大人の夢の国、ラスベガス屈指の統合リゾート「シーザーズパレス」を満喫 (3/3)

柳谷智宣

 

和のホスピタリティとセレブシェフの皿を堪能できるNOBU HOTEL

 シーザーズ・パレスには、ラスベガス初のHotel in Hotelとなった「NOBU HOTEL」も入っている。    巨大なホテルの中に別ブランドのホテルが入ることはラスベガスでもまだ珍しい。その名からもわかるように、ここは世界中のグルメが注目するセレブシェフNOBU氏のホテルだ。NOBUこと松久信幸氏は、俳優のロバート・デ・ニーロ氏と手を組み、世界中にレストランやホテルを展開している。

 NOBU HOTELは2013年2月にオープンし、自然の素材を多く取り入れ、和風というかアジア風のデザインで、くつろげる空間を用意している。部屋はそこまで広くないが、日本人にはちょうどいい感じか。アメニティが充実しており、高級ホテルでもしょぼいスリッパがあるかどうかというところに、ふわふわ生地の草履が用意されているのがありがたいところ。

 こんな高級ホテルで果たして自分で洗濯する人がいるのかどうかわからないが、使い勝手を考え、洗面台はとても深いタイプが採用されている。シャワールームは広く、見学した部屋には大きなバスタブも備えられていた。ちなみに、トイレには日本製のウォッシュレットが搭載されており、これはアメリカでは珍しいことだという。


NOBU HOTELのスイートルーム

アメニティには力を入れている


広いバスルームではリラックスできそう

 ここにもヴィラがある。Nobu Villaは、初日に「祝令和:日本の新時代を祝う会」を開催した会場だ。シーザーズ・パレスで唯一の屋上にあるヴィラで、寝室は3つ。巨大なベッドを配置した主寝室をはじめ、遊技場からダイニングまで備えている。レモンジンジャーのアロマが漂っており、リラックスできる雰囲気だ。

 スカイデッキは、普通に100人以上がパーティーをしても余裕の広さがあり、セレブはこうやって遊んでるのか~と遠い目をするしかない。お値段1泊3万5000ドルとのこと。


ヴィラにはビリヤード台がお約束のよう


シックなデザインだが、贅沢なつくり


広大なスカイデッキも利用できる。食事は、ノブ・レストランから取り寄せられる


快適そうな主寝室


今まで見た中で最高に贅沢なバスルーム

 もちろん、目玉はNOBU氏が手掛ける「ノブ・レストラン」だ。アメリカ、ヨーロッパをはじめ、アジア、アフリカ、地中海沿岸、南米にも展開。もちろん、東京にも出店している。ラスベガス店はその中でも世界最大規模で、ダイニングエリアの広さは1040㎡で、寿司バーやダイニングエリア、バーなどを隣接している。

 実際に、お食事をいただきながらNOBU氏本人にお話を伺うことができた。まず出てきたのは、4種類の日本酒のフライト。新潟県佐渡市で作っている「北雪」というお酒で、大吟醸や鬼殺し、遠心分離を使った銘柄などを、料理に合わせて提供しているという。ウェイトレスさんが、日本酒の精米歩合や口当たりを英語できちんと説明し、ワインに例えて味わいを表現してくれるのに感動した。

 そのうちの一つは、10年間寝かせたうえ、その間喜多郎の音楽を聞かせていたという。実は、振動を与えるとお酒が美味しくするのだ。筆者も海底熟成ウイスキーの販売を手掛けているが、同じ理論。もちろん、とてもまろやかで美味しかった。

「世界中の美食家を惹きつけているためには、どういうところに注力しているのか?」と質問。ここは飲食店経営者としては、ぜひ聞きたいところだったのだ。

「僕はベースはアメリカですが、今でも年間10か月間くらい旅をしています。基本的には、食材を非常に大事にしています。あくまでもベースは日本の料理ですけども、やはり日本と違った食文化があるので、海外の方が入りやすく、どんなお客様が来られても対応できるメニューコンセプトにしています。

 世界中がそうですが、サービスも重要です。お客様に質問されたことに対しては、スタッフみんな答えられるようなトレーニングをしています。お客様は美味しい料理といいサービスがあると、居心地がよくなります。そこから世界中そういうコンセプトでやっています」とNOBU氏。

 日本酒はフルーティで甘めの口当たり。筆者は辛口が好みだが、とても美味しくいただけたし、さすが料理との相性も抜群だった。ギンダラの西京焼きと日本酒をラスベガスで味わうことになるとは思わなかったが、こちらも最高。

「お店って広げていくことは簡単なんです。開けたお店を一つ一つ作り上げていくことが大事」と事もなげに言ってのけるNOBU氏だが、広げる段階でもたついている筆者にとってはしびれるばかりだった。


NOBU氏の料理を楽しみながら、本人に取材できるなんて贅沢すぎる時間だった

最高に美味しい、ノブの料理を堪能。照明が暗めなので写真写りが悪いのはご勘弁いただきたい


定番メニューの一つ、銀ダラの西京焼き


最高級のエンタテイナーの超一流パフォーマンスを堪能

 ディナーの後は、マジックショーを楽しんだ。ラスベガスといえばショー。世界中から選ばれた最高峰のエンターテイナーが超一流のパフォーマンスを見せてくれる。筆者もラスベガスに来るたびにいろいろと見てきたが、クリス エンジェルの「マインドフリーク ライブ」は初めて。数年前まではちょっと微妙な感じのイメージがあったのだが、今は飛ぶ鳥を落とす勢いなので楽しみだ。

 会場に着くととても盛り上がっている。荷物検査の後、中に入るとなぜか裏側に案内される。なんと、開演15分くらい前というタイミングなのに、クリス エンジェル本人と会えるという。少し話して、一緒に撮影させてもらうという機会に恵まれた。もちろん、演出しているのだろうが、すごいオーラでカリスマ感が凄かった。

 内容を書くのは控えるが、すさまじいテンションでショーが続く。畳みかけるように最高峰のマジックが披露され、とにかく派手。他のマジックショーもたくさん見ているが、断トツに暴れている。マジックそのものというより、総合的な舞台を鑑賞する感じだった。盛り上がりたいならイチオシだ。

 その後は解散となったのだが、まったく呑み足りないので、シーザーズパレス内のバーやラウンジをはしご。海外だと遅い時間に飲み歩くところを見つけるだけでも一苦労だが、IRのホテル内であればどこかにあるし、しかも安全なのでありがたい。

 シガーバーの「Montecristo Lounge」は落ち着いた雰囲気で、シガーやブランデーメニューも充実しており、遅くまで飲み明かした。プレスリーの曲ではないが、ラスベガス万歳という気分。Wi-Fi環境も充実しているし、部屋には作業デスクもある。何とかライター仕事もできそうだし……とシーザーズ・パレスに住みつけないか妄想が膨らんでいった。

 後半ではIRを支える柱であるビジネス施設のMICEや世界最大の観覧車「ハイローラー」、セリーヌ・ディオンが16年間歌ってきた「コロシアム」、FOXが制作するテレビ番組「ゴードン・ラムゼイ・ヘルズキッチン」でおなじみの美食レストラン「ヘルズキッチン」、ラスベガス最大となる食の祭典のメインイベント「グランド・テイスティング」、ラスベガスでもっとも熱いクラブの一つである「OMNIA Nightclub」などを紹介する。

■関連サイト 
シーザーズ・エンターテインメント
https://www.caesars.co.jp/