横浜のIRはボストンから学べる ウィン・リゾーツが記者説明会を開催

JaIR編集委員・玉置泰紀

 ウィン・リゾーツは今年7月ボストンにオープンしたばかりの最新IR「アンコール・ボストンハーバー」でプレスを集めた大きなプレスカンファレンスを行なった。ウィン・リゾーツ・ディベロップメント・ジャパン合同会社のクリス・ゴードン代表は、「ボストンは横浜に似ている。われわれは横浜に全力を集中している。リクエスト・フォー・コンセプト(RFC)も12月までにはまとめる」と、日本進出に強い意欲を示した。


会場となったボストン・アンコールハーバー
 

大都市部にできたボストンのIR

 ボストンと横浜の事例に関して、「この施設は、アメリカでは大都市部に初めてできた例外的存在。横浜も同じだが、施設内だけでなく、都市自体の一環として作られるべき。(ボストンのIRは)新しい特区のようなイメージ」と説明した。とはいえ、苦労も多かったようで、「ボストンでは、マサチューセッツ州が2011年にカジノを合法化してから、今年の開業までに8年かかった」(ゴードン氏)という。


ウィン・リゾーツ・ディベロップメント・ジャパン合同会社のクリス・ゴードン代表

 アンコール・ボストンハーバーのロケーションに関しては、「都市部から離れた場所での開業とはまったく違う。ここはボストンに隣接するエバレット市にあるのだが、化学工場跡地で30年近く打ち捨てられていた場所で、市のウォーターフロント再開発の構想と呼応する形で土壌・環境の改善や交通インフラの整備を進め、何百という地元のミーティング、諸々の会議、18の公聴会などに参加し、最終的に住民投票で86%の賛成を獲得して開業した」と説明。「横浜でもIRのイメージを変えていく。派手なことではなく、丁寧にコミュニケーションを図っていきたい」と方針を語った。


ボストンのIRのロケーション

 地元との関係については、「ボストンでは、地元の多くの会社とパートナーシップを持った。野球のレッドソックスやバスケのセルティックス、アメフトのペイトリオッツといったプロスポーツから、ボストン美術館やボストン交響楽団などの文化施設まで深くコミットし、イベントのスポンサーになり、それらの施設へのIR利用者送客も用意している。地元の高校や大学との連携も強化している」とコメントした。このIRのレストランには、地元の人気店導入はもちろん、食材も、港湾都市ボストンならではの魚介類のメニューを多く採用。特に有名なオイスターはオイスターバーを導入するなど、地産地消の食材にこだわっている。横浜においても豊かな観光資源との連携できるという。

 またボストンでは、交通インフラなどの整備に8500万ドル(およそ90億円)を投資し、新たに水上バスも建造した。ゴードン氏は、「水上・陸上もあわせて、横浜に必要なインフラ整備を進める」と明言。いよいよ競争が激化する横浜のIRに強い自信を見せた。

■関連サイト
ウィン・リゾーツ
http://www.wynnjapan.com/