<IR用語集・基礎知識> 特定複合観光施設区域

JaIR編集部

IR整備法では、特定複合観光施設区域とはカジノ施設に加えて、いわゆるMICEにあたる①国際会議場施設、②国際的な規模の展示会・見本市を開催する施設、③日本の観光の魅力を増進する施設、④日本各地の観光情報を提供し観光客の送客や宿泊などを一元的に行う施設、⑤高度化した需要や多様化に対応した宿泊施設といった、計5種類の施設を統合した”一群の区域”のことを言い、民間事業者によって一体として設置され、運営されるものと定義されている。

2019年3月に閣議決定された「特定複合観光施設区域整備法施行令」(IR整備法施行令)で、IR整備法において政令で定めることとされている58項目のうち、50項目が措置されており、MICE施設(国際会議場および展示場)、宿泊施設、魅力増進施設等の中核施設の要件等が、以下のように同年4月1日に施行された。

・国際会議場(第1条)
最大の国際会議室の収容人数が1,000人以上。それ以外の中小の国際会議室の収容人数の合計が最大の国際会議場の2倍以上であることとする。

・展示等施設(第2条)
最大国際会議室の収容能力に応じ、展示会、見本市その他の催しの用の施設の床面積の合計は、以下の3パターンの面積以上であることとする。
①会議室の収容人数が1,000人以上3,000人未満=展示場の広さは12万平方メートル以上
②会議室の収容人数が3,000人以上6,000人未満=展示場の広さは6万平方メートル以上
③会議室の収容人数が6,000人以上=展示場の広さは2万平方メートル以上

・魅力増進施設(第3条) 
我が国の観光の魅力の増進に資する劇場、演芸場、音楽堂、競技場、映画館、博物館、美術館、レストランそのほかの施設

・送客施設(第4条)
ショーケース機能、コンシェルジュ機能、多言語対応機能、充分な施設規模

・宿泊施設(第5条) 
全ての客室の床面積の合計がおおむね10万平方メートル以上であること。また、以下の3点で、国内外の宿泊施設の実情を踏まえ、利用者の需要の高度化及び多様化に適切なものであること。
①客室のうち最小の床面積の規模
②独立区画で、それぞれ一つ以上の居間及び寝室を有する客室「スイートルーム」のうち最小のものの床面積の規模
③客室の総数に占めるスイートルームの割合

・カジノ施設(第6条)
カジノ事業の床面積の上限は、IR施設の床面積の合計の3%とする。