【海外版・8/25~8/31 IR記事まとめ】シルク・ドゥ・ソレイユのビートルズ「LOVE」が再開 今秋にラスベガスショー全再開を目指す

JaIR編集部

 JaIRがお届けする海外版・IRニュースまとめでは1週間分の海外のIR関連記事をまとめ、毎週お届けしています(掲出日は現地時間)。今回は8月25日(水)~8月31日(火)までのIR関連記事。出典サイトは記事の文末にまとめて記載していますが、各社のSNSも情報ソースとしています。なお、1ドル=110円、1マカオパタカ=13円、1マレーシアリンギット=26円換算です。

2021年8月31日(火)

【アメリカ】NFLがBetMGM、WynnBET など4社を公認スポーツブックとして採用

NFL taps BetMGM, FOX Bet, WynnBET and PointsBet as approved sportsbooks
https://www.yogonet.com/international/noticias/2021/08/31/59057-nfl-taps-betmgm-fox-bet-wynnbet-and-pointsbet-as-approved-sportsbooks

アメリカのナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は、BetMGM、FOX Bet、PointsBet、WynnBetの4社と合意に達し、2021年のNFLシーズンに向けて公認スポーツブック事業者として採用することを発表した。4社のオペレーターは、試合中のCM、その他のNFLに関するメディアに対し購入権を得た事になる。

なお、すでにNFLと「独占的」パートナーとして5年契約を結んでいる、シーザーズ社、ドラフトキング社、ファンデュエル社は、NFLのメディア内にコンテンツを盛り込む権利を有する。今回発表された4社とは明確に異なり、初期の3社は「オフィシャル・スポーツ・ベッティング・パートナー」となる。

今回の発表は、NFLが数年前まで抱いていたベッティングを禁止する姿勢から、より寛容な姿勢へ移行していることをさらに強調したと伝えられている。


【マカオ】9月1日より中国からの航空便も検疫緩和を適応

Macau to ease Covid test on mainland air arrivals Sept 1
https://www.ggrasia.com/macau-to-ease-covid-test-on-mainland-air-arrivals-sept-1/

マカオ当局は、9月1日より、中国本土からの直行便でマカオに入国する人に掲示を必要としている、Covid-19「陰性」であることを証明する核酸検査証明書について48時間以内の発行ではなく7日以内で有効とし緩和する。この措置は、マカオから中国各地へ直行便を利用して出国する人にも適用されるが、中国側の都市によっては48時間以内発行という制限がつけられる場合もあるとしている。


【カンボジア】ナガコープ社 772万ドル(約8.5億円)の損失 上半期中、カンボジアのカジノ施設閉鎖が影響

NagaCorp US$77mln loss as Cambodia casino closed most 1H
https://www.ggrasia.com/nagacorp-us77mln-loss-as-cambodia-casino-closed-most-1h/

主にカンボジアでのカジノ開発・運営を行う、香港企業のナガコープ社は、前年同期の2,060万ドル(約22.7億円)の利益報告から一転し、今年の上半期は772万ドル(約8.5億円)の損失となったことを報告した。同社は「2021年3月2日以降、カンボジアで発生したCovid-19による各事業を停止したことによる影響を反映している」とコメントしている。同社はカンボジアの首都、プノンペンのカジノライセンスを長期保有しており、ロシアでも開発プロジェクトを進めている。

同社のカンボジアのカジノ施設「ナガワールド」は現在も閉鎖されたままで、カンボジア観光省は、2021年第4四半期にカンボジアの観光産業を完全にワクチン接種を完了した観光客に再開する方針で取り組んでいるという。


2021年8月30日(月)

【マカオ】マカオ‐珠海(中国広東省)の新しい国境検問所 9月8日にオープン、24時間体制

New 24-hr Macau-Zhuhai border checkpoint open Sept 8
https://www.ggrasia.com/new-24-hr-macau-zhuhai-border-checkpoint-open-sept-8/

マカオ政府は、マカオ北部地区と中国広東省の珠海市を結ぶ24時間体制の新しい国境検問所、青茂口岸(Qingmao Check point)を9月8日にオープンする。2020年に開通する予定であったが延期されていた。

マカオ統計局の最新データによると、マカオの今年1~7月の入国者数は約472万人のうち約345万人が既存の拱北口岸国境ゲート(Gongbei Control Point)を経由してマカオを訪れている。今回の新しい検問所は、この国境ゲートから少し離れた場所にあり、オーバーフローを解消するように設計されている。1日あたり最大20万人に対応することが可能だ。また、新しい青茂口岸の珠海側には、中国の高速鉄道システム(MRT)である、広州‐珠海都市間鉄道の支線が通っており、建設は最終段階に入っているという。
24時間体制の新しい国境検問所は中国広東省とマカオを結ぶ新しい窓口となる 

【日本】長崎IR カジノ・オーストリアと基本協定締結

Nagasaki signs master agreement with Casinos Austria
https://www.agbrief.com/nagasaki-signs-master-agreement-with-casinos-austria/

長崎県は令和3年8月30日付けで、カジノ・オーストリア・インターナショナル・ジャンパン(CAIJ)との間で基本協定を締結し、正式に九州・長崎特定複合観光施設設置運営事業予定者として決定した。同社は高級ホテル(ハイアットホテルグループが参加)をはじめ、カジノや宿泊施設、MICE施設(会議・展示場)、複合エンターテイメント施設を、長崎のハウステンボスに併設する予定だ。

カジノ・オーストリア(CA)のCEOであるベッティーナ・グラッツ‐クレムスナー(Bettina Glatz-Kremsner)氏は「日本でのライセンス獲得へのプロセスにおけるこのマイルストーンを通過したことで、カジノ・オーストリア・インターナショナルは、海外での評価の高さを改めて証明しました。数年にもわたる(コロナ禍による社内の)リストラの後、CAIは再び軌道に乗りました。同社のこのような複雑なプロジェクトの開発・運営におけるノウハウや専門性は、素晴らしいものです」とコメントしている。

長崎県は、今後国の区域整備計画認定申請の受付期間である来春4月28日までに申請を行う。

■関連記事
長崎県がカジノ・オーストリアと基本協定を締結 総事業費は3500億円(JaIR編集部)
https://jair.report/article/704/


2021年8月27日(金)

【ラスベガス】7月に330万人訪問者を記録、パンデミックからはまだ回復していない

Las Vegas sees 3.3 million visitors in July, but still not recovered from COVID-19 pandemic
https://www.fox5vegas.com/news/local/las-vegas-sees-3-3-million-visitors-in-july-but-still-not-recovered-from-covid/article_0e56a086-0739-11ec-a423-dfcea8bfa683.html

ラスベガス観光局の発表によると、7月の訪問者数は330万人を超えた。先月より11%多い訪問者数となり、2020年3月以来(Covid-19パンデミック以降)最高の訪問者数となった。しかしパンデミック前の数字、2019年と比較した前年比では訪問者数はまだ10.4%減少している状況だ。
ラスベガス経済回復の勢いは順調であるが、各観光産業比較でも2019年には及んでいない
■July 2021 Executive Summary
https://www.lvcva.com/research/visitor-statistics/


【ラスベガス】シルク・ドゥ・ソレイユのショー、ビートルズ「LOVE」ラスベガスに凱旋

https://www.prnewswire.com/news-releases/the-beatles-love-by-cirque-du-soleil-welcomed-back-to-the-mirage-hotel--casino-by-sold-out-audience-aug-26-301364314.html

ラスベガスのMGMリゾーツのミラージュ・ホテル&カジノでは、シルク・ドゥ・ソレイユの「The Beatles Love(ザ・ビートルズ・ラブ)」が約17ヶ月の中断期間を経て公演再開し、初日の会場は満員となった。

シルク・ドゥ・ソレイユの上級副社長である、エリック・グリリー氏は「LOVEの待望の再演が圧倒的な熱気と興奮をもって迎えられたことは、私たちが待ち望んでいた夢でした。私たちは、再び毎日パフォーマンスを行い、シルク・ドゥ・ソレイユとして知られるワールドクラスの体験を提供し続けることができることを光栄に思います」とコメントした。

シルク・ドゥ・ソレイユの作品であり、アップル・コープス・リミテッド、MGMリゾーツとの共同制作である「LOVE」は、ビートルズの楽曲を讃える内容で、これまでに1,000万人以上の観客を動員して、グラミー賞を3回受賞しているタイトルである。シルク・ドゥ・ソレイユの最も愛されている作品の一つとして「LOVE」の公演は、今年15周年を迎える。

シルク・ドゥ・ソレイユはこれまでにラスベガスのショーのうち「Michael Jackson's One(マイケル・ジャクソン・ワン)」「Mystere(ミスティア)」「O(オー)」「The Beatles Love(ザ・ビートルズ・ラブ)」を再開した。Covid-19に慎重な姿勢を見せつつも、10月から11月には、MGMグランドでの「KA(カー)」の公演再開を予定しており、今秋にはコロナ以前に行っていたラスベガスのすべての公演を再開する見通しだ。
今年15周年を迎える「The Beatles Love(ザ・ビートルズ・ラブ)」は17カ月ぶりに公演再開
■Cirque du Soleil Entertainment Group
https://www.cirquedusoleilentertainmentgroup.com

■Cirque pumps the brakes on ‘Ka’ return at MGM Grand
https://www.reviewjournal.com/entertainment/entertainment-columns/kats/cirque-pumps-the-brakes-on-ka-return-at-mgm-grand-2413693/


【アメリカ】アリゾナ州のスポーツ・ベッティング・ライセンス 10部族と8スポーツチームが取得

https://www.reviewjournal.com/business/casinos-gaming/10-tribes-eight-sports-teams-get-arizona-sports-betting-licenses-2428628/

アリゾナ州ゲーミング局は、プロ・スポーツチームとそのスポーツ・ベッティング・パートナー、および地元の部族にスポーツ・ベッティング・ライセンスを与えることを発表した。同州はNFL(プロ・アメリカンフットボール・リーグ)シーズンの初日である9月9日から各種サービスを開始する。

10部族と10スポーツ団体がライセンスを申請したうち18者が承認された。ラスベガス拠点のカジノ企業との連携も顕著で、サン・カルロス・リザベーション部族はWynnBETと提携、アリゾナ・カーディナルス(NFLフットボール チーム)はBetMGMと提携するなど、大規模にサービス開始される見込みだ。アリゾナ州に住む米国民のおよそ28万人が新たにベッティングに参加すると推定されている。

■Have app, will gamble: Arizona online sports betting sites open registration Saturday
https://cronkitenews.azpbs.org/2021/08/27/have-app-will-gamble-arizona-online-sports-betting-sites-open-registration-saturday/


【アメリカ】モヒガン・ゲーミング、オンライン・マーケティング担当副社長にクリスティ・セント・マーティン氏を任命

Mohegan Gaming appoints Christie St. Martin as VP of Online Marketing
https://www.yogonet.com/international/noticias/2021/08/27/59021-mohegan-gaming-appoints-christie-st-martin-as-vp-of-online-marketing

モヒガン・ゲーミング&エンターテイメント(MGE)は同社のiGaming(オンライン・ベッティング)マーケティング戦略を実行・主導し、成長中のマーケティングチームを指揮する役職に、新しくクリスティ・セント・マーティン氏を任命した。

同氏はこれまでにQueens.ggという、女性に特化したゲームライフスタイル企業のCCOを務めており女性のゲーミング・プレイヤー、コンテンツクリエーター、ストリーマーに対し、ゲームやeスポーツで持続的なキャリアを築くためのサービス提供をしてきた。また、ゲーミング・プレイヤー個人へリーチする企業、Gamers.Vote社においてCEOを務めた。その他にも、JPモルガン・チェース、Twitch(Amazonが提供するライブストリーミング配信)、Comcast Facebookなどで、ソーシャル、デジタル、体験型のコンテンツ戦略を開発、導入してきた経歴の人物である。


【マカオ】マカオの第2四半期GDP ゲーミング輸出が対前年同期比での回復に貢献

Gaming exports aid Macau return to y-o-y GDP growth in 2Q
https://www.ggrasia.com/gaming-exports-aid-macau-return-to-y-o-y-gdp-growth-in-2q/

マカオ市の統計・国勢調査局のデータによると、2021年第2四半期(4~6月)のマカオの国内総生産(GDP)は、前年同期比で69.5%増となり回復した。輸出は前年同期比5~6倍%増で、そのうちゲーミングサービスは11倍弱、その他の観光サービスは13倍と急増した。同市政府は、パンデミックが「抑制されている」ことから、第2四半期の外需の回復はGDP成長に寄与したと報告している。


【マレーシア】 ゲンティン・マレーシア、第2四半期の損失8300万ドル(約91億円)に縮小

Malaysia narrows 2Q loss to US$83mln
https://www.ggrasia.com/genting-malaysia-narrows-2q-loss-to-us83mln/

マレーシアの世界的カジノ事業者であるゲンティン・マレーシア社は、第2四半期と上半期の損失について、それぞれ前年同期比で縮小したと発表した。

第2四半期の損失は、前年同期の9億40万MYR(マレーシアリンギット)(約239億円)から3億4810万MYR(約92億円)に縮小しており、2021年上半期の損失も、2020年上半期の13億2,000万MYR(約350億円)から8億3,170万MYR(約221億円)に縮小した。

同グループは2020年上半期を通じてCovid-19パンデミックによる「深刻な影響」に直面し、「世界中のリゾート事業において一時的な閉鎖」を余儀なくされたと記している。同社はゲンティン ・マレーシアの他にも複数の子会社を通じて(シンガポール、)アメリカ、バハマ、イギリス、エジプト等でもカジノ営業をしている。

ゲンティン・マレーシア社は、業績に関するハイライトの中で、アメリカ事業は「Covid-19規制の緩和に伴い、引き続き改善された収益を記録している」と述べた。また、イギリスも「好評を得て」営業を再開したと伝えている。同時に、現在の「マレーシアでのリゾート事業の一時的な閉鎖はグループの回復を遅らせる」と指摘した。同社のマレーシアの施設は5月31日より現在に至るまで閉鎖が続いている。アメリカの格付け機関S&P(エス アンド ピー)は、アジアの回復の遅れを指摘して同社を「BBB」から「BBB-」に格下げた。

■S&P downgrades Genting on slow recovery in Asia
https://www.ggrasia.com/sp-downgrades-genting-on-slow-recovery-prospects-in-asia/


2021年8月25日(水)

【中国】広東省、旅行規制を緩和

Guangdong eases restrictions for outbound trips
https://www.ggrasia.com/guangdong-eases-restrictions-for-outbound-trips/

中国広東省の当局は、国内外へ旅行するための旅行関連規制を緩和した。これは、中国国内でCovid-19感染リスクが「中」または「高」とされている場所が減少し続けていることを受けての措置となる。

広東省文化観光局は、同省で営業する旅行会社(オンライン旅行会社を含む)に対して、中国の各省と広東省地域との旅行に関する「航空券+ホテル宿泊」のパッケージやツアーパッケージの販売再開を許可した。中・高リスクリストに入っている江蘇省、河南省、湖北省、雲南省など48カ所(現時点)発着のツアーを除くとしているが、中国各地からマカオ入国への(空便での)入り口となる珠海空港エリアは「低リスク」として規制緩和に分類されている。

マカオにとって中国は現在、ほぼ検疫のない旅行手配が可能な唯一の場所である。


【韓国】韓国政府、カンウォン・ランド(江原ランド)のライセンス延長を承認

S. Korea govt nods extension of Kangwon Land licence
https://www.ggrasia.com/s-korea-govt-nods-extension-of-kangwon-land-licence/

韓国政府は、国内で唯一、国民が利用できるカジノを運営するカンウォン・ランド(江原ランド)のゲーミング・ライセンスを20年間延長し、2045年までとすることを閣議で決定した。運営許可にあたり、政府により多くの税金を納める内容となる法律改正も行われた。

同社は、現在、政府に対し税引前利益の25%を支払う取り決めとなっているが、この改正後はゲーム総収入の13%を韓国の廃鉱基金に拠出することになる。同施設は、ソウルから車で3時間の韓国の高地にある廃鉱地域に位置しており、税は廃鉱地域の開発支援に関する特別法に関連している。

地元メディアの「Chosun Biz」によると政府はカンウォン・ランド(江原ランド)からの税収を年間約2,080億ウォン(約198億円)と見積もっており、同社が現在毎年支払っている額から43%増となる。税収は、延長ライセンスの期間中、約5兆ウォン(約4,762億円)に相当するという。

<出典サイト>
Las Vegas Review-Journal
https://www.reviewjournal.com/

Yogonet
https://www.yogonet.com/international/

GGRAsia
http://www.ggrasia.com/

Asia Gaming Brief
https://www.agbrief.com/

Cirque du Soleil Entertainment Group
https://www.cirquedusoleilentertainmentgroup.com