「観光はジャパンファースト」メルコが270億円規模の投資ファンド設立

JaIR編集部

 

ローレンス・ホー会長兼最高経営責任者


 メルコリゾーツ&エンターテインメント・リミテッドは10月29日、ホスピタリティー投資ファンド「メルコ・クリエイティブ・エクスチェンジ(MCX)」を立ち上げると発表した。270億円規模のファンドで、観光開発を通じて日本の地域経済の活性化を支援するのが目的。

 メルコにとって日本は長期ビジネス戦略の要であり、地方に可能性があるとの考えからファンドの設立にいたったという。ミッションは、地方を訪れる国内および海外からの訪問客を迎える、プレミアムな施設を特定・開発し、運営すること。

 同社のローレンス・ホー会長兼最高経営責任者は「日本に来る理由は風景、料理などたくさんある。しかし、ツーリズムにおいてまだまだ魅力を発揮していない。その中で統合型リゾート(IR)は大きな役割を果たす。国際的なお客様を引き付ける重要なものだ」とIRの重要性を説きながらも、

 「IRを超えて日本の重要な地方を再生、活性化に協力できる」と断言。

 「経験や知識をうまく活用することで、日本にふさわしいお客様を呼べる。いらっしゃるお客様方は日本を体験したい富裕層だからGDPにも貢献できる。地方経済も復活すると考えている。雇用、コミュニケーションなど、多くのメリットがもたらされるだろう」とMCXの役割を説明した。

 さらに「IRでは横浜ファーストと言ったが、メルコとして、観光はジャパンファーストを宣言したい」と力を込めた。

 

 

箱根に5つ星温泉リゾート



 



 MCXとしてのプロジェクトも発表した。ひとつは箱根の5つ星の温泉リゾートだ。場所は強羅駅から徒歩5分のところで、土地面積は6471平方m。既存の施設をリニューアルする形でリゾートに仕上げる。建築は坂 茂氏が担当。

 35のスイートを備えた4階建てのリゾートで、各客室には専用テラスが付いている。ほとんどの客室が山々の壮観を一望できるプライベート温泉付きとする。

 同社のエグゼクティブヴァイスプレジデント兼クリエイティブおよびブランド最高責任者のフレデリック・ウィンクラー氏は「温泉宿を現代的にあらわしたもの」と説明。

 「坂氏ならではの建築で、木材が実用面においても美的面においても重要。伝統を活かしつつ新たな展開だ」と自信をのぞかせる。

 ただ、オープン時期について説明はなかった。

 


 


 


 



 もうひとつは「山奥のスキー施設を通年で使用可能な4つ星または5つ星の美しい複合型スキーリゾートへと生まれ変わらせるプロジェクト」。

 詳細については一切明かされず、フレデリック・ウィンクラー氏は「東京から近いが、(場所は)どこかは教えられない。まだマスタープランの段階。全体でいうと10年くらいはかかるだろう。明確なプランもいまはないが、数十のハイエンドな部屋になる」とした。

 


 

フレデリック・ウィンクラー氏


 

大坂なおみがブランド・アンバサダーに就任



 さらに、同社は横浜のIR開発に向けた整備活動において、大坂なおみ選手がブランド・アンバサダー兼スポーツ・グループ・ディレクターに就任したと発表。MCXについても、深く関わるという。

 



 現時点ではスキーリゾートで、さまざまなウェルネスを取り入れる考えを示した。