<IR用語集・基礎知識> ジョイント・ベンチャー(JV)

JaIR編集部

ジョイント・ベンチャーとは、一般的に、複数の企業がお互いに出資し、新しい会社を立ち上げて事業を行うことを差す。JV、共同企業体、合弁会社、合弁企業とも呼ばれる。なお、企業同士ではなく、官民で組む例もある。
 
ジョイント・ベンチャーは買収・合併(M&A)と提携(アライアンス)の中間に位置する。M&Aは、企業への影響力が最も強く、解消は困難で強固なシナジー効果(相乗作用)をもたらすが、同じ企業になるため多くの調整が必要となる。アライアンスは、資本提供がなく気軽にスピーディに開始できるが、解消も容易である。その点、ジョイント・ベンチャーは出資を伴うため、出資する企業は事業成功に向けて義務が生じ、解消は容易でないが、M&Aに比べると柔軟性があり、解消の余地も残るので、M&Aとアライアンス両方の利点を採った形態と言える。
 
IR開発において、コンソーシアム参加企業は、IR運営を行うジョイント・ベンチャーを設立する。参画する複数の企業が、既に形成された経営資産を提供し合うため、新規に経営資産を構築する必要が無く、即効性がある。設立運営にあたっては、戦略の整合性、企業文化の融合、ガバナンス(企業統治)、出資に応じた利益配分やリスク負担方法等が課題となる。