北海道・鈴木知事が2021年のIR認定申請見送りを表明

JaIR編集部

 北海道の鈴木直道知事は14日、道議会の、食と観光対策特別委員会での質疑に関して、「今回の(国が示した)申請期間では、充分な検討期間が確保されたものとは言えない」と言明し、改めてIR(統合型リゾート)誘致の見送りを表明した。今後も、新たなインバウンドの一つとして検討は続けていくことも強調をした。


北海道庁が公開している北海道知事定例記者会見(令和3年1月14日)より
 

鈴木知事「充分な検討期間が確保されたとは言えない」

 北海道議会の特別委員会、「食と観光対策」で14日、観光振興監より、IRについて、新型コロナ感染症の拡大の中、世界経済の動向や事業者の環境などから、政府が基本方針で示した、自治体からのIR区域整備計画(IR事業者と共同)の国へ認定申請期間(2021年10月1日から2022年4月28日)に間に合わせるのは難しいという答弁があり、その後の鈴木知事の定例記者会見で、今回の申請を見送るのかという質問に対し、「今回の(国が示した)申請期間では、充分な検討期間が確保されたものとは言えない」、「しかし、新たなインバウンドの可能性の一つとして、北海道らしいIRコンセプトは追及していき、取り組みを進めていく」と回答した。

 明確に、申請をしないとは発言していないが、「充分な検討期間が確保されたとは言えない」と繰り返し発言しており、今回の認定申請は見送ったと思われる。

 鈴木知事は2019年11月29日に一度、修正される前の認定申請期間で見送りを表明しており、今回、基本方針が明らかになって9か月申請期間が後ろ倒しになったことから動向が注目されていたが、決断を下した形だ。JaIR(ジャイア)のインタビューに対して、候補地である苫小牧市の岩倉博文市長は「これからの北海道を考えたとき、できるだけ早く新しい装置を作ることが必要だと考えています。その1つがIRです。ぜひ知事には『ご英断をお待ちしています』と伝えたいです」と、改めて挑戦するよう期待を語っていた。


■関連サイト
北海道鈴木直道知事定例記者会見 動画(令和3年1月14日)※IRに関する質問は1時間12分頃~
https://www.youtube.com/watch?v=NKlDFt__ixE&feature=youtu.be

統合型リゾート(IR)苫小牧市
http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/kanko/resort/rizoto/

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