マカオのカジノ王、スタンレー・ホー氏が98歳で死去

JaIR編集委員・玉置泰紀

 サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ブルームバーグなどによると、香港、マカオに多数の土地を所有し、35年以上に渡って、マカオのギャンブル業界に君臨してきたスタンレー・ホー氏が5月26日、香港の病院で亡くなった。享年98歳。

 スタンレー氏は4人の妻との間に17人の子供を得たが、現在も3人の妻と14人の子供が健在だ。サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、パンジー・ホー氏は「パパは永遠に人々の心の中にとどまり、私たちの家族は社会に貢献し続けます」と父を偲んでいる。

 スタンレー氏は「ギャンブルの帝王」、「マカオの盟主」、「カジノ王」などと渾名され、娯楽、観光、船舶、不動産、航空、銀行などなど、さまざまなビジネスを展開、パンジーら子供たちと大きな影響力を持った。マカオのギャンブル権を得たのは1961年。同氏のSJMホールディングスは現在、マカオに20のカジノを展開する。特に2008年に建てた「グランド・リスボア」は、蓮の花をイメージした特徴的な建築でマカオを代表するイメージになっている。中国の国政諮問機関、全国政治協商会議委員も務めた。2018年には引退しており、一族に争いが生じたが、2019年にはパンジーが実権を握っている。