大阪府・大阪市IR推進局がRFP提出スケジュールを当面延期

JaIR編集委員・玉置泰紀

 大阪府・大阪市IR推進局は6月23日、令和2年(2020年)7月頃としていた提案審査書類(RFP)の提出期限について、「現時点において国の基本方針が策定されていない」ことと、「新型コロナウイルス感染症の影響を見極めていく必要があること」等を踏まえて、「当面の間延長する」ことを発表した。

 また、具体的な提案審査書類の提出期限については、国の基本方針の策定後に、「その内容及び新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえ」決定する、としている。

「大阪基本構想」のイメージ
 

松井市長は「半年は伸ばさないといけない」と発言

  大阪市の松井市長は6月4日の定例記者会見で、記者から「~提案書類の書類提出期限は7月頃を予定していましたが、ここの期限は変わらないということなんでしょうか」と聞かれ、「当面、半年は延ばさないかんでしょうね」と答えている。

 同じ会見の中で、松井市長は、来年の1~7月に予定されている国の認定申請の受付期間についても、「国の申請期間も、これはちょっと延長されるというか、国の方も今そういう検討してると思いますよ」と指摘。

 大阪府市のIRに関して、「基本協定を取りまとめるのに、まず1年遅れるぐらいの話になってきてますので、全体的に1年から2年程度先送りということになるんじゃないかと、こう思ってると」と見込みを話していたが、まずは、直近に迫っている提案審査書類の提出期限を、時期を明示しないで、延期発表をしたわけだ。

 いずれにせよ、国の基本方針の策定・公布のIR整備法での期限である7月26日を見据えながら、発表内容に応じて、仕切り直したスケジュールを出していくことになる。提出者は、オリックス・MGMコンソーシアムに絞られているが、新型コロナウイルスに直撃された結果、2025年の大阪・関西万博後の開業という事になり、ソサエティ5.0、SDGsを踏まえた万博が切り開く、新しいリスク管理、MICE、観光、インバウンドを提案内容に上書きしていく必要が出てくるだろう。
 

■JaIR関連資料データベース
大阪府・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業に関する提案審査書類の提出期限延長を発表
https://jair.report/archive/295/


■関連記事
大阪のIRは延びるのか?6月4日の松井市長の記者会見を読み解く
https://jair.report/article/334/