大阪府・市と長崎県、IRの整備計画を国に認定申請

JaIR編集部

 大阪府・市と長崎県はIRの区域整備計画を国に認定申請したと発表した。長崎県は26日、大阪府・市は27日に認定申請を発表している。国の有識者会議の認定を経て、早ければ2020年代の後半にはIR開業の見込みとなっている。

 大阪府・市のIR計画は大阪湾の夢洲の一部を敷地とし、ホテルやMICE施設、カジノなどを整備する。初期投資額は約1兆8000億円で、年間の来場者数は約2000万人、売上は約5200億円を見込んでいる。MGMとオリックスのコンソーシアムを事業者として認定しており、少数株主である20社とあわせて出資された「大阪IR株式会社」が運営にあたる。

 開業時期はもっとも早い進捗で2029年秋から冬頃を見込んでいるが、コロナウイルスの感染動向、夢洲特有の地盤性状への対応状況、IRの税法上の取り扱いやカジノ規制の整備など不確定な要素が多く、1~3年ずれ込むこともあり得るという。
夢洲の大阪IR
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 一方の長崎県は佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」の一部を敷地とし、ホテル、MICE施設、カジノなどを整備する。初期投資額は約3500億円で、年間の来場者数は約840万人を想定しており、開業5年目の年間売上を約2715億円と見込んでいる。事業者はCASINOS AUSTRIA INTERNATIONAL(カジノ・オーストリア)で、同社を中心に構成された「KYUSHUリゾーツジャパン株式会社」が運営にあたる。開業は最短で2027年中頃を予定している。
九州・長崎IRのイメージパース
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 大阪府・市、長崎県とともに誘致活動を進めてきた和歌山県は、4月20日に県議会がIR計画を否決したことで、認定申請は断念。最大3箇所の設置を前提に進められてきたIRの誘致活動は、今回の認定申請で一つの区切りを迎えることになる。