ゲンティン・シンガポール第2四半期収益94%減、壊滅的な影響と語る

JaIR編集部

 ゲンティン・シンガポールは、8月6日、第2四半期決算発表を行い、カジノを閉鎖していたリゾート・ワールド・セントーサ(RWS)でのゲーミング収益が650万シンガポールドル(約5.7億円)となり、前年比99%減と落ち込んだ。グループ全体収益は94%減の4,130万シンガポールドル(約31.8億円)で、世界的パンデミックによる「壊滅的な影響の結果」であったと報告した。純損失は1億6,330万シンガポールドル(約126億円)で、シンガポールで統合型リゾート(IR)を開業して以来、最も悪い第2四半期結果となった。

第2四半期の大半は休業を余儀なくされたリゾート・ワールド・セントーサ
 シンガポールでは、新型コロナウィルスの影響により、国内2か所のカジノを4月6日から7月1日まで閉鎖していた。6月19日に非ゲーミング一部施設を再開。RWSでは、6月19日に一部レストランを再開し、その後、7月1日にカジノを再開、7月17日にホテルを再開した。

 ゲンティン・シンガポールは、「グローバルな新型コロナウィルスのパンデミックは、世界の旅行および観光業界に大きな混乱を引き起こしている」と述べ、「観光が当グループの事業の主要な推進力であり、当社の事業と財務実績は深刻な影響を受けた」と語った。

 第2四半期発表を前に、7月15日、同社は観光業の苦境の中でスタッフの解雇を実行すると発表。管理職給与も30%削減するなど、コスト削減を図っていると述べた。第2四半期報告では、「給与の合理化やその他の生産性向上策を含む一連のコスト抑制策を迅速に実施したにもかかわらず、2020年第2四半期の一時的な閉鎖期間中にほぼ収益ゼロを被った影響は壊滅的だった」とコメントした。

 現在、シンガポール政府主導で国内の観光宿泊需要を喚起する「ステイケーション」施策が実施され、セントーサ島での推進が行われている。また同社は「シンガポールがパンデミックからの復興に向けて慎重に進む中、私たちは当局と緊密に協力して、45億シンガポールドル(約3,468億円)の拡張計画(『RWS 2.0』)に取り組んでおり、シンガポールの観光の中心となるようIRを変革している」とコメントした。

 しかし、IRがコロナ禍以前の経営状態に戻るには、国外観光客の回復が不可欠である。「今年の残りの期間、世界的な旅行は依然として非常に制限されているため、グループは全体的な財務実績について悲観的なままだ」とし、厳しい見通しであることを述べた。

 ゲンティン・シンガポールは、横浜IRへの参入意思を示しているが、今回の第2四半期報告では、日本や横浜に対する言及はなかった。


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