ゲンティン・シンガポールが第1四半期の実績を発表 厳しいながらも横浜IRへの意欲を強調

二上葉子

 2020年5月13日(現地時間)、ゲンティン・シンガポールは2020年1~3月四半期の実績概要を発表した。2020年の第1四半期のグループ収益は4億690万ドル(約434.6億円)で、2019年の同四半期と比較し36%減少。また、2020年第1四半期の調整後EBITDAは1億4,690万ドル(約156.9億円)で、前年比で55%減少した。新型コロナウィルスの影響は2020年1月下旬から始まり、期中に悪化した。

 シンガポールでは、4月3日に政府から都市封鎖措置が発表された後、不要不急の事業活動は4月7日から5月4日まで中止が決定し、現時点ではさらに6月1日まで延長となった。感染の状況次第ではさらに期間延長の可能性もある。この政府命令を受けて、ゲンティン・シンガポールのフラグシップIRであるリゾートワールド・セントーサは4月7日から休業しており、同社は「(新型コロナウィルスにより)リゾートワールド・セントーサも深刻な影響を受けており、今後も大きな課題に直面する」と述べた。「営業停止は近い将来も続くと思われ、さらに、社会的距離の確保と制限的な国境規制は中期的な回復を妨げ続ける」とし、「今年の残りの見通しについても悲観的なまま」という見解を示した。
 
 翌四半期の業績からIR休業の影響が直接表れることになるが、業績回復には相当の時間を要する見込みだ。新型コロナウィルスの影響が深刻である一方で、「当社グループは長年にわたり戦略的に強力なバランスシートを構築してきた」とも述べており、ゲンティン・シンガポールの財務体質の良さを強調した。
 
 参入意思を表明している横浜IRに対しては、「当社の長期的な成長戦略において、日本のIRへの投資機会は主要なものであり続ける。現在、横浜市の事業コンセプト募集(RFC)に取り組んでおり、2020年後半に事業提案募集(RFP)が始まると予測している」と言及し、参画には変わらぬ姿勢で臨むことを明言した。
 
 同日には、ラスベガス・サンズが横浜IRから撤退することが明らかとなったが、現在、横浜IRに参入意思のある事業者は、ゲンティン・シンガポールのほか、ギャラクシーエンターテインメントグループ、メルコリゾーツ&エンターテインメント、ウィンリゾーツ、セガサミーホールディングスの5社に絞られた。

■ゲンティン・シンガポール 2020年1月~3月四半期実績報告
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