シンガポール、7月1日にカジノ再開

JaIR編集部

 シンガポール政府は、6月28日、エンターテイメント関連の13施設の営業再開を許可することを発表した。再開する13施設にはカジノ2か所が含まれ、マリーナベイ・サンズ、ワールド・リゾート・セントーサでは、7月1日からカジノを再開する。

 新型コロナウィルス感染拡大の影響により、両カジノは4月7日から閉鎖されていた。6月2日にサーキット・ブレーカー(部分的都市封鎖)が解除、6月19日にフェーズ2に移行していたが、フェーズ2から2週間弱で、カジノの営業が認められた。再開には、顧客とスタッフ向けの安全管理対策の実施が必須とされ、各施設は通商産業省(MTI)の承認を受けることになる。

カジノが再開となるマリーナベイ・サンズ
 

マリーナベイ・サンズは、カジノ、展望デッキ、ミュージアムの営業を再開

 マリーナベイ・サンズ(MBS)からの発表によると、再開後のカジノ入場には制限を設け、サンズ・リワード・クラブの会員でゴールド以上のステータス、あるいは、既存の年間課税ホルダーで、70歳未満の顧客を入場対象とする。また、カジノ以外の施設としては、ホテル屋上の「サンズ・スカイパーク展望デッキ」、チームラボによる常設のデジタルアートで人気の「アート・サイエンス・ミュージアム」も再開する。

 MBSのリゾート運営担当上級副社長のポール・タウン氏は、「私たちは、以前(6月19日)に一部の事業を再開したが、より多くの施設を再開するにあたり、初期段階のアクセスを制限して、引き続き、慎重なアプローチを採用する。新型コロナウィルスの全体的な状況としては、制限は徐々に緩和される可能性がある」とコメントしている。

 MBSのカジノ内での新型コロナウィルス対策については、「当カジノは、厳格な安全管理対策を順守する。各テーブルの客数には制限を設け、電子ゲーミング機とスロットは少なくとも1メートル離す。安全距離アンバサダーを配置して、傍観者がいないことを確認する。顧客対応スタッフは、マスクとフェイスシールドを着用し、シフトの前後に手を消毒する」とある。「安全距離アンバサダー」が約800人、「安全管理責任者」スタッフは250人、合計1,000人以上の体制で、ゲームエリアに傍観者がいないことや、リゾートのスタッフが安全対策を遵守していることを厳しくチェックする。
 
 ゲームテーブルなど接触の多い場所や設備は頻繁に掃除され、消毒ステーションがゲームフロア全体に800以上配置される。テーブルとハイタッチエリア、チップを含むゲームピット、家具、備品やゲーム機の消毒は定期的に実施される。ゲストは施設全体に入場するために検温を受け、フェーズ2ですでに導入されているMBSの追跡システムにも登録する必要がある。


 

セントーサでは、カジノ、ユニバーサル・スタジオ、水族館が営業再開

 もう一方のIR、ワールド・リゾート・セントーサ(RWS)を運営するゲンティン・シンガポールのプレスリリースによると、7月1日からカジノと「ユニバーサル・スタジオ・ シンガポール」が再開、7月4日から「シー・アクアリウム」が再開となる。

 ゲンティン・シンガポールは感染症対策に関して、「『G Clean1対策』を強化し、シンガポール政府の指示に従って、リゾート全体で厳格な安全管理プロトコルを導入し、確信と保証をもって提供する。安全な入場、安全な体験、安全な環境の3つの原則に基づいて、ゲストが到着した瞬間から旅のすべてのステップを確実に守ることを目的とする」とコメント。「カジノの安全な再開に向けて、RWSは医療専門家と協力して、新しい安全対策を導入する」と述べた。

 具体的には、「商業施設の基準を満たす最適な空気の質を維持するため、できるだけ多くの新鮮な空気を循環させる」とし、その他には、「フェイスマスク義務化、ゲーミングテーブルごとのプレイヤー数の制限、全てのゲーミングテーブルとゲーミングマシンに設置された抗菌コーティングされたアクリル製の『安全シールド』設置による顧客とディーラーの保護」などを挙げている。

ワールド・リゾート・セントーサ

 そのほかMBSとWRS以外に営業再開許可の下りた観光施設としては、「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」のフラワードーム、ジュロン・バード・パーク、リバー・サファリ、シンガポール動物園、マダムタッソー蝋人形館、ゼロ・レイテンシー(VRゲーム施設)、バウンス(トランポリン施設)がある。

 シンガポール政府は、サーキットブレーカーの出口の第3段階について、「Covid-19 の効果的なワクチンや治療法が開発されるまで」とし、公共交通機関の利用者にフェイスマスクの着用を義務付けるなど、「安全な距離を保つ」ことを特徴とする「新しい通常」が適用されると述べた。



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