシステム、パートナーシップ構築について確立された実績、卓越したゲストサービスに関する企業風土及び雇用拡大へのコミットメントは、世界に類を見ない日本ならではの特徴ある統合型リゾートを日本が実現することをサポートできる絶好の立場に当社を置くものと信じています」と、次のフェーズのIRを日本で実現する見通しを語った。

 ゲット・フレッシュ・ニュース(Get Fresh News)などによると、会見の質疑の中で、ローレンス・ホーは「多くのグローバルな競合他社が日本での取り組みを断念していることを知っています」としたうえで、「メルコを差別化し、日本への長期的な取り組みを示すことができて嬉しく思います」と語った。

 さらに 「10年以上前にこのレースに参加したとき、それがマラソンであり、スプリントではないことを知っていました。率直に言って、新型コロナ感染症は確かに近い将来の開発努力に影響を与えましたが、医療界から得られるあらゆる情報によれば、IRが2020年代後半に日本で実際にオープンするときには、バックミラーに映っているでしょう(過ぎ去っているでしょう)」と見通しを話し、
「私たちのグローバルチームは引き続きリモートで作業と計画を行っています。また、現地の日本チームは引き続き、主要な利害関係者と熱心に取り組み、会合を行い、統合型リゾートの開発計画について話し合い、改善していきます」と、この状況下でも日々進んでいると説明、「願わくば、新型コロナ感染症の状況が許せば、すぐにまた来日できるでしょう」と希望を語った。

 2020年第2四半期のメルコリゾーツ&エンターテインメントの営業総収入は1億8,000万ドル(約190億円)で、前年同期の14億6,000万ドル(約1,541億円)から約88%減になった。これは、新型コロナウィルス感染拡大による海外からの観光客の減少によって、全てのゲーミング部門及びノンゲーミング事業の業績が不調だったことによる。第2四半期の純損失は3億6,810万ドル(約388億円。ADS1株当たり0.77ドル)、前年同期は1億180万ドル(約124億円。ADS1株当たり0.21ドル)の純利益だった。

 ローレンス・ホーは、この状況に対して、財務体質の強化に努めているという。

「流動性を維持し当社のバランスシートを改善させるための戦略を迅速に策定しました。4月には、新たなシニア融資契約を締結し、当社が保有するクラウン・リゾート・リミテッドの株式を売却することで、当社のバランスシートを補強しました。5月には、当社取締役会が当社の四半期配当計画を停止することを決定しました」

「当社の子会社である、メルコリゾーツ・ファインナンス・リミテッドは、最近資本市場で資金調達を行い、元金総額8億5,000万ドル(約897億円)の2028年までを償還期限とする5.750%優先債券を発行しました」

「さらに、当社のスタジオ・シティ プロジェクトについては、スタジオ・シティ・インターナショナル・ホールディングス・リミテッド(以下「SCIHL」)の完全子会社であるスタジオ・シティ・ファイナンス・リミテッドが、元金総額5億ドル(約527.8億円)の2025年までを償還期限とする6.00%優先債券と、元本総額5億ドル(約527.8億円)の2028年までを償還期限とする6.50%優先債券を7月に発行しました。8月には、SCIHLは、メルコを含む既存株主に対する、A種類株式及び米国預託株式の一連の私募を完了し、その結果総額約5億ドル(約527.8億円)の資金を調達しました。スタジオ・シティに関する取引で調達した資金により、SCIHLのバランスシート及びスタジオ・シティの第二期拡張工事のための資金供給力が大幅に強化されました」

「当社は堅実な方法によるバランスシートの管理を継続しています。2020年6月30日時点で、約12億ドル(約1,266億円)の現金を手元に保有し、約16億ドル(約1,689億円)の未使用リボルビング借入可能枠を保持しています」

「新規優先債券の発行とスタジオ・シティの株式の私募(ただし、当社の引受額である約2億8,000万ドル(約295.6億円)を除きます)を見積もると、2020年6月30日時点で当社が手元に保有する現金はおよそ20億ドル(約2,111億円)であり、マカオ及びマニラにおける未使用リボルビング借入可能枠は約20億ドル(約2,111億円)となります」

 これらの矢継ぎ早な対応に基づき、日本だけでなく、世界各地の開発計画にコミットし続けていくと語っている。

「スタジオ・シティの拡張工事は順調に進んでいます。完工により、約900室の新たな高級客室とスイートルーム、世界で最大の室内/室外ウォーターパークの一つとなるシネプレックス、高級ダイニングレストラン、そして最新のMICEスペースが増設されます。ヨーロッパにおいては、完成すればおよそ500室のラグジュアリーな客室、1,500席規模の円形演技場及び約10,000平方メートルのMICEスペースを備えたヨーロッパ最大の統合型リゾートとなる、シティ・オブ・ドリームス メディテレーニアンを開発中です」

 最後に、好転しつつある状況については、以下のように話している。

「最後に、当社は、当社の統合型リゾート事業が平常時に回復していく初期の兆候が見られることに胸を高鳴らせています」

「6月中旬、キプロスのカジノ施設での営業が一部再開されました」

「さらに、2020年7月15日より、マカオから広東省へ向かう一定の旅行者は、隔離義務に服する必要がなくなりました。2020年8月12日に中国政府は珠海市居住者へのIVSビザの発行を再開し、中国国内全体のIVSビザの発行は2020年9月23日に再開される予定です」

「これらの発表が、いずれ新型コロナウィルス以前のようなマカオと中国本土間の人の移動の再開につながることに当社は期待を寄せています」

「最近の前向きな動向に勇気づけられる一方、当社の従業員、お客様そして私たちが事業を行っているコミュニティの安全と健康は引き続き当社の最優先事項であり続けます」

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