横浜で開催された統合型リゾート産業展のIRオペレーター講演に登壇したメルコリゾーツ&エンターテインメントジャパン 齊藤 直人氏。コロナウイルスの影響で来日できなかったローレンス・ホーCEOの代役として、一人の日本社員から見たメルコリゾーツ、そして横浜のIRについて語った。
1年半前、アミューズに訪れたメルコリゾーツのローレンス・ホー氏と出会い、マカオにある同社のIRを見学。幹部と交流を深める中で、「この産業はこれからの日本に絶対必要」という確信を得て、メルコリゾーツに入社。ローレンス・ホー氏のビデオを上映した齊藤氏は、まずはパートナーシップについて説明した。
ダーティなイメージの強かったカジノの街マカオにおいて、メルコは洗練されたラグジュアリーなリゾートを実現するIRを作りあげてきた。しかし、メルコリゾーツはマカオのほかにも、マカオ、オーストラリア、キプロスなどでIRを運営しているが、どれもパートナーとの協業なしで事業が成り立たないという。「われわれはIRに関してはプロだが、その土地の事情に関してはプロではない。現地のパートナーと協力して、リゾートを運営してきた」(齊藤氏)と語る。
「メルコリゾーツ=IR」のイメージが強いが、IR以外のリゾートにおいても、日本の観光業を支援する取り組みをすでにスタートしている。昨年はメルコクリエイティブエクスチェンジというファンドを立ち上げ、300億円におよぶ観光投資を発表している。箱根では長期滞在を前提とした温泉リゾートを計画中で、箱根の強羅花壇の近くにすでに土地を取得済みだという。また、長野県の奥志賀にもプレミアムな数百部屋規模のスキーリゾートを建築する予定となっている。
2つ目のキーワードである「オリジナル」は、どのリゾートでも同じものは作らないという信念だという。ザハ・ハディド氏の遺作となったモーフィアスは、マカオのIRである「シティ・オブ・ドリームス」内にあるリゾートホテルで、建物の中心部に穴があるという独特なフォルムでマカオのアイコンになった。また、映画をテーマにした家族向けIRである「スタジオシティ」は、地上130メートルの位置に八の字型の観覧車が設置されている。さらに、最近作られたキプロスのリゾートも、地中海のリゾートということで幾何学模様のユニークなアーキテクチャとなっている。「すでに横浜のパースもできており、見せたくてしようがないが、近日中に公開したい」と斎藤氏はアピールした。
3つ目のキーワードは「プレミアム」。たとえばフォーブスやミシュランなどの格付け機関が対象としている20万の施設のうち、5つ星は210に過ぎない。そのうちマカオにはフォーブスの選んだ5つ星ホテルが4棟、4つ星ホテルが1棟あり、合計で24もの星を得ているという。一方、ミシュランに関しては6つのレストランで、合計10もの星を獲得している。
「数字だけでプレミアムを語るのは十分ではないが、ミシュランで星を1つ得るのがどれだけ大変かは理解していただけると思う」と語る齊藤氏は、1600部屋を擁するスタジオシティとモーフィアスのあるシティ・オブ・ドリームスをビデオで披露。ラグジュアルなホテル、VRパークやEゲームのスタジアム、ミシュランの星を得たレストラン、広大なスパ、ライブやイベントで利用できる多目的ホール、「ハウス・オブ・ダンシングウォーター」などのショーを参加者に紹介した。
4つ目は「新進気鋭」というキーワードだ。メルコリゾーツはFacebookと同じ2004年に誕生したばかりの若い会社で、ガバナンスやサステイナビリティなどの経営概念にも非常に注力しているという。オーナーのローレンス・ホー氏もまだ43歳。「日本の方々と話すと、海外の会社がIRのような事業にコミットするのかという質問されますが、43歳の彼は日本でこれから始める事業を五十年、一世紀くらいのビジョンで見据えている」と齊藤氏は語る。
これだけ大規模な施設なので、雇用効果も大きい。直接雇用は1万3000人、小売・エンターテインメントなどの第三者で7000人をあわせて2万人にのぼる。当然、神奈川・横浜に対しても1000億円規模の税収を想定している。
ホテルに関しては4000室を想定しており、2250室が5つ星、残りが4つ星となる予定だ。「東京にも5つ星ホテルは4つしかない。横浜にIRができれば、東京の5つ星をすべて足した数の倍の5つ星ホテルが誕生する」と齊藤氏は語る。
齊藤氏は、「私は横浜のIRをやるために入社した。最初は別の場所もやっていたが、今メルコリゾーツは横浜しかやっていない。山下ふ頭、山下公園、山手から横浜につながるエリアの魅力に幹部全員が魅了されている」とアピール。すでに野毛、元町、伊勢佐木町、関内、中華街などの地元イベントに協賛し、横浜F・マリノスへのスポンサーにもなっている。「横浜・神奈川の地元の人たちといっしょに仕事をし、地元に貢献する。横浜はもちろん、それ以外にも幅広く拡がるIRを作っていきたい」と齊藤氏は語る。
さらに、従業員を大切にするメルコリゾーツの姿勢に感銘を受けたという齊藤氏は、スタジオシティにある「ハート・オブ・ハウス」と呼ばれる充実したバックヤードをスライドで披露。「日本にも従業員にとって最高の職場を作りたい」と抱負を語った。
■関連サイト
メルコリゾーツ&&エンターテインメントジャパン
https://www.melco-resorts.jp/jp/index.php.html
パートナーシップなしにIRは成功しない
メルコリゾーツ&エンターテインメントジャパンで横浜プロジェクトをリードする齊藤 直人氏は、銀行勤めからキャリアをスタートさせ、その後ボストンコンサルティング、日本マクドナルドを経て前職は芸能プロダクションのアミューズに在籍。「アミューズは茅ヶ崎のサザンオールスターズや年末にパシフィコ横浜でコンサートを行なう福山雅治が所属しており、神奈川・横浜に縁も深い」と齊藤氏はアピールした。1年半前、アミューズに訪れたメルコリゾーツのローレンス・ホー氏と出会い、マカオにある同社のIRを見学。幹部と交流を深める中で、「この産業はこれからの日本に絶対必要」という確信を得て、メルコリゾーツに入社。ローレンス・ホー氏のビデオを上映した齊藤氏は、まずはパートナーシップについて説明した。
ダーティなイメージの強かったカジノの街マカオにおいて、メルコは洗練されたラグジュアリーなリゾートを実現するIRを作りあげてきた。しかし、メルコリゾーツはマカオのほかにも、マカオ、オーストラリア、キプロスなどでIRを運営しているが、どれもパートナーとの協業なしで事業が成り立たないという。「われわれはIRに関してはプロだが、その土地の事情に関してはプロではない。現地のパートナーと協力して、リゾートを運営してきた」(齊藤氏)と語る。
メルコリゾーツを表す「日本愛」「オリジナル」「プレミアム」「新進気鋭」
続いて齊藤氏は4つのキーワードでメルコリゾーツについて説明する。1つ目は「日本愛」の強さ。「ローレンスは5歳のときに初めて日本に来て以来、日本が大好きで、すでに400回以上来日している。去年は2週間に1度くらいは来日していた」と齊藤氏は語る。実際、ホー氏は日本での事業に認可がとれたら本社を日本に移すとまで公言しているが、「家族は大丈夫かと聞いたら、奥様は自分よりさらに日本が好きで、日本に住むのを楽しみにしている」と語ったという。「メルコリゾーツ=IR」のイメージが強いが、IR以外のリゾートにおいても、日本の観光業を支援する取り組みをすでにスタートしている。昨年はメルコクリエイティブエクスチェンジというファンドを立ち上げ、300億円におよぶ観光投資を発表している。箱根では長期滞在を前提とした温泉リゾートを計画中で、箱根の強羅花壇の近くにすでに土地を取得済みだという。また、長野県の奥志賀にもプレミアムな数百部屋規模のスキーリゾートを建築する予定となっている。
2つ目のキーワードである「オリジナル」は、どのリゾートでも同じものは作らないという信念だという。ザハ・ハディド氏の遺作となったモーフィアスは、マカオのIRである「シティ・オブ・ドリームス」内にあるリゾートホテルで、建物の中心部に穴があるという独特なフォルムでマカオのアイコンになった。また、映画をテーマにした家族向けIRである「スタジオシティ」は、地上130メートルの位置に八の字型の観覧車が設置されている。さらに、最近作られたキプロスのリゾートも、地中海のリゾートということで幾何学模様のユニークなアーキテクチャとなっている。「すでに横浜のパースもできており、見せたくてしようがないが、近日中に公開したい」と斎藤氏はアピールした。
「数字だけでプレミアムを語るのは十分ではないが、ミシュランで星を1つ得るのがどれだけ大変かは理解していただけると思う」と語る齊藤氏は、1600部屋を擁するスタジオシティとモーフィアスのあるシティ・オブ・ドリームスをビデオで披露。ラグジュアルなホテル、VRパークやEゲームのスタジアム、ミシュランの星を得たレストラン、広大なスパ、ライブやイベントで利用できる多目的ホール、「ハウス・オブ・ダンシングウォーター」などのショーを参加者に紹介した。
4つ目は「新進気鋭」というキーワードだ。メルコリゾーツはFacebookと同じ2004年に誕生したばかりの若い会社で、ガバナンスやサステイナビリティなどの経営概念にも非常に注力しているという。オーナーのローレンス・ホー氏もまだ43歳。「日本の方々と話すと、海外の会社がIRのような事業にコミットするのかという質問されますが、43歳の彼は日本でこれから始める事業を五十年、一世紀くらいのビジョンで見据えている」と齊藤氏は語る。
メルコは横浜しか取り組んでいない
最後、齊藤氏は横浜のIRプロジェクトについて説明した。規模に関しては年間3600万人で、5000億円の売り上げを見込む。「3年目で9割くらいが立ち上がる。フルになれば6000億円が見込める」(齊藤氏)とのこと。ちなみに3000万人はディズニーリゾートの年間来場者数、日本が昨年達成したインバウンド観光客と同じレベルだという。これだけ大規模な施設なので、雇用効果も大きい。直接雇用は1万3000人、小売・エンターテインメントなどの第三者で7000人をあわせて2万人にのぼる。当然、神奈川・横浜に対しても1000億円規模の税収を想定している。
ホテルに関しては4000室を想定しており、2250室が5つ星、残りが4つ星となる予定だ。「東京にも5つ星ホテルは4つしかない。横浜にIRができれば、東京の5つ星をすべて足した数の倍の5つ星ホテルが誕生する」と齊藤氏は語る。
齊藤氏は、「私は横浜のIRをやるために入社した。最初は別の場所もやっていたが、今メルコリゾーツは横浜しかやっていない。山下ふ頭、山下公園、山手から横浜につながるエリアの魅力に幹部全員が魅了されている」とアピール。すでに野毛、元町、伊勢佐木町、関内、中華街などの地元イベントに協賛し、横浜F・マリノスへのスポンサーにもなっている。「横浜・神奈川の地元の人たちといっしょに仕事をし、地元に貢献する。横浜はもちろん、それ以外にも幅広く拡がるIRを作っていきたい」と齊藤氏は語る。
■関連サイト
メルコリゾーツ&&エンターテインメントジャパン
https://www.melco-resorts.jp/jp/index.php.html