政府、IR施行令を閣議決定 宿泊施設は海外IRと同規模を想定

大谷イビサ(JaIR編集部)


2019年3月26日、政府は統合型リゾート(IR)施設の要件などを定めた施行令を閣議決定した。「特定複合観光施設」の中核施設として、国際会議場施設、観光の魅力増進施設、送客施設、宿泊施設の具体的な基準と要件が示された。

今回閣議決定された施行令では、国際会議場施設については、最大国際会議室の収容人員がおおむね1000人以上、かつ国際会議場施設全体の収容人員の合計が最大国際会議室の収容人員の2倍以上であることが求められる。展示施設に関しては、最大国際会議室の収容人員の区分に応じて、3つの基準が設けられた。また、観光の魅力の増進に資する劇場、演芸場、音楽堂、競技場、映画館、博物館、美術館、レストランなどの施設設置も求められる。

送客施設は観光の魅力を伝えるショールーム機能、必要なサービスをワンストップで実施できるコンシェルジュ機能、多言語対応、多数の来訪客に対応するための十分な施設規模の4つをすべて満たす必要があるという。さらに宿泊施設に関してはすべての客室の床面積の合計が、おおむね10万㎡以上であることが明記された。

「ゲーミング区域」と呼ばれるカジノ施設に関しては、IR施設の床面積の合計の3%が上限とされた。また、IR区域以外のカジノ事業に関する広告も空港や港湾の旅客ターミナルに限定されている。さらにカジノ事業者と顧客との間の現金とチップの交換などで、100万円を超える取引は現金取引報告(CTR)の対象となる。

昨年、成立したIR整備法では公布後9ヶ月以内にIR施設の基準や要件を定める必要があり、同11月からIR推進会議を開催し、施行令の具体的な内容について検討を深めてきた。2019年にはパブリックコメントを実施し、与党で審議を進めた結果、今回のIR施行令が発表されている。IR整備法において政令で定める58項目のうち、今回の施行令案によって50項目を措置することになるという。施行は4月1日から。