JaIR編集委員・玉置泰紀
素案の中身は、まず「はじめに」と題して、現状・課題、市の歴史、選ばれるデスティネーション(目的地)へ、という流れでIRの必要性を強調。その上で、横浜IR実現への取組の背景、横浜IRの方向性、IR実現による効果、地域の理解促進・合意形成に向けた取組、スケジュールという項目で詳細を説明している。総ページ数は100ページにおよんでいる。
基本コンセプトは「横浜イノベーションIR」。観光・経済を革新していく起爆剤と位置付けられている。「都市活力の維持」が目的とされており、1859年の開港以来、新しいものを取り入れてきたという横浜の歴史を語りつつ、「都心部強化事業」として、富士山が望めるIR、日本の新しい顔となるシンボリックなリゾートにしたい、そして、この横浜IRを起爆剤に横浜の観光・経済のイノベーションをもたらしていきたい、としている。
経済効果としては、 ・インバウンドを含むIRへの訪問者数 2,000万~4,000万人/年(うち国内観光客割合:66~79%) ・IR区域内での消費額 4,500億~7,400億円/年 ・地域経済 建設時:7,500億 ~ 1兆2,000億円 運営時:6,300億 ~ 1兆円/年 ・雇用創出 運営時:77,000 ~ 127,000人/年 ・地方自治体の増収効果 820億~1,200億円/年 (納付金収入、入場料収入、法人市民税、固定資産税、都市計画税) 【参考】30年度 法人市民税:620億円 を見込んでいる。
今後の想定スケジュールは、2020年度中にIR事業者を選定し、市民意見等を踏まえた区域整備計画を策定。2021年度の前半に横浜市会の議決を経て国に申請する。その結果、区域に認定された場合は、2020年代後半IR開業に向けて手続きを進めるという。 パブリックコメントは2020年3月6日(金)から4月6日(月)までで、郵送、FAX、メールでの応募が可能。4~5月に意見を取りまとめ、素案を修正。6月中にパブリックコメント結果の公表および横浜IRの方向性を策定・公表する。